国税庁では国税総合管理システムの更改を進めており、新しいシステムは「KSK2」と呼ばれています。KSK2について「AIがすべての納税者の過去の所得を自動的に洗い出す」「昔の申告漏れが一斉に発見される」といった説明を見かけることがありますが、公開されている国税庁資料からは、そこまで単純な仕組みとはいえません。一方で、KSK2では申告・納税情報や法定調書などを一元的に管理し、蓄積した情報を多角的に分析して税務調査対象者の選定などを支援することが明示されています。また、国税庁はKSK2とは別に以前からAI・データ分析を課税・徴収業務へ活用しています。そのため、過去の申告と第三者から提出された資料との不整合などが分析対象になる可能性はありますが、「KSK2になったからAIが過去○年間を全員について自動調査する」という公表されたルールはありません。この記事では、KSK2の実際の機能、AIとの関係、過去の申告漏れへの影響、更正・決定できる期間について整理します。
- KSK2とは何か?国税庁の基幹システムを更改したもの
- KSK2ではどのような情報を扱うのか
- KSK2には税務調査対象者を選定する機能がある
- AIによる税務調査の選定はKSK2で突然始まったものではない
- KSK2で「過去の所得」もチェックされる可能性はある?
- 「KSK2導入=昔の申告を全件再チェック」ではない
- 「AIに見つかる」とは具体的にどういうことか
- 過去の申告漏れが見つかる可能性はKSK2以前からあった
- 過去○年まで調べられるかはKSK2ではなく税法上の期間制限が重要
- 通常の申告漏れは「5年」が一つの重要な基準
- 悪質な仮装・隠蔽等では7年が問題になることがある
- AIが使われても税法上の期間制限が無制限になるわけではない
- 具体例:3年前の副業収入を申告していなかった場合
- 具体例:毎年同じ取引先から報酬を得て一部の年だけ申告していない場合
- 法定調書とは何か?本人の確定申告以外から入る情報もある
- 海外取引についてもデータ活用は進んでいる
- KSK2ではAI-OCRも使われる
- KSK2で税務調査件数が単純に激増するとは限らない
- 「KSK2がいつから本格稼働するか」も最新情報を確認する
- 過去の申告漏れに気付いているならKSK2を気にするより修正を検討する
- 「税務署から連絡が来るまで待つ」は得策とは限らない
- 税務調査の対象になったから申告漏れが確定したわけではない
- 「AIなら銀行口座を常時監視している」という理解にも注意
- KSK2で変わること・変わらないことを整理
- KSK2を過度に恐れる必要はないが「情報がつながりにくい」という期待もしない
- まとめ:KSK2は過去の所得を無制限に自動調査するAIではなく、情報分析と調査選定を高度化する基幹システム
KSK2とは何か?国税庁の基幹システムを更改したもの
KSKは「国税総合管理システム」のことで、全国の国税局・税務署をネットワークで結び、申告・納税に関する情報などを一元的に管理する国税庁の基幹システムです。
国税庁が公表している特定個人情報保護評価書では、KSK2について、申告・納税の事績や各種情報を入力して国税債権等を一元的に管理するとともに、それらを分析して税務調査や滞納整理に活用するシステムだと説明しています。[参照:国税庁 国税総合管理システム(KSK2)の概要]
つまりKSK2は「脱税を見つけるAIそのもの」の名称ではありません。申告、納税、法定調書、税務調査など国税行政のさまざまな情報を扱う大規模な基幹システムで、その中に調査対象者の選定を支援する機能などが組み込まれています。
KSK2ではどのような情報を扱うのか
国税庁の公開資料では、KSK2の具体的な機能として、納税者の基本情報、関係者情報、各税目の申告・申請・届出情報、法定調書等の資料情報、国税の債権債務などを管理するとされています。
さらに、入力した申告・納税実績をシステムへ蓄積し、決算情報や資料情報などを基に多角的な分析を行うことで、税務調査対象者の選定や滞納整理対象者の抽出を支援するとされています。[参照:国税庁]
したがって「申告書だけを見るシステム」ではなく、税務署が保有する複数種類のデータを納税者単位で管理・分析しやすくする仕組みと理解するのが適切です。
KSK2には税務調査対象者を選定する機能がある
KSK2について特に注目されているのが、税務調査対象者の選定機能です。国税庁の資料には、KSK2の具体的機能として「税務調査対象者の選定等」が明記されています。[参照:国税庁]
ただし、これは「コンピューターが脱税者を確定し、自動的に税務調査を開始する」という意味ではありません。蓄積したデータを分析して、申告内容を確認する必要性が比較的高い納税者を絞り込むための支援機能です。
税務調査を実施するか、どのような資料を確認するか、最終的に申告漏れが存在するかといった判断まで、AIだけで自動確定すると国税庁が説明しているわけではありません。
AIによる税務調査の選定はKSK2で突然始まったものではない
「KSK2になって初めて税務署がAIを使う」という理解にも注意が必要です。国税庁はKSK2への更改以前から、税務行政のDXとしてAIやデータ分析の活用を進めています。
国税庁は現在、AIを大きく「予測AI」と「生成AI」に分けて利用を進めており、予測AIについては過去のデータ等を分析して未知の事象を予測することに強みを持つAIと説明しています。[参照:国税庁 税務行政のデジタル・トランスフォーメーション]
さらに国税庁は以前から、申告内容、税務調査の結果、資料情報、民間情報機関や外国政府から得られる情報などを分析し、申告漏れ等のリスクが高い対象を抽出する方針を公表しています。[参照:国税庁 AI・データ分析の活用]
KSK2で「過去の所得」もチェックされる可能性はある?
過去の申告情報が国税当局に蓄積されており、その情報を利用可能な範囲で分析すること自体は十分考えられます。KSK2は申告・納税の実績や各種資料を蓄積し、多角的分析を行うことが目的の一つだからです。
例えば、ある年の本人の確定申告では事業収入500万円と申告されている一方、取引先等から提出された資料や別の年度の情報などから、申告内容との不整合を示す情報が存在する場合、そのようなデータが確認・分析の材料になる可能性があります。
また、同じ納税者について複数年度の申告内容を比較すれば、売上、利益率、所得、経費などの推移を確認することも技術的には可能です。ただし、国税庁はKSK2について「全納税者の過去○年分をAIが自動的に再調査する」といった具体的な運用ルールを公開していません。
「KSK2導入=昔の申告を全件再チェック」ではない
KSK2の導入によって、それ以前のすべての確定申告についてAIがゼロから再計算し、全国民を一斉に過去へさかのぼって審査する、と理解するのは行き過ぎです。
国税庁の公表資料から確認できるのは、蓄積情報の分析を高度化・効率化し、税務調査対象者の選定などを支援するという点です。
より正確には「税務署が既に持っている多くの情報を横断的に分析し、確認すべき対象を効率よく抽出しやすくする方向」と考えるのがよいでしょう。
「AIに見つかる」とは具体的にどういうことか
税務行政におけるAI・データ分析では、「この人は脱税している」とコンピューターが法的に確定するわけではありません。データから申告漏れなどのリスクが高そうな対象を抽出し、職員による確認や税務調査につなげるという使い方が中心です。
国税庁が公表したAI・データ分析の資料でも、申告内容や調査事績、資料情報などを組み合わせてデータを作り、統計分析やネットワーク分析等によって「申告漏れ等のリスクの高い対象」を抽出し、その分析結果を活用するという流れが示されています。[参照:国税庁]
つまり、AIや分析ツールは税務職員に代わって最終的な課税判断をするものというより、「限られた税務調査人員をどこへ投入するか」を判断するための材料として大きな意味を持ちます。
過去の申告漏れが見つかる可能性はKSK2以前からあった
数年前の申告漏れは、KSK2が登場するまで税務署から分からなかったというものではありません。
従来のKSKでも申告・納税などの情報は管理されており、法定調書、資料情報、税務調査、第三者への照会などを通じて過年度の申告漏れが判明することは以前からありました。
KSK2のポイントは、税務行政全体のデータ処理や情報連携・分析を更改し、高度化・効率化するところにあります。したがって「KSK2ができた日を境に昔の申告漏れが初めて見えるようになる」という理解は適切ではありません。
