高校生になると、友達との食事や買い物、プリクラ、推し活など、お金を使う機会が一気に増えます。その一方で、毎週のように遊ぶ友達を見ていると、「高校生は普通、月にいくらくらい自由に使っているのだろう?」と気になることもあるでしょう。
ただし、高校生のお金事情は家庭による差がかなり大きく、単純に「月○円が普通」と決めるのは難しいものです。お小遣いだけで生活する人、アルバイト代を自由に使える人、交通費やスマホ代を親が負担してくれる人、自分で必要経費まで支払う人では、同じ1万円でも意味がまったく違います。
この記事では、高校生のお小遣いやアルバイトに関する調査データを参考にしながら、自由に使えるお金の目安、友達との金銭感覚に差が生まれる理由、貯金と遊びを両立する考え方をわかりやすく整理します。
高校生が1ヶ月に自由に使えるお金はいくら?
高校生の「自由に使えるお金」について考えるとき、まず注意したいのが、お小遣いの平均額と自由に使える金額は同じではないということです。J-FLEC(金融経済教育推進機構)が公表している「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」の単純集計データでは、子どもに渡している月平均のお小遣いについて、高校生は1人当たり6,823円という結果が示されています。調査対象や集計方法によって数字は変わるため、一つの目安として見るのが適切です。[参照]
一方、アルバイトをしている高校生の場合は事情が大きく変わります。マイナビの「高校生のアルバイト調査(2025年)」では、アルバイト高校生の平均月収は44,881円でした。また、アルバイトをしている高校生の54.9%はお小遣いをもらっていないという結果も出ています。つまり、アルバイトを始めると「親からのお小遣い+バイト代」になるとは限らず、バイト代が自分のお金の中心になる家庭も多いことがわかります。[参照]
さらに2026年のマイナビ調査では、現在アルバイトをしている高校生は25.2%でした。裏返せば、高校生の大多数がその時点ではアルバイトをしていません。したがって、アルバイトで毎月数万円を得ている高校生だけを基準にして、自分のお金が少ないと考える必要はありません。[参照]
「月1万円しか使えない」は少ないのか
自由に使えるお金が月1万円だとしても、それだけで「少なすぎる」と判断することはできません。重要なのは、その1万円とは別に何を親が負担しているのかです。
例えば、Aさんは月のお小遣いが1万円で、通学定期、スマートフォン代、昼食代、衣服代、美容院代などはすべて親が負担しているとします。一方、Bさんはアルバイトで月5万円を稼いでいても、2万5,000円を貯金し、さらに交通費やスマートフォン代などを自分で払っているとします。この場合、収入だけを見ればBさんのほうが多いものの、遊びに回せる金額では大きな差がないことがあります。
つまり、比較するなら「収入」ではなく、収入-貯金-自分で負担する必要経費=自由に使えるお金という形で考える必要があります。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| アルバイト収入 | 50,000円 |
| 将来のための貯金 | 25,000円 |
| 通学などの必要経費 | 15,000円 |
| 自由に使える金額 | 10,000円 |
このように考えると、月収5万円なのに自由に使えるお金が1万円という状況は特別不自然ではありません。むしろ、目的を決めて先に貯金し、必要経費も管理している結果として自由費が1万円になっているのであれば、単純な「お金の少なさ」とは別の話です。
友達が週3~4回遊べるのはなぜ?高校生でも金銭感覚には大きな差がある
学校では同じ制服を着て同じ授業を受けているため見えにくいのですが、高校生の経済環境にはかなり大きな差があります。お小遣いの金額だけでなく、アルバイトの有無、親が負担する範囲、お年玉の使い方などが家庭ごとに違うためです。
例えば、遊びに使うお金をすべて自分のアルバイト代から出している人もいれば、交通費や食事代をその都度親から受け取っている人もいます。スマートフォン代や洋服代、美容代を親が出す家庭もあります。また、お年玉を自由に使えるケースや、アルバイト代をほとんど貯金せず娯楽に使うケースも考えられます。
