使わない銀行口座は解約したほうがいい?2年以上放置するデメリット・休眠預金・未利用口座手数料を解説

貯金

転職や引っ越し、給与振込口座の変更などをきっかけに、何年も使っていない銀行口座が残ることがあります。「2年くらい使っていないなら解約したほうがいいのか」「そのまま放置しても問題ないのか」と迷う人もいるでしょう。

結論からいうと、今後使う予定がなく、給与振込・公共料金・クレジットカードなどの引き落としにも利用していない口座なら、整理のために解約を検討する価値があります。ただし、2年間使っていないだけで法律上必ず解約しなければならないわけではありません。

注意したいのは、銀行によっては一定期間利用していない口座に「未利用口座管理手数料」がかかる場合があることです。また、10年以上取引がない預金は休眠預金等として扱われる制度もあります。この記事では、使わなくなった銀行口座を残すメリット・デメリット、解約したほうがよいケース、解約前に確認したい項目を分かりやすく解説します。

2年間使っていない銀行口座は必ず解約する必要がある?

銀行口座を2年間使っていないからといって、それだけで法律上解約が必要になるわけではありません。口座の残高が残っていて、銀行側の規定に問題がなければ、そのまま保有できる場合があります。

そのため、「2年使っていない=すぐ解約しなければならない」と考える必要はありません。重要なのは、今後その銀行を利用する可能性があるか、口座を維持することで手数料が発生しないか、何らかの引き落としや振込先として残っていないかを確認することです。

たとえば以前の勤務先の給与口座として作ったものの、転職後2年以上まったく利用しておらず、残高もほぼゼロで今後利用する予定もないのであれば、解約して口座を整理するメリットは大きいでしょう。

使う予定がないなら解約するメリットはある

不要な銀行口座を解約すると、資産管理がシンプルになります。口座が5つ、6つと増えていると、どの銀行にいくら残っているのか、どの口座から何が引き落とされているのか分かりにくくなります。

口座を減らせば、通帳、キャッシュカード、銀行アプリ、ログインID、パスワードなど管理するものも少なくなります。住所や電話番号を変更した際に複数の銀行へ変更手続きを行う負担も減ります。

また、ほとんど確認していない口座では、不審な取引が発生した場合に気付くまで時間がかかる可能性があります。利用する口座だけに整理し、定期的に入出金履歴を確認できる状態にしておくことはセキュリティ管理の面でも分かりやすくなります。

銀行によっては「2年以上未利用」で手数料が発生する

特に注意したいのが「未利用口座管理手数料」です。すべての銀行で導入されているわけではありませんが、一定期間利用していない普通預金口座について手数料を設定している金融機関があります。

たとえば三菱UFJ銀行では、2021年7月1日以降に開設された普通預金口座について、最後の預け入れまたは引き出しから2年以上取引がない場合、一定の条件で年間1,320円(税込)の未利用口座管理手数料が発生します。

ただし、三菱UFJ銀行の場合でも2021年6月30日以前に開設した口座は対象外であるなど条件があります。また、定期預金や投資信託など対象となる他の金融資産を保有している場合など、手数料が発生しないケースもあります。

[参照] 三菱UFJ銀行「未利用口座管理手数料」

つまり、2年間使っていない口座を持っている場合には、まずその銀行の公式サイトで「未利用口座管理手数料」「口座維持手数料」などが設定されていないか確認することが重要です。

「休眠預金」は2年ではなく原則10年以上取引がない預金

使っていない銀行口座についてよく混同されるのが「休眠預金」です。休眠預金等活用法では、2009年1月1日以降の取引を最後に、10年以上入出金などの取引がない預金等が休眠預金等として扱われます。

そのため、2年間利用していないだけで休眠預金になるわけではありません。今回のような2年程度の未利用と、法律上の休眠預金は別の仕組みです。

また、休眠預金になったからといって預金そのものが消滅するわけでもありません。金融庁は、休眠預金等になった後でも、取引していた金融機関で所定の手続きを行えば引き出すことができると案内しています。