過去○年まで調べられるかはKSK2ではなく税法上の期間制限が重要
過去の申告について考える際、KSK2のデータ保持期間と税務署が法律上課税処分を行える期間は別問題です。
国税通則法には、税務署が更正・決定などを行える期間について制限があります。国税庁の税務大学校の教材によると、通常の過少申告や無申告について、更正・決定を行える期間は原則5年とされています。[参照:国税庁 税務大学校 国税通則法]
一方、偽りその他不正の行為によって税額を免れたような場合などには、7年という期間が問題になるケースがあります。
つまり「KSK2だから過去5年を見る」のではなく、課税できる期間は国税通則法などによって決まり、KSK2はその範囲で税務行政を支援するシステムです。
通常の申告漏れは「5年」が一つの重要な基準
所得税の申告について、単純な計算ミスや申告漏れが後から判明した場合、税務署が増額更正できる期間は通常、法定申告期限から5年が基本です。
例えば2026年時点で数年前の所得について申告漏れが見つかった場合、その所得が何年分なのか、法定申告期限がいつだったのかによって、税務署が更正できる期間内かどうかが決まります。
ただし、税目や事案、申告状況、不正行為の有無などによって期間が異なる場合があります。「何年経過したから絶対に大丈夫」と自己判断するのは避けた方がよいでしょう。
悪質な仮装・隠蔽等では7年が問題になることがある
単純な申告ミスと、所得を意図的に隠すため架空経費を作ったり取引を隠したりするケースは同じ扱いではありません。
国税庁の国税通則法教材では、「偽りその他不正の行為」により税額を免れた場合などについて7年の期間が定められていることが示されています。[参照:国税庁]
そのため、インターネット上で見かける「税務署は5年しか見られない」という説明も正確ではありません。通常ケースと不正行為があるケースでは法律上の扱いが変わる可能性があります。
AIが使われても税法上の期間制限が無制限になるわけではない
KSK2やAIによってデータ分析能力が向上しても、それによって国税通則法の期間制限が消えるわけではありません。
例えばAIが非常に古い取引について何らかの不整合を発見できたとしても、「AIが見つけたから何十年前でも自由に所得税を増額できる」という制度にはなりません。実際に更正・決定できるかは税法上の期間制限によります。
したがって、「AIの技術的な検索可能範囲」と「税務署が法律上課税処分できる期間」を混同しないことが重要です。
具体例:3年前の副業収入を申告していなかった場合
例えば会社員が3年前に副業で年間80万円の報酬を得て、本来申告が必要だったにもかかわらず確定申告へ含めていなかったとします。
その報酬について支払側から法定調書等が提出されていたり、税務調査等を通じて取引情報が把握されたりすれば、本人の申告内容との不整合が確認される可能性があります。
KSK2によって情報の一元管理・分析が高度化されれば、こうした不整合の確認を効率化できる可能性はあります。ただし、「KSK2が導入された瞬間、自動的に3年前の80万円が申告漏れと確定して通知が来る」とまでは公表されていません。
具体例:毎年同じ取引先から報酬を得て一部の年だけ申告していない場合
例えば個人事業主が同じ取引先から毎年300万円前後の報酬を受けているにもかかわらず、ある年度だけ売上として100万円しか計上していなかったとします。
申告情報、取引先側の資料情報、過年度の数値などが一元的に利用できれば、前年や翌年との比較、第三者情報との照合などから確認対象として浮かび上がる可能性があります。
このように、AI・データ分析の強みは「1件の申告書を読む」ことより、多数のデータを組み合わせ、通常と異なるパターンや関連性を見つけるところにあります。
法定調書とは何か?本人の確定申告以外から入る情報もある
税務署が保有する情報は、本人が提出した確定申告書だけではありません。企業や金融機関など第三者が税務署へ提出する法定調書などもあります。
KSK2の公式資料にも「法定調書等の資料情報の管理」が機能として明記されています。[参照:国税庁]
そのため、「自分が確定申告に書かなければ税務署には情報がない」と考えるのは危険です。所得の種類によっては、支払者側などから別ルートで情報が税務署に入っている場合があります。
