自動車保険を代理店型からネット型(ダイレクト型)へ変更するとき、「インターネット割引1万円」「新規契約で最大○万円割引」といった表示を見かけます。初年度は安くても、翌年から割引がなくなって保険料が急に高くなるのではないか、と気になるところです。
実際には、ネット割引が初回限定か、継続契約でも適用されるかは保険会社によって異なります。継続時にもネット割引を用意している会社はありますが、新規契約より割引額が小さくなるケースが多いため、初年度の見積額だけで比較しないことが大切です。
ネット型自動車保険の「ネット割引」は毎年同額とは限らない
インターネット割引は、Web上で見積もりから契約手続きまで行うことで保険料を割り引く制度です。ただし、「新規契約で1万円引き」と表示されていても、翌年以降も毎年1万円引きになるとは限りません。
たとえばソニー損保では、2026年8月時点のインターネット割引は新規契約が12,000円、初回継続(2年目)が8,000円、3年目以降が4,000円と案内されています。つまり継続してもネット割引はありますが、契約年数によって金額が変わります。[参照]
このように「初年度だけ割引があり、2年目から完全にゼロ」という会社ばかりではありません。一方で、新規契約者向けの割引が最も大きく設定され、継続時には縮小するという仕組みは珍しくありません。
実際に新規と継続でどのくらい違うのか
三井ダイレクト損保では、年払いの場合、新規契約のインターネット契約割引は最大10,000円です。一方、継続契約では初回継続が最大6,000円、継続2回目以降が3,000円と案内されています。[参照]
さらに同社では、インターネット契約割引とは別に継続年数に応じた「継続割引」もあり、2年目1%、3年目1.5%、4年目以降2%という仕組みがあります。[参照]
アクサダイレクトでも、新規契約のインターネット割引は最大20,000円、初回の継続契約では最大8,000円、2回目以降の継続では1,000円のインターネット継続割引が案内されています。[参照] このように会社によって金額や仕組みにはかなり差があります。
継続2年目から保険料が上がることはある
新規時のネット割引が大きく、継続時の割引額が小さくなれば、ほかの条件がまったく同じなら、その差は翌年度の保険料を押し上げる要因になります。
たとえば初年度のネット割引が12,000円、2年目が8,000円なら、割引だけを比較すると4,000円縮小します。ただし、自動車保険料はネット割引だけで決まるわけではないため、「翌年は必ず4,000円高くなる」とは限りません。
無事故ならノンフリート等級が進むことで保険料が下がる可能性があります。一方、事故で保険を使用した場合、車両料率クラスの変化、年齢・運転者条件の変更、保険会社による保険料率改定などによって上がることもあります。つまり、ネット割引が縮小しても総額が下がる場合もあれば、割引が残っていても総額が上がる場合もあります。
「早割」も毎年使えるかは会社ごとの条件を確認
ネット型自動車保険では、インターネット割引以外に、満期日より一定期間早く契約すると適用される早期契約割引、いわゆる「早割」を用意している会社もあります。
早割についても新規契約限定とは限りません。たとえばSOMPOダイレクトの「おとなの自動車保険」では、継続契約についてもネット割や早割などが案内されています。保険始期日が2026年6月1日以降の契約では、継続1回目のインターネット割引は保険料に応じ最大10,000円、継続2回目以降は一律5,000円とされています。[参照]
ただし割引制度は改定されることがあります。「今年使えた早割が来年も同じ条件・同じ金額で使える」とは限らないため、毎年更新案内を確認することが必要です。
初年度の保険料だけでネット型を選ばない
ネット型自動車保険を比較するときは、「新規ネット割引最大○万円」という広告だけで決めるのではなく、割引適用後の実際の年間保険料を見ることが重要です。
たとえばA社が通常保険料70,000円から新規割引15,000円で55,000円、B社が通常保険料58,000円から新規割引5,000円で53,000円だったとします。割引額はA社のほうが大きくても、実際に支払う保険料はB社のほうが安くなります。
さらに対人・対物賠償、人身傷害、車両保険、弁護士費用特約、ロードサービスなどの条件を揃えなければ正確な比較になりません。「何円割引されたか」ではなく、同じ補償条件で最終的に年間いくら払うのかを比較しましょう。
乗り換えるなら満期日と等級の引き継ぎにも注意
現在の保険からネット型へ乗り換える場合は、原則として現在の契約の満期日に合わせて新しい保険を開始するのが分かりやすい方法です。現在のノンフリート等級は、所定の条件を満たせば他社へ乗り換えても引き継ぐことができます。
一方、手続きのタイミングを誤って無保険期間を作ったり、等級継承の期限を過ぎたりすると不利益が生じる可能性があります。三井ダイレクト損保も、満期日の翌日から起算して7日を超えると原則として等級を引き継げなくなる旨を案内しています。[参照]
更新が近いなら、現在の保険証券や契約内容を見ながら複数社で同条件の見積もりを取り、新しい保険の始期日を現在の契約終了に合わせておくと安心です。
まとめ:ネット割引は継続時にもある会社が多いが金額は変わる
ネット型自動車保険のインターネット割引は、必ずしも初年度だけのものではありません。ソニー損保、三井ダイレクト損保、アクサダイレクト、SOMPOダイレクトなど、継続契約にもインターネット割引を設定している会社があります。
ただし、新規時と継続時で同じ割引額とは限りません。新規時の割引が大きく、2年目、3年目と割引額が縮小する商品もあるため、初年度だけを見て「毎年この値段」と考えないことが重要です。
また翌年の保険料は、ネット割引だけでなく等級、事故歴、年齢条件、車両料率クラス、補償内容、保険料率の改定などでも変わります。ネット型へ乗り換える際は、新規割引額ではなく初年度の実際の保険料と継続時の割引制度を確認し、同じ補償内容で複数社を比較するのが失敗しにくい選び方です。

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