障害基礎年金で2級に該当しなかったらどうなる?不支給後の審査請求・再請求をわかりやすく解説

年金

障害基礎年金を申請するとき、特に気になるのが「2級に届かなかった場合、その後はどうなるのか」という点です。障害年金には障害基礎年金と障害厚生年金があり、同じ「障害年金」でも認定される等級の仕組みに違いがあります。

結論から整理すると、障害基礎年金には原則として1級と2級があり、3級の障害基礎年金という給付はありません。そのため、障害の状態が2級以上に該当しないと判断された場合、障害基礎年金については不支給となるのが基本です。ただし、一度不支給になったからといって、その後に取れる手段がまったくなくなるわけではありません。

障害基礎年金には「3級」がない

最初に理解しておきたいのが、障害基礎年金と障害厚生年金では等級の仕組みが異なることです。障害基礎年金で年金が支給される障害等級は1級または2級です。日本年金機構も障害基礎年金について1級・2級の年金額と認定される障害状態を案内しています。

一方、障害厚生年金には1級・2級に加えて3級があります。この違いがあるため、「障害基礎年金を申請したら3級になった」という表現は厳密には少し違います。障害基礎年金の審査で状態が2級に達していないと判断された場合には、基本的には「3級の障害基礎年金が支給される」のではなく「障害基礎年金は不支給になる」と考えると分かりやすいでしょう。

なお、障害基礎年金を受給するには障害状態だけではなく、初診日や保険料納付など所定の要件も満たす必要があります。制度の最新情報については、日本年金機構の障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額[参照]で確認できます。

2級に該当しなかった場合は「不支給決定」の内容を確認する

障害基礎年金の請求後に不支給となった場合、まず重要なのは届いた決定通知書を確認することです。不支給だからといって、単純に「症状が軽いと判断された」とは限りません。障害状態のほか、初診日の確認や保険料納付要件などが関係する場合もあります。

障害状態について2級に該当しないと判断されたケースでは、申請時の診断書や病歴・就労状況等申立書などに、実際の日常生活上の制限が十分に反映されていたかを確認することも重要です。特に障害年金では病名だけで等級が決まるわけではなく、障害の種類に応じた認定基準によって判断されます。

例えば、日常生活で家族から継続的な援助を受けているのに、その状況が診断書などから十分読み取れなければ、本人が認識している生活上の困難と提出書類から読み取れる状態に差が生じることがあります。ただし、事実と異なる内容を後から付け加えるのではなく、実際の状態が書類へ正確に反映されていたかという視点で確認することが大切です。

決定に納得できない場合は「審査請求」という制度がある

障害年金の不支給決定に納得できない場合には、社会保険審査官に対する審査請求という不服申立ての制度があります。厚生局によると、障害年金を請求したものの支給されなかった場合など、年金給付に関する処分は審査請求の対象となります。

特に注意したいのが期限です。社会保険審査官への審査請求は、原則として処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に行う必要があります。期限を過ぎると原則として審査請求が認められなくなるため、不支給通知を受け取った場合は放置せず、早めに内容を確認することが重要です。

審査請求では単に「納得できない」と申し立てるのではなく、どの認定について問題があると考えるのかを整理する必要があります。制度については厚生局の社会保険審査事務室の案内[参照]などで確認できます。

不支給になった後に症状が悪化した場合はどうする?

ここで区別しておきたいのが、「最初の決定そのものがおかしいと考える場合」と「決定後に障害状態が変化した場合」です。前者では審査請求などの不服申立てが選択肢になりますが、後者では現在の状態をもとに障害年金を請求できる可能性を検討することになります。

例えば、申請時には日常生活をある程度一人で行えていたものの、その後症状が悪化し、身の回りのことにも継続的な援助が必要になったケースでは、以前の審査時とは障害状態そのものが変わっています。この場合、以前の決定に対する不服とは別の観点から手続きを検討する必要があります。

「一度不支給になったら一生障害基礎年金を受けられない」という制度ではありません。ただし、再度の請求が可能か、どの請求方法になるか、いつの状態を基準として請求するかなどは初診日や過去の請求内容、症状の経過によって異なるため、年金事務所などで個別に確認するのが安全です。

「額改定請求」と「不支給後の再請求」は同じではない

障害年金について調べていると「額改定請求」という言葉を目にすることがあります。これは基本的に、すでに障害年金の受給権があり、その後障害の程度が重くなった場合などに年金額の改定を求める手続きです。

日本年金機構では、障害年金を受けている人について障害の程度が重くなった場合、「障害給付 額改定請求書」を提出して増額を申し立てる制度を案内しています。原則として受給権発生日や障害の程度の診査を受けた日から一定期間を経過する必要がありますが、省令で定められた状態では例外もあります。

したがって、最初の障害基礎年金の請求そのものが不支給だった人が、単純に「3級から2級への額改定請求」をするという理解は適切ではありません。障害基礎年金には3級の受給権がないためです。自分がどの手続きの対象になるか分からない場合には、年金事務所で決定通知書を見せながら確認すると整理しやすくなります。

障害基礎年金の1級・2級は単純な病名だけでは決まらない

障害年金では、「この病気なら必ず2級」「この診断名なら3級」と機械的に決まるわけではありません。それぞれの障害について認定基準があり、症状や検査結果、日常生活能力、労働能力など、障害の種類に応じた事情を踏まえて判断されます。

そのため、同じ病名の人でも認定結果が異なることがあります。例えば同じ疾患でも、一人で日常生活を送れる人と、食事・服薬・金銭管理・外出などについて継続的な援助が必要な人では、実際の生活能力が異なります。

申請時には主治医へ単に「障害年金を申請します」と伝えるだけではなく、普段どのようなことで困っているのか、家族などからどの程度援助を受けているのかを事実に即して具体的に伝えることが重要です。診察室での短時間の様子だけでは日常生活全体が伝わらないこともあるためです。

不支給通知が届いたときに確認したいポイント

不支給となった場合は、感覚だけで判断せず、まず申請時の資料と決定内容を整理してみましょう。特に次のようなポイントを確認すると、その後の対応を考えやすくなります。

  • 不支給となった理由は何か
  • 障害状態が2級以上に該当しないことが理由なのか
  • 初診日や保険料納付要件など別の理由なのか
  • 提出した診断書に実際の日常生活の状態が反映されているか
  • 病歴・就労状況等申立書と診断書の内容に大きな食い違いがないか
  • 現在の症状が申請時より悪化していないか
  • 審査請求を検討する場合、3か月の期限内か

自分だけでは判断が難しい場合は、年金事務所や街角の年金相談センターなどへ相談する方法があります。また、複雑な事案や審査請求を検討するときには、障害年金を扱う社会保険労務士などの専門家へ相談する選択肢もあります。

まとめ:障害基礎年金は2級未満なら原則不支給だが、その後の手段はある

障害基礎年金は原則として1級・2級が対象であり、障害厚生年金のような3級の年金はありません。そのため、障害状態が2級以上に該当しないと判断された場合、障害基礎年金は基本的に不支給となります。

しかし、不支給になった時点ですべてが終わるわけではありません。決定そのものに不服がある場合には期限内の審査請求を検討できますし、その後に障害状態が変化・悪化した場合には、状況に応じて改めて請求できる可能性があります。

重要なのは、「3級だったから終わり」と考えるのではなく、まず決定通知書で不支給理由を確認し、申請時の状態と現在の状態を整理することです。障害年金は個々の初診日、加入制度、症状、過去の請求状況によって取るべき手続きが変わるため、不明な点がある場合には日本年金機構や年金事務所などの公的窓口で最新の取扱いを確認しましょう。

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