65歳を過ぎても働きながら厚生年金に加入している方にとって、支払った保険料が将来の年金額にどの程度反映されるのかは気になるポイントです。特に過去の未加入期間がある場合や、加入期間が満額に達していない場合は、今後の増額効果を確認しておくことが大切です。
この記事では、60代後半以降も厚生年金を納めている場合の年金額の増え方、在職定時改定の仕組み、給与額による影響、過去の未加入期間を補う場合の考え方について分かりやすく解説します。
65歳以降も厚生年金に加入すると年金額は増える
老齢厚生年金は、原則として厚生年金の加入期間と給与額に応じて計算されます。そのため、65歳を超えてから会社員として働き続け、厚生年金保険料を支払っている場合、その分は将来受け取る年金額に反映されます。
以前は65歳以降に厚生年金へ加入しても、年金額への反映は退職時や一定のタイミングまで待つ仕組みでした。しかし現在は「在職定時改定」により、毎年一定時期に前年までの加入実績が年金額へ反映されるようになっています。
例えば68歳で働き続けている場合、加入期間が増えるたびに老齢厚生年金部分が少しずつ増えていく仕組みです。
在職定時改定とはどのような制度なのか
在職定時改定とは、65歳以上で厚生年金に加入している人について、毎年1回、それまでの厚生年金加入期間を年金額に反映する制度です。
具体的には、毎年9月1日時点で厚生年金に加入している場合、前年9月からその年の8月までの加入実績をもとに年金額が見直され、通常は10月分の年金から反映されます。
そのため、68歳以降も毎月厚生年金保険料を支払っている場合、翌年度以降の年金額が少しずつ増える可能性があります。
毎月45万円の給与で厚生年金に加入した場合の増額目安
厚生年金の増額分は、給与の額と加入期間によって決まります。簡単な目安として、厚生年金の報酬比例部分は以下のような計算式で求められます。
増加する年金額の目安は「平均標準報酬額×5.481/1000×加入月数」で計算できます。
例えば標準報酬月額が45万円程度で1年間(12か月)厚生年金に加入した場合、単純計算では年間数万円程度、月額では数百円から千円程度の年金増額になるケースがあります。
ただし、実際の増加額は過去の加入記録、標準報酬月額、賞与の有無、生年月日などによって変わるため、正確な金額は日本年金機構の「ねんきんネット」や年金事務所で確認する必要があります。
加入期間460か月の場合は満額との差を確認する
老齢基礎年金は、20歳から60歳までの40年間(480か月)すべて保険料を納めた場合に満額となります。
現在の加入期間が460か月程度の場合、単純計算では480か月まであと20か月分の差があります。この不足期間がどの年金制度の未加入期間なのかによって対応方法は異なります。
例えば国民年金の未納期間がある場合は、条件によっては追納制度や任意加入制度を利用できる場合があります。一方で、すでに期限を過ぎていて補えない期間もあります。
厚生年金の加入と国民年金の未払い期間は別に考える
厚生年金に現在加入しているからといって、過去の国民年金未納期間がすべて自動的に埋まるわけではありません。
厚生年金加入期間は老齢厚生年金の計算に反映されますが、老齢基礎年金の満額を判断する際には国民年金の納付状況も確認する必要があります。
そのため、過去に未加入期間がある場合は、まず自身の年金記録を確認し、どの部分が不足しているのかを把握することが重要です。
働きながら年金を受け取る場合の注意点
65歳以上で厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受け取っている場合、給与と年金額によっては「在職老齢年金」の仕組みにより年金の一部が支給停止になる場合があります。
ただし、支給停止の対象になるかどうかは、給与だけではなく賞与や年金額との合計で判断されます。
毎月45万円の給与がある場合でも、必ず年金が減額されるわけではありません。自身の年金額と給与額を合わせて確認することが必要です。
正確な年金増額額を確認する方法
年金の増額幅は個人ごとの差が大きいため、概算だけでは正確な判断が難しい場合があります。
確認方法としては、日本年金機構の「ねんきんネット」で加入記録や将来の年金見込額を確認する方法があります。また、年金事務所では加入履歴を確認しながら具体的な相談をすることも可能です。
特に過去の未加入期間がある場合は、単純に現在の給与だけで計算せず、自分の年金記録全体を確認することが大切です。
まとめ
68歳以降も厚生年金に加入して働いている場合、その加入期間は在職定時改定によって将来の老齢厚生年金額に反映されます。
毎月45万円程度の給与で働き続けた場合でも、1年間で増える年金額は大きな金額ではありませんが、加入期間が長くなるほど確実に増額につながります。
一方で、過去の未払い期間による老齢基礎年金の不足と、現在の厚生年金加入による増額は別々に考える必要があります。正確な増額額を知るためには、自身の年金記録を確認し、必要に応じて年金事務所へ相談することがおすすめです。

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