2024年7月に新しい一万円札が発行され、肖像が福沢諭吉から渋沢栄一へ変わりました。そのため、記念として福沢諭吉の一万円札を手元に残しておきたい、きれいな状態の旧一万円札を入手したいと考える人もいるでしょう。
福沢諭吉の一万円札は新紙幣発行後も有効ですが、銀行で希望すれば必ず福沢諭吉札に交換してもらえるわけではありません。現在の紙幣の扱いと、銀行で旧一万円札を入手できる可能性について整理します。
福沢諭吉の1万円札は現在も使える
まず押さえておきたいのは、新しい渋沢栄一の一万円札が登場しても、福沢諭吉の一万円札が無効になったわけではないという点です。
日本銀行は、これまでに発行された銀行券のうち現在も有効なものについて案内しており、福沢諭吉を肖像とする一万円札も有効な銀行券に含まれています。新紙幣への切り替えは、旧紙幣を一斉に使えなくする制度ではありません。詳しくは日本銀行の案内を[参照]してください。
したがって、手元に福沢諭吉の一万円札がある場合、基本的にはそのまま額面1万円の紙幣として利用できます。銀行口座への入金についても、通常の有効な銀行券として取り扱われます。
福沢諭吉の1万円札には複数の種類がある
一口に「福沢諭吉の一万円札」といっても、実は複数のタイプがあります。比較的新しいものは2004年11月1日に発行が始まったE一万円券で、表面が福沢諭吉、裏面が平等院鳳凰堂の鳳凰像です。
さらに古いD一万円券も福沢諭吉が肖像です。こちらは1984年から発行され、裏面には雉が描かれています。発行はすでに停止されていますが、現在も有効な銀行券です。
日本銀行が掲載している銀行券情報では、2024年7月3日に発行開始された渋沢栄一の一万円券に加え、2004年発行開始の福沢諭吉の一万円券についても確認できます。銀行券の種類を確認したい場合は日本銀行の[参照]が確実です。
銀行で福沢諭吉の1万円札に交換してもらえる?
銀行の窓口で「福沢諭吉の一万円札が欲しい」と申し出れば、店舗に在庫がある場合には対応してもらえる可能性があります。しかし、福沢諭吉札を指定して必ず受け取れる制度があるわけではありません。
銀行には日々、預金や売上金などとして旧紙幣も持ち込まれます。そのため店舗によっては福沢諭吉札を保有していることがありますが、保有枚数や紙幣の種類は店舗ごと、日ごとに異なります。旧紙幣を希望する場合は、いきなり窓口へ行くよりも事前に店舗へ問い合わせるほうが確実です。
例えば新紙幣の流通開始時にも、一部の銀行は窓口での払戻しや両替について新旧の紙幣が混ざる場合があると案内していました。これは銀行にある紙幣の構成が、その時点の流通・在庫状況に左右されることを示しています。
ATMで福沢諭吉札を指定するのは難しい
ATMから1万円を引き出して福沢諭吉札が出てくる可能性はありますが、通常は「渋沢栄一札ではなく福沢諭吉札を出す」といった紙幣の肖像指定はできません。
ATMに装填されている紙幣によって結果が変わるため、何度も出金して福沢諭吉札を狙う方法はおすすめできません。時間がかかるうえ、利用している銀行や口座によってはATM手数料が発生する場合もあります。
福沢諭吉札そのものを目的としているなら、ATMよりも銀行窓口で旧一万円札の取り扱いが可能か確認する方法が現実的です。
両替には手数料がかかる場合がある
銀行で現金を別の紙幣へ交換する場合、銀行や取引内容、枚数によっては両替手数料が発生します。口座から1万円を払い戻す場合と、手持ちの渋沢栄一札を福沢諭吉札へ交換してもらう場合では扱いが異なることもあります。
また、銀行によって両替サービスの対象者、無料となる枚数、手数料体系が異なります。福沢諭吉札1枚だけを希望する場合でも、利用予定の銀行へ「旧一万円札を指定した両替は可能か」「手数料はいくらか」を確認してから訪問するとスムーズです。
特に重要なのは、旧紙幣の在庫があるかどうかです。両替サービス自体を行っている店舗でも、福沢諭吉札の在庫がなければ交換できません。
日本銀行へ行けば福沢諭吉札をもらえるとは限らない
「お札を発行している日本銀行なら旧札を指定して交換できるのでは」と考えることもできますが、日本銀行は一般的な意味での好きな紙幣への両替所ではありません。
日本銀行では、損傷した銀行券のほか、すでに発行されなくなって流通に不便な銀行券などについて一定の引換業務を行っています。日本銀行の案内では、例えば発行停止済みの聖徳太子の一万円券などを現在発行されている銀行券へ引き換えられるとされています。引換窓口については[参照]してください。
一方、「渋沢栄一札を持っていくので、記念用として福沢諭吉札にしてください」という逆方向の交換を当然に受けられるわけではありません。福沢諭吉札を探す目的なら、まず一般の金融機関に問い合わせるほうが現実的でしょう。
きれいな福沢諭吉札を指定するのはさらに難しい
コレクションや記念保存が目的の場合、「折り目のない新札・ピン札の福沢諭吉一万円札が欲しい」というケースもあります。しかし、単に福沢諭吉札を探す場合より難易度は高くなります。
現在流通している福沢諭吉札は、一度以上市場を流通した紙幣である可能性があります。銀行に旧札の在庫があったとしても、新札同様の状態である保証はありません。
そのため、銀行へ問い合わせる場合は「福沢諭吉の一万円札があるか」だけでなく、必要であれば「未使用に近い新札を指定できるか」まで確認するとよいでしょう。ただし、銀行側が紙幣の状態まで指定した両替に対応できない場合もあります。
「旧紙幣が使えなくなる」という話には注意
新紙幣の発行時には「旧紙幣が使えなくなるので交換が必要」といった説明を利用した詐欺にも注意が必要です。福沢諭吉札を含む有効な旧紙幣は、新紙幣が発行されたという理由だけで突然無価値になるものではありません。
日本銀行も、一度発行された銀行券は法令に基づく特別な措置がない限り通用力を失わないと説明しています。誰かから「福沢諭吉札はもう使えないので預かる」「新札への交換に手数料が必要」などと突然持ちかけられた場合には、その場で現金を渡さないことが大切です。
紙幣が現在も有効か分からない場合は、SNSなどの情報だけで判断せず、日本銀行の公式情報や利用している金融機関に確認しましょう。
まとめ:福沢諭吉の1万円札は有効だが、銀行での入手は在庫次第
福沢諭吉の一万円札は、渋沢栄一の新一万円札が発行された後も有効な日本銀行券です。現在持っている福沢諭吉札を急いで新紙幣へ交換する必要はありません。
一方、これから福沢諭吉札を入手したい場合、銀行窓口で相談すれば在庫状況によって交換・払戻しで受け取れる可能性はありますが、福沢諭吉札を必ず指定できるとは限りません。特に新札やきれいな状態を希望すると、さらに入手が難しくなります。
最も手軽なのは、取引している銀行の店舗へ事前に電話などで問い合わせ、「福沢諭吉の旧一万円札を指定して両替または払戻しできるか」「手数料はいくらか」を確認する方法です。制度や銀行の取り扱いは変更される可能性があるため、実際に交換する際には各金融機関の最新案内を確認してください。


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