高校生になると、友人との外出、ゲーム、漫画、ライブ、推し活、グッズなど、自分でお金を使いたい場面が一気に増えてきます。一方で、アルバイトができなければ自由に使えるお金はお小遣いなどに限られるため、欲しいものの金額が収入を上回ることも珍しくありません。
そんなときに大切なのは、無理にお金を作る方法を探すことよりも、限られた金額の中で何を優先するかを決めることです。特に高校生の場合、食費など生活のためにもらったお金を削ったり、後払いなどで将来のお金を先に使ったりする方法には注意が必要です。
まずは今後必要なお金を全部書き出してみる
お金が足りないと感じたら、最初にすることは収入と支出の見える化です。例えば毎月のお小遣いが1万円なら、9月から11月までの3か月でもらえるお小遣いは合計3万円です。
一方、趣味の予定が9月23,230円、10月6,720円、11月12,290円なら、3か月の予定支出は合計42,240円になります。ほかに自由に使える貯金がなければ、単純計算でも12,240円不足します。さらに予定外の買い物をすれば不足額は大きくなります。
このように数字にすると、単なる「お金がない」という悩みではなく、予定している支出が、使える予算を上回っているという具体的な問題に変わります。問題が数字になれば対策も考えやすくなります。
| 月 | お小遣い | 予定している趣味の支出 | 月単位の差額 |
|---|---|---|---|
| 9月 | 10,000円 | 23,230円 | -13,230円 |
| 10月 | 10,000円 | 6,720円 | +3,280円 |
| 11月 | 10,000円 | 12,290円 | -2,290円 |
| 合計 | 30,000円 | 42,240円 | -12,240円 |
食事のためにもらったお金を趣味代に回すのは慎重に
例えば図書館で勉強する日の昼食代として1,000円を家族から受け取っている場合、それを節約して趣味のお金に回したくなるかもしれません。しかし、昼食代はお小遣いとは性質が違います。
昼食を安く済ませて残った金額をどう扱うかは家庭によって考え方が異なりますが、昼食そのものを抜いて趣味代を確保することはおすすめできません。成長期には食事も大切ですし、勉強や学校生活にも影響します。
また、家族が「昼食を食べるためのお金」として渡しているのであれば、その残金を自由に使ってよいか一度確認しておくほうが安心です。例えば「お弁当を持っていった日は、その1,000円を貯金してもいい?」と相談すれば、家庭内のルールを明確にできます。
お金が足りなければ「買わない・減らす・延期する」が基本
収入をすぐ増やせない場合、現実的な選択肢は支出を調整することです。趣味に必要なものを「絶対に欲しいもの」「できれば欲しいもの」「今回は諦めてもいいもの」の3段階に分類すると判断しやすくなります。
例えば9月に23,230円の購入予定があったとしても、そのすべてが同じ重要度とは限りません。限定品など後から入手しにくいものを優先し、通常商品や後日購入できるものを10月以降へ延期するだけでも必要なお金を平準化できます。
趣味を諦める必要はありません。欲しいものを全部買うのではなく、本当に欲しいものから買うという考え方に変えるだけでも、限られたお小遣いをかなり有効に使えます。
高校生なら「将来のお金を先に使う」方法には注意
欲しいものを目の前にすると、後払いや分割払いなどを利用したくなることがあります。しかし、お金が足りない状態で将来のお小遣いを前借りするような買い方をすると、翌月以降のお金も不足しやすくなります。
例えば今月1万円不足していて、その1万円を翌月に支払うことにすると、翌月のお小遣い1万円が実質的に最初からなくなる可能性があります。すると翌月も後払いを利用する、という悪循環になりかねません。
特に未成年者の契約にはさまざまなルールがあります。利用できるサービスであっても、仕組みや手数料を十分理解しないまま使うべきではありません。趣味の買い物は、原則として現在持っているお金の範囲内に収めると考えると家計管理がシンプルになります。
バイトを反対されているなら「なぜ働きたいのか」を数字で相談する