マイナビの2026年調査では、高校生がアルバイトをする目的の1位は「趣味のため」の47.5%で、「貯金するため」が48.3%、さらに「推し活・ゲームなど娯楽に使うため」が40.8%でした。高校生のアルバイト代は、将来への貯金だけではなく現在の楽しみにも幅広く使われています。[参照]
同じ5万円のアルバイト代でも、4万円を遊びに使う人と3万円を貯金する人では、外から見える生活はかなり違います。前者は頻繁に外食や買い物ができますが、後者にはその分だけ貯金が残ります。友達の消費だけを見ても、その人の収入や貯金額、家庭からの援助までは見えません。
貯金している高校生は珍しい?アルバイト代の使い道
高校生が将来のためにアルバイト代を貯めることは珍しい行動ではありません。2025年のマイナビ調査では、アルバイトをする目的として「貯金をするため」を挙げた高校生は53.6%で最多でした。[参照]
2026年には「趣味のため」が47.5%で首位となり、「貯金するため」は48.3%でしたが、それでも約半数が貯金を目的に挙げています。高校生がアルバイト代の一部を将来のために残すことは、十分一般的な選択肢といえるでしょう。[参照]
特に大学進学、運転免許、パソコン購入、卒業旅行、一人暮らしなど具体的な目標がある場合は、必要額から逆算すると管理しやすくなります。例えば免許取得などのために30万円を目標として毎月2万5,000円を貯めれば、単純計算では1年間で30万円になります。遊びに使わなかったお金には、将来の選択肢を増やすという別の役割があります。
友達と金銭感覚が違うときはどうすればいい?
高校生にとって難しいのは、お金そのものよりも友人関係とのバランスかもしれません。「お金がないから断ったら嫌われるかもしれない」「いつも誘いを断るのは申し訳ない」と感じて、予定以上に使ってしまうこともあります。
しかし、友達と同じ頻度・同じ金額で遊ぶ必要はありません。「今月はあと3,000円まで」「今日はご飯だけ参加する」「プリクラは今回は撮らない」など、自分の予算内で参加する方法があります。毎回参加するのではなく、特に行きたい予定を選ぶ方法も有効です。
例えば月1万円を交際費として使えるなら、1回2,000円程度の遊びを月3回、残り4,000円を予備費として残す、といった予算設定ができます。逆に毎週3~4回、外食やタクシー、買い物まで同じペースで付き合えば、月1万円では当然足りません。これは金銭感覚がおかしいというより、設定している予算と遊び方が合っていないという問題です。
高校生のお金は「平均」より目的で考える
平均額は自分の状況を確認する参考にはなりますが、平均より多いから正解、少ないから問題というものではありません。高校生は家庭によって負担している費用が大きく異なるためです。
おすすめなのは、毎月のお金を「必要なお金」「将来のためのお金」「自由に使うお金」の3つに分ける方法です。アルバイト代が入ったら最初に貯金分を別口座などへ移し、交通費などを確保して、残った金額を遊びや買い物に使います。
この方法なら、「友達が使っているから」という理由で貯金を崩すことを防ぎやすくなります。同時に、自由費については罪悪感なく使えるため、貯金だけを優先して高校生活の楽しみをすべて我慢する状態も避けやすくなります。
まとめ|高校生の自由に使えるお金は家庭環境で大きく違う
高校生のお金事情にはかなりの個人差があります。J-FLECの調査では高校生に渡すお小遣いの月平均額として6,823円というデータがある一方、アルバイトをする高校生には月数万円の収入があるケースもあります。そのため、単一の平均額だけで自分が多い・少ないと判断するのは適切ではありません。
また、友達が頻繁に遊び、外食やタクシー、プリクラなどにお金を使っていても、その背景にはアルバイト収入、親からのお小遣い、交通費などの親負担、貯金する割合の違いがあります。外から見える消費額だけでは、その人のお金事情全体は判断できません。
大切なのは「周囲と同じ金額を使えるか」ではなく、「自分の目的に合わせてお金を使えているか」です。進学や免許取得などの目標があるなら、そのための貯金を確保したうえで無理のない自由費を決める方法は合理的です。高校生活を楽しむお金と将来のためのお金を分け、自分に合ったペースで管理していくことが、長期的には安心につながります。


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