海外取引についてもデータ活用は進んでいる
国税庁のデータ活用は国内情報だけに限定されません。国税庁は、外国政府などから入手する情報も分析対象として利用する方針を以前から公表しています。[参照:国税庁 AI・データ分析の活用]
また、e-TaxのKSK2対応仕様には、CRSによる報告事項など国際的な情報交換に関係する仕組みも含まれています。[参照:e-Tax CRS KSK2対応仕様]
したがって、海外口座や海外取引について「国内の確定申告に書かなければデータ上つながらない」と考えることも適切ではありません。
KSK2ではAI-OCRも使われる
KSK2について国税庁が明示しているAI利用の一つにAI-OCRがあります。公開資料では、申告書等の入力に「AI-OCRの活用」と記載されています。[参照:国税庁]
AI-OCRは、紙の帳票などに記載された文字・数字をデータ化するための技術です。これは「申告漏れを判定するAI」とは別の用途です。
したがって、KSK2について「AIが搭載される」という話を見た場合には、文字認識AI、リスク予測・データ分析、生成AIなどを区別して考える必要があります。
KSK2で税務調査件数が単純に激増するとは限らない
データ分析を高度化する目的の一つは、限られた人員で効率的に税務行政を行うことです。そのため、必ずしも「全員に対する税務調査を大量に増やす」ことだけが目的ではありません。
むしろ申告漏れ等のリスクが高い対象を分析によって絞り込み、必要性の高い案件へ職員を重点的に投入できるようにすることが重要です。
国税庁も税務行政DXについて、課税や徴収の場面でデータを積極的に利用し、事務を効率化・高度化する方針を掲げています。[参照:国税庁 税務行政のDX]
「KSK2がいつから本格稼働するか」も最新情報を確認する
2026年9月時点では、国税庁は国税システム更改に伴うKSK2対応版のe-Tax仕様を公開し、各種システム・帳票の対応を進めています。2026年8月28日にもKSK2対応版仕様書が更新されています。[参照:e-Tax 国税システム更改に伴うKSK2対応]
また、KSK2対応のe-Tax仕様では2026年9月24日に受付開始予定となっている更新項目もあります。[参照:e-Tax KSK2対応版仕様書]
そのため、KSK2についての記事やSNS投稿を見る際には、古い開発予定と現在の運用状況が混在していないかにも注意が必要です。
過去の申告漏れに気付いているならKSK2を気にするより修正を検討する
もし「申告漏れが見つかる可能性があるのか」という一般的な疑問ではなく、実際に自分の過去の確定申告に申告漏れがあると分かっているのであれば、KSK2がどこまで分析するかを予想することより、正しい申告へ修正することを検討する方が重要です。
国税庁は、納める税金が少な過ぎた場合や還付された税金が多過ぎた場合には「修正申告」によって訂正すると案内しています。また、誤りに気付いた場合にはできるだけ早く修正申告するよう案内しています。[参照:国税庁 確定申告を間違えたとき]
さらに国税庁によると、税務署から調査の事前通知を受ける前に自主的に修正申告した場合、原則として過少申告加算税はかかりません。ただし、本来の納付期限から遅れて納付することになるため、延滞税が発生する場合があります。
「税務署から連絡が来るまで待つ」は得策とは限らない
申告漏れを認識しているにもかかわらず、「AIに見つからなければそのままでよい」「KSK2が自分を抽出するか様子を見る」とすることはおすすめできません。
税務署から指摘された後に修正する場合と、調査の事前通知前に自主的に修正する場合では、加算税の扱いが異なる可能性があります。[参照:国税庁]
どの年分をどのように訂正すべきか分からない場合は、税務署や税理士に相談し、売上、給与、副業収入、必要経費などを整理したうえで対応する方が安全です。
税務調査の対象になったから申告漏れが確定したわけではない
AI・データ分析によって「リスクが高い」と判定されたとしても、それは申告漏れや脱税が確定したことを意味しません。
例えば売上が前年より大幅に減った事業者でも、取引先を失った、長期間休業したなど合理的な理由がある場合があります。一般的な利益率から大きく外れていても、特殊な事業事情による場合もあります。