[参照] 金融庁「長い間、お取引のない預金等はありませんか?」

残高ゼロでも放置してよいとは限らない

「残高がほとんどないから放置しても問題ない」と考える人もいます。しかし、残高が少ない口座でも銀行との契約自体は残っています。

未利用口座管理手数料の対象となる銀行では、残高から手数料が差し引かれる場合があります。たとえば三菱UFJ銀行では、未利用口座管理手数料の対象となった後、一定期間取引や解約がなければ年間1,320円の手数料が引き落とされます。

銀行によって対象口座、開始時期、残高が不足した場合の扱いなどは異なるため、「残高が少ないから気にしなくてよい」ではなく、その銀行の現在の規定を確認しておくほうが安全です。

解約前に必ず確認したい引き落とし・振込

銀行口座を解約するときに最も注意したいのが、忘れている自動振替です。普段利用していないと思っている口座でも、年に1回だけ支払いが発生するサービスなどが登録されている場合があります。

たとえばクレジットカード代金、生命保険・損害保険、携帯電話、電気・ガス・水道、税金、家賃、サブスクリプションなどです。さらに給与、年金、配当金、給付金などの振込先になっていないかも確認します。

実例として、毎月の取引はないものの自動車保険を年払いにしており、年1回だけその銀行口座から引き落とされているケースがあります。その状態で口座を解約すると保険料を引き落とせず、別途支払い手続きが必要になる可能性があります。

解約前に過去1年程度の入出金履歴を見る

「本当に何にも使っていない口座か」を確認する簡単な方法は、銀行アプリやインターネットバンキングで過去の入出金履歴を見ることです。

最後の取引から2年間まったく動いていないのであれば、定期的な引き落としに使われている可能性は低いと考えられます。ただし、数年に1度しか振り込まれないものなどもあり得るため、記憶だけで判断しないほうが安心です。

紙の通帳がある場合は記帳して最新状態にしておく方法もあります。解約する前に取引内容を確認し、必要であれば明細をPDFなどで保存しておくと後から確認しやすくなります。

預金残高がある場合は解約時に受け取れる

銀行口座を解約すると、口座に残っている預金は原則として自分のお金として受け取ります。具体的な受取方法は金融機関や手続方法によって異なり、現金で受け取る方法や別の自分名義口座へ振り込む方法などがあります。

たとえば使っていない普通預金に3万5,000円残っている場合、そのお金を失うわけではありません。解約時に残高を精算してもらいます。

ただし、振込で受け取る場合には手数料の扱いなどが金融機関によって異なる可能性があります。少額であれば先にATMなどで残高を整理してから解約する方法もありますが、利息の付与などによって完全な0円にならない場合もあるため、銀行の案内に従うのが確実です。

今後また利用する可能性があるなら残す選択肢もある

使っていない口座は何でも解約すればよいというわけでもありません。近いうちにその銀行を再び利用する可能性があるなら、残しておくメリットもあります。

たとえば転職先の給与振込指定銀行になりそう、住宅ローンを検討している、近所にATMが多く災害時などの予備口座として使いたい、といった明確な用途がある場合です。

また、銀行によっては同一名義で複数の普通預金口座を簡単には作れない場合があります。一度解約してしまうと、「以前と同じ支店・口座をまた使いたい」と思っても同じ状態へ戻せるとは限りません。

したがって判断基準は「最近使ったか」だけではなく、今後具体的に使う予定があるかで考えると分かりやすいでしょう。

予備口座として持つなら最低限の管理は続ける

生活用口座とは別に、システム障害やカード紛失などへ備えて別銀行の口座を1つ持つ考え方もあります。複数の銀行にお金を分散しておけば、一方の銀行サービスが一時的に利用できない場合にも対応しやすくなります。

