66歳でパート勤務、厚生年金保険料を月1万円払うと年金はいくら増える?65歳以降の加入効果を計算

社会保険

65歳を過ぎてパートやアルバイトとして働き、給与から厚生年金保険料が引かれていると、「今から保険料を払って、将来の年金はどのくらい増えるのだろう」と気になるものです。

厚生年金は65歳になったら掛けても意味がなくなる制度ではありません。適用事業所で加入要件を満たして働く場合、原則として70歳になるまで厚生年金の被保険者となり、その加入期間と報酬は老齢厚生年金の金額に反映されます。

例えば、本人負担の厚生年金保険料が毎月10,065円で、これが一般的な保険料率による控除額だとすると、標準報酬月額はおおむね11万円と推定できます。この条件が1年間続いた場合、単純計算では将来の老齢厚生年金が年額約7,200円、月額換算で約600円増えることが一つの目安になります。

厚生年金保険料10,065円から標準報酬月額を推定できる

厚生年金保険料は、実際の給与額そのものへ直接一定率を掛けるのではなく、給与を一定の幅で区分した「標準報酬月額」を使って計算します。日本年金機構によると、厚生年金の保険料率は18.3%で、原則として事業主と本人が半分ずつ負担します。[参照:日本年金機構 厚生年金保険の保険料]

したがって本人負担分は基本的に9.15%です。標準報酬月額11万円の場合、「110,000円×18.3%÷2=10,065円」となります。

つまり毎月ちょうど10,065円が厚生年金保険料として控除されているケースでは、標準報酬月額11万円が計算の基礎になっている可能性が高いと考えられます。ただし給与明細の控除内容や勤務先の制度によって事情が異なることもあるため、正確には勤務先や「ねんきんネット」で確認してください。

1年間働くと年金は月約600円増える計算

平成15年4月以降の厚生年金の報酬比例部分は、基本的に平均標準報酬額に5.481/1000と加入月数を掛けて計算します。実際の年金額では再評価率なども関係するため、以下は現在の条件を使った概算です。[参照:日本年金機構 報酬比例部分]

標準報酬月額11万円で賞与がないと仮定して1年間(12カ月)加入すると、「110,000円×5.481÷1000×12カ月≒7,235円」となります。

これは1年間働くごとに老齢厚生年金の年額が約7,200円増えるという意味です。12カ月で割ると、将来受け取る年金の月額では約603円の増加に相当します。

同程度の報酬での加入期間 年金年額の増加目安 月額換算の増加目安
1年間 約7,200円 約600円
2年間 約14,500円 約1,200円
3年間 約21,700円 約1,800円
4年間 約28,900円 約2,400円

例えば66歳から70歳まで約4年間、標準報酬月額11万円程度で継続して厚生年金へ加入したと仮定すると、単純計算では老齢厚生年金が年額約2万9,000円、月額では約2,400円増える計算です。

払った10,065円がそのまま自分の年金として積み立てられるわけではない

ここで注意したいのは、「毎月10,065円を12カ月払ったから、12万780円が自分専用の口座に積み立てられる」という仕組みではないことです。公的年金は個人の預金とは仕組みが異なります。

また、厚生年金保険料は本人だけでなく勤務先も原則として同額を負担しています。標準報酬月額11万円なら厚生年金保険料全体は月20,130円で、その半分の10,065円を本人、残り半分を事業主が負担する仕組みです。

そのため「自分が支払った保険料総額÷増えた年金額」だけで制度の損得を判断するのは単純すぎます。老齢年金だけでなく、公的年金には障害厚生年金や遺族厚生年金などの保障機能もあります。

65歳を過ぎて働いていても年金額は毎年見直される

以前は、65歳以降も厚生年金へ加入して働いている場合、退職などで資格を喪失するまで追加加入分が年金額へ反映されない仕組みがありました。現在は「在職定時改定」という制度があります。

日本年金機構によると、厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受給している65歳以上70歳未満の人が基準日の9月1日に厚生年金へ加入している場合、それまでの加入期間を反映して年金額が再計算され、原則として10月分から年金額が見直されます。[参照:日本年金機構 在職老齢年金の計算方法]

つまり66歳で厚生年金に加入して働いている場合、「70歳まで待たなければ増額分が反映されない」とは限りません。受給しながら働く人についても、毎年の加入実績を年金額へ反映する仕組みがあります。

働きながら年金を受け取る場合は在職老齢年金も確認

65歳以降に老齢厚生年金を受け取りながら厚生年金へ加入して働く場合には、「在職老齢年金」という制度も関係します。これは賃金と老齢厚生年金の合計が一定水準を超えた場合に、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止となる仕組みです。

2026年度(令和8年度)は、基本月額と総報酬月額相当額の合計が65万円を超える場合に調整対象となります。[参照:日本年金機構 在職老齢年金制度の改正]

したがって標準報酬月額11万円程度のパート勤務だから、それだけで年金が減らされるわけではありません。実際に支給停止になるかは給与だけでなく、受給している老齢厚生年金額や賞与などを合わせて判断します。

週5日・1日5時間より「標準報酬月額」が年金増額のポイント

「1日5時間・週5日」という勤務時間は社会保険への加入要件を考える際には重要ですが、実際に老齢厚生年金がどれだけ増えるかを計算するときには、勤務時間そのものより標準報酬月額と加入期間が重要です。

例えば同じ週25時間勤務でも、時給や各種手当が違えば標準報酬月額が異なり、将来増える老齢厚生年金も変わります。また賞与から厚生年金保険料を支払っている場合には、標準賞与額も年金額の計算に反映されます。

給与明細だけでは標準報酬月額が分からない場合は、日本年金機構の「ねんきんネット」で自身の年金記録や将来の年金見込額を確認できます。今後の働き方や収入条件を変えて試算する機能もあるため、概算より正確に知りたい場合に便利です。[参照:日本年金機構 ねんきんネット]

まとめ:月10,065円の厚生年金保険料なら1年加入で月約600円増が一つの目安

66歳のパート勤務で毎月10,065円の厚生年金保険料が給与から控除されている場合、一般的な厚生年金の保険料率から逆算すると、標準報酬月額は11万円である可能性が高いと考えられます。

標準報酬月額11万円、賞与なしという条件なら、1年間加入するごとに老齢厚生年金は概算で年約7,200円、月額換算で約600円増えるのが一つの目安です。同程度の条件で66歳から70歳まで4年間加入すれば、単純計算では年約2万9,000円、月約2,400円の増額になります。

ただし実際の年金額には標準賞与額、加入月数、再評価率、これまでの年金記録などが関係するため、この金額はあくまで概算です。自分の場合に何歳まで働くといくら増えるのか正確に把握したい場合は、「ねんきんネット」の年金見込額試算や年金事務所で確認すると確実です。

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