転職後にすぐ退職した会社から給与が発生した場合や、複数の勤務先から給与を受け取った場合、年末調整をどうするべきか迷うことがあります。特に短期間だけ勤務した会社を新しい勤務先に伝えていない場合、確定申告で対応できるのか気になる人も多いでしょう。この記事では、転職や退職を繰り返した年の年末調整と確定申告の考え方について解説します。
転職した年の年末調整はどの会社で行うのか
会社員の場合、基本的には年末時点で在籍している勤務先が年末調整を行います。そのため、年の途中で転職した場合は、新しい会社に以前の勤務先の源泉徴収票を提出し、1年間の給与を合算して年末調整してもらう流れになります。
例えば、6月まで勤務していた会社を退職し、7月から別の会社へ転職した場合、新しい会社で年末調整を受ける際には、6月までの会社から発行された源泉徴収票を提出する必要があります。
年末調整は、その年に受け取った給与について所得税の精算を行う制度なので、勤務期間が短い会社の給与であっても基本的には対象になります。
短期間で退職した会社の給与を新しい会社に伝えたくない場合
短期間で退職した勤務先がある場合でも、その会社から給与の支払いを受けているなら、税務上はその給与を含めて申告する必要があります。
新しい会社にその勤務歴を伝えるかどうかと、税金の申告義務は別の問題です。年末調整を受けるためには、以前の勤務先の源泉徴収票を提出する必要があり、その書類によって給与情報が分かることになります。
例えば数日勤務した会社から数万円の給与を受け取った場合でも、その給与はその年の所得として扱われるため、なかったことにすることはできません。
新しい会社で年末調整をせず自分で確定申告することは可能か
新しい会社で年末調整を受けず、自分で確定申告を行うことは可能です。年末調整は会社が行う手続きですが、確定申告は本人が税務署へ所得や税額を申告する手続きです。
例えば、複数の会社から給与を受け取ったものの、年末調整で必要な書類を準備できない場合や、自分で医療費控除などもまとめて申告したい場合には、確定申告を選択することがあります。
ただし、年末調整を受けない場合でも、給与を支払ったすべての会社から源泉徴収票を集め、正しい内容で申告する必要があります。
確定申告が必要になるケースとは
会社員でも、次のような場合には確定申告が必要になることがあります。
- 年内に複数の勤務先から給与を受け取った
- 退職後に再就職したが年末調整を受けていない
- 給与以外の所得がある
- 医療費控除や住宅ローン控除などを利用したい
今回のように、退職や転職のタイミングによって勤務先が複数になった場合は、給与の支払元をすべて確認することが重要です。
例えば、最初の会社で6月まで働き、その後短期間の勤務先があり、さらに年末時点で別の会社に勤務している場合、それぞれの源泉徴収票をもとに年間の所得を計算します。
社会保険の手続きと税金の手続きは別に考える
退職や転職時には、健康保険や年金の手続きも発生しますが、社会保険の加入状況と年末調整・確定申告は別の制度です。
例えば、短期間勤務した会社で社会保険加入の処理が取り消された場合でも、その期間に給与が発生していれば税金の計算上は給与所得として扱われる可能性があります。
そのため、「社会保険上はなかったことになった」という説明だけで、給与や税金の申告まで不要になるわけではありません。給与明細や源泉徴収票を確認して判断することが大切です。
まとめ
転職した年は、勤務先が複数になることもあり、年末調整や確定申告の判断が難しくなります。基本的には年末時点の勤務先で年末調整を行いますが、状況によっては自分で確定申告をすることも可能です。
短期間で退職した会社から給与を受け取っている場合は、その給与も含めて正しく申告する必要があります。新しい会社に伝える情報と、税務上申告しなければならない情報は別なので注意しましょう。
不明点がある場合は、源泉徴収票や給与明細を確認したうえで、税務署や専門家へ相談すると安心して手続きを進められます。


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