ただし「予備口座として持つ」のと「存在を忘れて放置する」のは違います。住所、電話番号、メールアドレスが変わった場合には金融機関へ変更を届け出て、キャッシュカードなども安全に保管しましょう。

金融庁も長期間取引のない預金について、通帳やキャッシュカードの所在、金融機関へ届けている住所やメールアドレスに変更がないか確認するよう呼びかけています。

銀行口座を減らすなら2~3つの役割に整理すると管理しやすい

口座が多すぎて困っている場合は、単純に1口座だけにする必要はありません。用途別に必要な銀行だけを残す方法があります。

口座の役割 主な用途
メイン口座 給与受取・生活費・各種引き落とし
貯蓄口座 生活防衛資金・目的別貯金
予備口座 メイン銀行が使えない場合のバックアップ

たとえば銀行口座を6つ持っているなら、今後使用する3口座を残し、給与振込にも貯蓄にも決済にも使っていない3口座を整理するという方法です。

このように役割を決めると、「この口座は何のために持っているのか」が明確になり、将来また不要な口座が増えるのを防ぎやすくなります。

解約するなら通帳・キャッシュカード・本人確認書類を確認

銀行口座の具体的な解約方法は金融機関によって異なります。店舗窓口での手続きが必要な銀行もあれば、条件を満たせばアプリやインターネットで解約できる銀行もあります。

窓口で解約する場合には、一般的に通帳、キャッシュカード、届出印を使用している口座なら届出印、本人確認書類などを求められることがあります。ただし必要なものは銀行によって違います。

2年間利用していない間に引っ越しをして住所が変わっている場合などは、住所変更手続きが先に必要になることもあります。実際に解約する際は、銀行公式サイトの「口座解約」ページを確認してから手続きするとスムーズです。

こんな口座なら解約を検討しやすい

使っていない口座を残すか迷った場合は、「現在の用途」と「将来の用途」の両方から判断します。次のような状態なら解約を検討しやすいでしょう。

  • 2年以上入出金がなく今後も使う予定がない
  • 給与・年金・給付金などの振込先ではない
  • クレジットカードや公共料金などの引き落としがない
  • 未利用口座管理手数料の対象になる可能性がある
  • 同じ役割の銀行口座をすでに別に持っている
  • キャッシュカードやログイン情報を管理する負担を減らしたい

反対に、具体的な用途がある、予備口座として意識的に管理している、今後その銀行を使う予定がある場合には、必ずしも解約する必要はありません。

まとめ:2年未利用だから必須ではないが、今後使わない口座なら整理を検討

銀行口座を2年間使っていないからといって、必ず解約しなければならないわけではありません。また、法律上の休眠預金になるのは原則として10年以上取引がない預金等であり、2年間の未利用とは別の話です。

一方で、今後使う予定がなく、給与振込・自動引き落とし・各種振込の受取口座にもなっていないのであれば、解約して整理するメリットはあります。口座、キャッシュカード、ログイン情報などの管理対象を減らせるためです。

さらに銀行によっては、2年以上など一定期間取引がない口座へ未利用口座管理手数料を設定しています。たとえば三菱UFJ銀行では、2021年7月1日以降に開設した普通預金について、条件を満たすと年間1,320円(税込)の未利用口座管理手数料がかかります。この条件は銀行ごとに違うため、自分の口座の金融機関で確認してください。

解約する場合には、まず過去の入出金履歴を確認し、クレジットカード、保険、公共料金などの引き落としや給与・給付金などの振込先が残っていないかチェックします。そのうえで残高を精算し、銀行指定の方法で解約するとよいでしょう。

判断の基準を一言でいえば、「2年使っていないから解約」ではなく、「これから使う具体的な理由がないなら解約を検討」です。逆に予備口座など明確な目的があるなら、住所や連絡先を最新に保ち、定期的に口座状況を確認しながら残す選択肢もあります。

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