保護者がアルバイトに反対している場合、その理由は学業への影響、帰宅時間、安全面、学校の規則などさまざまです。ただ「お金が欲しいからバイトしたい」と伝えるだけでは、なかなか理解してもらえないこともあります。
そこで、毎月のお小遣い、現在の貯金、今後必要になる金額、アルバイトをする場合の希望勤務時間などを紙にまとめて相談する方法があります。「週5日働きたい」ではなく「学校生活を優先して、土曜日だけ月2回働きたい」のように具体化すると話し合いやすくなります。
ただし、学校がアルバイトを禁止している場合や許可制の場合もあります。保護者だけでなく学校の校則も確認し、必要なら担任などに相談しましょう。無断でアルバイトを始めることは、別のトラブルにつながる可能性があります。
バイト以外でできることも考える
アルバイトができないからといって、必ずしも新しく収入を作らなければならないわけではありません。まず検討したいのは、家にある不要品の整理や家庭内でのお小遣いルールの相談などです。ただし、フリマサービスなどは年齢によって利用条件があり、保護者の同意や管理が必要になる場合があります。
家庭によっては、普段のお小遣いとは別に大きな家事を手伝ったときの報酬を決めているケースもあります。「アルバイトは難しいなら、家の手伝いを増やす代わりに少しお小遣いを増やせないか」と家族に相談するのも一つの方法です。
一方、「スマホだけで簡単に稼げる」「高校生でも1日数万円」「登録料を払えば稼げる」といった話には注意が必要です。お金に困っている人を狙った副業トラブルもあるため、先に料金を要求されたり、身分証明書や銀行口座などの個人情報を求められたりした場合は、保護者など信頼できる大人に相談してください。
趣味専用の積立を作ると大きな出費に強くなる
毎月1万円のお小遣いがあるなら、その全額をその月に使えるお金と考えず、一部を「将来の趣味代」として先に分けておく方法があります。例えば毎月4,000円を趣味積立にすれば、半年で24,000円になります。
特にライブ、イベント、限定グッズ、ゲームなど発売時期がある程度予想できる趣味では、この方法が有効です。発売が発表されてから慌ててお金を作るのではなく、予定がない月から少しずつ貯めておきます。
また、欲しい商品が発表された瞬間に購入を決めず、「発売までに現金でいくら用意できるか」を計算する習慣をつけると、衝動買いも減らしやすくなります。
お金が足りない経験は家計管理を覚えるチャンスでもある
高校生のお小遣いには限界があります。そのため欲しいものを全部買えないこと自体は不自然なことではありません。大人になって収入が増えても、家賃、食費、税金、保険料などの支出も増えるため、「欲しいものに対して使えるお金が足りない」という問題そのものは続きます。
その意味では、お小遣いの範囲で優先順位を決める経験は、将来の家計管理にもつながります。重要なのは、収入の範囲を確認する→必要な支出を計算する→不足するなら優先順位をつけるという順番です。
どうしても欲しいものが予算を超えるなら、家族に事情を説明して相談することも選択肢です。ただし、買ってもらえることを前提にするのではなく、自分がいくら用意できて、いくら不足しているのかを数字で示すと建設的な話し合いができます。
まとめ
高校生でアルバイトができず、趣味の出費がお小遣いを超えてしまう場合は、まず数か月分の収入と予定支出を書き出しましょう。足りない金額が分かれば、買うものを減らす、購入時期を延期する、趣味用に積み立てる、保護者とアルバイトやお小遣いについて相談するといった具体的な対策ができます。
昼食など生活に必要なお金を極端に削ったり、安易に後払いへ頼ったりするより、今持っているお金の範囲内で優先順位を決めることが基本です。欲しいものを諦めるかどうかだけではなく、「いつなら無理なく買えるか」という視点を持つと、趣味とお金を両立しやすくなります。
そして、お金について家族と話すことは恥ずかしいことではありません。収入を増やせない高校生だからこそ、自分だけで無理に解決しようとせず、数字を整理したうえで保護者と相談することも大切な選択肢です。


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