データ分析は確認対象を選ぶ手掛かりであり、実際の税務調査では帳簿、請求書、契約書、銀行取引など具体的な証拠を確認して課税関係を判断します。
「AIなら銀行口座を常時監視している」という理解にも注意
KSK2やAIについて、「税務署のAIが全国民の銀行口座をリアルタイムで常時監視している」といった説明も見かけますが、そのような仕組みだと国税庁が公表しているわけではありません。
税務当局には法律上認められた調査権限があり、必要に応じて金融機関などへ照会を行うことがあります。また、金融機関等から法令に基づいて提供される各種情報もあります。
しかし、「KSK2がすべての銀行取引をリアルタイムで自動取得し、AIが全件を監視している」とまで断定するのは、公表情報を超えた説明になります。
KSK2で変わること・変わらないことを整理
| 項目 | KSK2との関係 |
|---|---|
| 申告・納税情報の一元管理 | 高度化・効率化される |
| 法定調書等の資料管理 | KSK2の機能として明記 |
| 税務調査対象者の選定 | 蓄積情報の分析によって支援 |
| AI・データ分析 | 国税庁はKSK2以前から活用を推進 |
| 過去情報の分析 | 利用可能な蓄積情報が分析材料になる可能性あり |
| 全納税者を過去○年自動調査 | そのような一律ルールは公表されていない |
| 更正・決定できる期間 | KSK2ではなく国税通則法等で決まる |
| 税額の最終判断 | AIが自動的に脱税を確定する仕組みとは公表されていない |
特に重要なのは、KSK2の「情報分析能力」と税法上の「課税できる期間」を分けて考えることです。
KSK2を過度に恐れる必要はないが「情報がつながりにくい」という期待もしない
適正に申告している人が「AIに間違って狙われるのでは」と過度に恐れる必要はありません。仮に確認や税務調査の対象になっても、帳簿や証拠資料に基づいて適切に説明できればよいからです。
一方、「収入源が複数あるから税務署には分からない」「数年前だからシステム上つながらない」「ネット上の売上だから把握されない」と考えることも適切ではありません。
KSK2に限らず、国税庁は申告、資料情報、調査結果、他機関から得る情報などをデータとして利用し、課税・徴収の高度化を進めています。[参照:国税庁]
まとめ:KSK2は過去の所得を無制限に自動調査するAIではなく、情報分析と調査選定を高度化する基幹システム
KSK2は国税庁の新しい国税総合管理システムであり、申告・納税実績、法定調書等の資料、納税者情報などを一元的に管理し、蓄積情報を多角的に分析して税務調査対象者の選定などを支援する機能を持っています。国税庁自身がこの機能を公式資料で明記しています。[参照:国税庁 KSK2]
また、国税庁はKSK2以前からAI・データ分析を活用し、申告情報、調査実績、資料情報、外部から得る情報などを分析して申告漏れ等のリスクが高い対象を抽出する取組を進めています。[参照:国税庁 税務行政DX]
したがって、KSK2によって過去の申告情報や取引に関係する既存データを横断的に分析しやすくなる方向性はあります。しかし、「KSK2導入後はAIが全員の過去5年・7年を自動的に再調査する」「数年前の申告漏れなら必ず自動発見される」といった具体的な仕組みは国税庁から公表されていません。税務調査対象者の効率的な選定を支えるシステムと理解するのが適切です。
また、過去何年について税務署が更正・決定できるかはKSK2が決めるものではありません。一般的な過少申告・無申告では原則5年、偽りその他不正の行為がある場合などには7年が問題になることがあり、国税通則法等の期間制限によって決まります。[参照:国税庁 国税通則法]
すでに自分の過去の所得に申告漏れがあると分かっている場合は、「KSK2のAIに見つかるか」を予測するより、早めに修正申告が必要か確認することが重要です。国税庁も、税額を少なく申告していたことに気付いた場合はできるだけ早く修正申告するよう案内しており、原則として税務調査の事前通知前に自主的に修正申告すれば過少申告加算税はかからないとしています。[参照:国税庁 確定申告を間違えたとき]


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