元本割れを避けてお金を増やす方法は?定期預金・個人向け国債・積立保険を比較

貯金

ローンの返済が終わって家計に余裕ができると、その分を貯蓄に回したいと考える人も多いでしょう。一方で、NISAやiDeCoで投資信託などを購入すると価格変動があるため、元本割れをできるだけ避けたい人には心理的なハードルがあります。

そこで重要なのが、「元本割れを避けたい」「定期預金より増やしたい」「なるべく放置したい」という希望を分けて考えることです。金融商品では一般に、高い収益性・高い安全性・高い流動性をすべて同時に満たすことは難しく、定期預金より高い利回りを求めれば何らかの条件やリスクが加わるのが基本です。

元本割れを避けたいなら、まず預金と個人向け国債を比較する

元本割れを極力避けることを最優先にする場合、最初に比較しやすいのが普通預金・定期預金と個人向け国債です。株式や投資信託のように日々市場価格が大きく変動する商品とは性格が異なります。

銀行の一般預金等は、預金保険制度の対象となる金融機関であれば、1金融機関につき預金者1人当たり元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。ただし、外貨預金など預金保険制度の対象外となる商品もあるため、「銀行の商品なら全部同じ」と考えないことが大切です。

定期預金は仕組みが分かりやすく、投資経験がなくても利用しやすいのがメリットです。ネット銀行などでは金利キャンペーンが行われることもありますが、適用期間、預入期間、途中解約時の金利などを確認して比較する必要があります。

個人向け国債は「増やす」より「守りながら利息を得る」選択肢

預金以外で候補になりやすいのが、国が個人向けに発行する「個人向け国債」です。個人向け国債には「変動10年」「固定5年」「固定3年」があり、額面1万円から購入できます。

個人向け国債は発行から1年経過すれば原則として中途換金が可能です。その際は直前2回分の各利子相当額に一定の計算をした金額が差し引かれる仕組みです。したがって、株式のように市場価格が下落したから売却価格も大幅に下がる、というタイプの商品ではありません。

特に「変動10年」は半年ごとに適用利率が見直されます。金利環境が変化した場合に利率が調整されるため、長期間お金を置いておける人が預金と比較するときの有力な候補の一つです。ただし、利率は発行月によって変わるため、購入時点の条件を財務省などの公式情報で確認することが重要です。

「定期預金より増えて元本保証」の商品を探すときの注意点

安全性が非常に高く、いつでも自由に引き出せて、さらに定期預金より大幅に高い利回りが確実に得られる商品は基本的には期待しにくいと考えておくのが無難です。利回りが高く見える場合には、その理由を確認する必要があります。

例えば外貨預金は円預金より高い金利が提示されることがあります。しかし、円から外貨へ交換した時点と外貨から円へ戻す時点の為替レートによっては、利息を受け取っても円換算では元本割れする可能性があります。為替手数料も考慮しなければなりません。

また、債券や貯蓄性保険でも「満期まで保有すれば一定額になる」という説明だけで判断するのは避けたいところです。途中で現金が必要になった場合の扱い、解約返戻金、手数料、発行体の信用リスクなど、商品ごとに異なる条件があります。

積立保険を増額する前に確認したいこと

すでに積立型の保険を利用している場合、単純に月々の保険料を増やす方法も考えられます。ただし、積立保険は「預金」と「投資」の中間のように見えても、あくまで保険商品です。保障と貯蓄をセットにしている点を理解して判断する必要があります。

特に確認したいのが、払込保険料の総額と将来受け取れる金額です。例えば月3万円なら年間36万円、10年間では単純計算で360万円を払い込みます。将来の受取額だけを見るのではなく、「合計いくら支払い、何年後にいくら受け取れるのか」を比較すると実質的な収益性を判断しやすくなります。

また、貯蓄性保険は契約後の早い時期に解約すると、解約返戻金がそれまでに支払った保険料を下回ることがあります。そのため、数年以内に住宅購入、車の買い替え、教育費などで使う可能性があるお金をすべて保険に回すのは慎重に考える必要があります。

NISAとiDeCoは「商品」ではなく制度

NISAやiDeCoについて誤解されやすい点として、これら自体が値下がりする金融商品というわけではありません。NISAは一定の条件のもとで投資による利益を非課税にする制度であり、iDeCoは老後資金形成を目的とした私的年金制度です。実際のリスクは、その中で何の商品を選ぶかによって変わります。

例えば投資信託を購入すれば市場価格の変動によって元本割れする可能性があります。一方、iDeCoには元本確保型の商品が用意される場合もあります。ただし、iDeCoには原則として一定年齢まで資産を自由に引き出せないという重要な制約があり、手数料も考慮する必要があります。

「投資についてよく分からない状態では始めたくない」という判断も合理的です。仕組みを理解しないまま、預金より利回りが高そうという理由だけで金融商品を選ぶ必要はありません。

目的別にお金を分けると選びやすくなる

貯蓄先を一つの商品だけに決める必要はありません。むしろ、お金を使う時期によって分けると選択しやすくなります。

お金の目的 候補 主な特徴
急な出費に備えるお金 普通預金 すぐ引き出せる
数年以内に使う予定のお金 定期預金など 価格変動を避けやすい
当面使う予定がなく元本割れを避けたいお金 個人向け国債など 一定期間経過後は中途換金可能
長期間使わず値動きを許容できるお金 NISA等を利用した長期投資 元本保証ではないが長期的な資産形成を目指せる
保障も必要なお金 保険 保障機能を含む

例えばローン終了によって毎月3万円余るようになったとしても、全額を新しい積立保険に入れる必要はありません。1万円を預金、2万円を個人向け国債の購入資金として貯める、といった分け方もできます。将来的に投資を理解してから、その一部をNISAでの資産形成へ回す方法もあります。

「放置して増やしたい」ほど出口を確認しておく

長期間放置できる金融商品は便利ですが、契約するときには「途中でお金が必要になったらどうなるか」を確認することが重要です。定期預金なら中途解約時の金利、個人向け国債なら中途換金の条件、保険なら解約返戻金を確認します。

さらに、利率だけではなく税引き後の受取額を見ることも大切です。同じ年利に見えても、税制や手数料によって最終的な手取り額は変わります。

特に「元本保証で年○%」「絶対に損をしない」「預けるだけで大きく増える」といった極端に有利な説明を受けた場合には、その場で契約せず、金融庁などの公的情報や契約書面を確認することが安全です。

まとめ:元本割れを避けるなら利回りだけでなく安全性と換金性を比較する

元本割れをできるだけ避けたい場合、無理にNISAなどで投資を始める必要はありません。まずは生活防衛資金を普通預金などで確保したうえで、定期預金や個人向け国債といった比較的仕組みの分かりやすい選択肢から検討できます。

一方、積立保険を増額する場合には、現在の契約の予定利率や返戻率だけでなく、総払込額、保障内容、解約返戻金、払込期間などを確認することが欠かせません。「すでに加入しているから」という理由だけで増額するのではなく、預金や国債と数字で比較すると判断しやすくなります。

安全性・収益性・いつでも使える流動性にはトレードオフがあります。「絶対に減らしたくないお金」と「長期間使わないお金」を分け、それぞれに合う置き場所を選ぶことが、無理のない資産形成につながります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました