結婚式は人生の大きなイベントである一方、まとまったお金が一度に出ていくため、「数年間かけて貯めた150万円が一気になくなる」と考えると複雑な気持ちになることがあります。25歳前後で結婚式を挙げる場合、式そのものは楽しみでも、終了後の預金残高がほぼ0円になることに不安を感じるのは自然な家計上の反応です。
実際、結婚式では100万円を超える自己負担が発生するケースがあります。リクルートブライダル総研の「結婚マーケット調査2025」では、国内で挙式と披露宴・ウエディングパーティーを1回ずつ実施した人の自己負担額は平均158.9万円でした。したがって、結婚式に150万円前後の自己資金を使うこと自体は特別に異常な金額ではありません。[参照:リクルートブライダル総研「結婚マーケット調査2025」]
ただし、「結婚式に150万円使うこと」と「結婚式後の現金預金を0円にすること」は別問題です。投資資産が80万円あったとしても、病気、失業、引っ越し、家電故障などが発生したときにすぐ使える現金とは性質が異なります。式を楽しむことと、式後の生活を守ることの両方を考えて資金計画を立てることが大切です。
- 結婚式で150万円前後を自己負担すること自体は珍しいとは言えない
- 「結婚式後に貯金0円になる人が何%いるか」という統計は見当たりにくい
- 投資で80万円持っていても「現金0円」と同じようには考えない
- 結婚式後に現金0円だと何が問題なのか
- まず「自分の150万円」ではなく夫婦全体の家計を見る
- 結婚式後にいくら現金を残せばよい?
- 具体例|現金150万円・投資80万円なら3つの選択肢がある
- ご祝儀をあてにしすぎる資金計画には注意
- 結婚式の最終見積もりは契約時より上がりやすい点にも注意
- 現金を残すために削りやすい結婚式費用を確認する
- 結婚式のためにNISA・投資信託を売るべきか
- 結婚式ローンやリボ払いで無理に式の規模を維持しない
- 「数年かけて貯めた150万円が一日で消える」という感覚について
- 結婚後は夫婦で「貯金を作り直す計画」を決める
- 具体例|結婚式後30万円から1年間で現金90万円へ戻す
- 結婚式前に夫婦で確認したい6つのお金
- 式後に現金がほぼなくなるなら「最低残高」を今決める
- まとめ|結婚式で貯金が減ることより「式後に生活できる現金があるか」が重要
結婚式で150万円前後を自己負担すること自体は珍しいとは言えない
2026年1月に公表された「結婚マーケット調査2025」では、国内で挙式と披露宴・ウエディングパーティーの両方を実施した人について、挙式・披露宴等にかかった費用は平均298.6万円でした。
また、挙式と披露宴・ウエディングパーティーを1回ずつ実施した人のうち、金額を回答した人では、ご祝儀総額の平均が187.1万円、自己負担額の平均が158.9万円となっています。[参照:結婚マーケット調査2025 概要報告書]
そのため、「結婚式で150万円程度の現金が減る」という金額だけを見れば、現在の結婚式市場から極端に外れた例とは言えません。ただし、この平均値は25歳だけのデータではなく、全国20~49歳を対象とした調査であり、式の規模や地域、招待人数によって金額には大きな差があります。
「結婚式後に貯金0円になる人が何%いるか」という統計は見当たりにくい
結婚式費用については平均総額や自己負担額の調査がありますが、「結婚式直後に普通預金が0円になった人の割合」という全国的な公的統計は一般的ではありません。
SNSやQ&Aサイトには「式で貯金を使い切った」「ご祝儀で思ったより戻った」「親から援助を受けた」などさまざまな体験談がありますが、投稿者は無作為に選ばれた人ではありません。そのため、体験談の件数から「25歳なら普通」「ほとんどの人は残している」と判断するのは難しいところです。
重要なのは、他の25歳が0円になったかどうかよりも、結婚式終了後に自分たちの家計が問題なく回るかどうかです。同じ現金0円でも、夫婦の収入、配偶者の貯金、実家の支援、毎月の固定費などによって危険度は大きく変わります。
投資で80万円持っていても「現金0円」と同じようには考えない
投資信託や株式を80万円分保有していれば、金融資産全体としては0円ではありません。しかし、投資資産と普通預金には役割の違いがあります。
金融庁は資産形成の基本として、預貯金には安全性や流動性が高い特徴がある一方、株式や投資信託には価格変動があると説明しています。また、必要になる時期や目的に合わせて貯蓄と投資を使い分けることが重要としています。[参照:金融庁「資産形成の基本」]
例えば80万円の投資信託が相場下落で一時的に60万円まで下がったタイミングで、急に30万円必要になれば、安値で売却せざるを得ない可能性があります。「売れば現金になるから普通預金は0円でもよい」と考えるより、近いうちに必要になる可能性があるお金は現金で確保しておくほうが家計は安定します。
結婚式後に現金0円だと何が問題なのか
現金0円の最大の問題は、結婚式翌日から生活が続くことです。式が終わったからといって、翌月の家賃や水道光熱費、食費、クレジットカード代がなくなるわけではありません。
さらに新婚時期は、引っ越し、家具・家電、旅行、冠婚葬祭など予想外の支出が重なりやすい時期でもあります。冷蔵庫が故障して10万円、歯の治療で数万円、引っ越しが必要になって数十万円ということもあり得ます。
現金が一定額あればそのまま支払えますが、0円の場合は投資資産の売却、クレジットカードの分割・リボ、カードローンなどに頼る可能性が高くなります。結婚式を借金の入り口にしないためにも、式後の現金残高を確認する意味があります。
まず「自分の150万円」ではなく夫婦全体の家計を見る
結婚後は、自分個人の預金だけを見ると実態が分かりにくいことがあります。自分の現金が0円になっても配偶者が十分な生活防衛資金を持っているケースと、夫婦二人とも0円になるケースでは状況が全く異なります。
例えば一方が結婚式で150万円を負担して預金0円になっても、配偶者に現金200万円があり、夫婦で生活費を共有しているなら、世帯全体の流動性は200万円残ります。一方、二人ともほぼ全財産を式に使うなら、その後の家計リスクは高くなります。
結婚式前には、互いの普通預金、投資資産、奨学金やカードローンなどの負債、毎月の手取り、固定費まで含めて確認しておくと、必要な現金残高を判断しやすくなります。
結婚式後にいくら現金を残せばよい?
「最低○万円残せば絶対安全」という共通ルールはありません。月の生活費が15万円の夫婦と30万円の夫婦では必要額が違いますし、公務員など収入が比較的安定している世帯と、歩合給や自営業の世帯でも必要な備えは変わります。
一般的な家計管理では、生活費の数か月分をすぐ使える預貯金として確保する考え方があります。金融庁掲載の資産形成に関する座談会でも、働いている人について生活防衛資金の一例として3か月~半年程度という考え方が紹介されています。ただし、これは全員に適用される制度上の基準ではなく、家計によって調整する目安です。[参照:金融庁「貯蓄額のうちリスク資産をいくら持つ?」]
例えば夫婦の最低生活費が月20万円なら、3か月分で60万円、6か月分なら120万円です。「150万円全部を式に使うか」ではなく、「最低○万円だけは式後も残す」と先に決める方法が現実的です。
具体例|現金150万円・投資80万円なら3つの選択肢がある
例えば結婚式前に普通預金150万円、長期投資80万円があり、結婚式の自己負担予定額が150万円だとします。
| プラン | 式に使う現金 | 式後の現金 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| そのまま全額支払う | 150万円 | 0円 | 式は予定通りだが緊急資金がない |
| 50万円を残す | 100万円 | 50万円 | 式の内容・負担分を約50万円調整する必要 |
| 80万円を残す | 70万円 | 80万円 | 安全性は上がるが式の予算見直し幅が大きい |
実際には、配偶者との負担割合、ご祝儀、両家からの援助なども加わるため、この通りになるわけではありません。ポイントは「150万円あるから150万円まで使える」と考えず、式後に残す金額を先に確保することです。
投資の80万円については、長期投資として続けるのであれば生活防衛資金とは別枠として考えます。式後すぐ必要になりそうなお金を投資の売却でまかなう前提にしないほうが資金計画は安定します。
ご祝儀をあてにしすぎる資金計画には注意
結婚式ではご祝儀によって最終的な自己負担額が下がることがあります。2025年調査でも、対象者のご祝儀総額は平均187.1万円でした。
しかし、ご祝儀は招待人数や親族・友人の構成によって大きく変わります。「1人3万円×60人だから180万円が確実に入る」という計算にはしないほうが安全です。夫婦で出席する人、親族、ご祝儀ではなく会費制など条件はさまざまです。
また式場によっては、ご祝儀を受け取る前に料金の全額または大部分を支払う必要があります。最終見積もりの支払期限と、ご祝儀が手元に入るタイミングは必ず確認しましょう。
結婚式の最終見積もりは契約時より上がりやすい点にも注意
式場を契約した時点では150万円の自己負担を予定していても、料理、衣装、装花、写真、映像、引き出物などを追加していくことで最終見積もりが増えることがあります。
そのため「現金150万円ちょうどあるから大丈夫」という状態は余裕が小さく、式直前に10万円追加されただけで予定を超えてしまいます。
式の1~2か月前には、最新見積もりを使い、残りの支払額、予想ご祝儀ではなく支払日までに確実に準備できる現金、式後の固定費を一覧にすると安全です。
現金を残すために削りやすい結婚式費用を確認する
すでに契約済みでも、最終確定前なら一部のオプションを見直せる場合があります。式全体を取りやめるほどではなくても、10万~30万円程度の差が出れば式後の安心感は大きく変わります。
例えば衣装の追加オプション、映像商品、アルバムのグレード、装花、ペーパーアイテム、演出などは、二人が本当に必要と思うものとそうでないものを分けて検討できます。ただし、キャンセル料や持込料が発生する項目もあるため、削れば必ず安くなるとは限りません。
料理やゲストへのおもてなしなど二人が重視する部分は維持し、「なくても式への満足度があまり変わらない部分」から調整する方法なら、楽しみを大きく損なわず現金を残せる可能性があります。
結婚式のためにNISA・投資信託を売るべきか
普通預金を使い切らないために投資資産を売却する選択肢もありますが、これは一律に正解・不正解とは言えません。そもそも数年以内に結婚式へ使う予定だった資金であれば、本来は価格変動のある投資商品より預貯金で準備するほうが目的には合っています。
一方、老後など長期目的で積み立ててきたNISAを、結婚式のオプション費用を増やすためだけに売るのは慎重に考えたいところです。金融庁も、お金が必要になるタイミングや目的を考え、貯蓄と投資を使い分けることを基本としています。[参照:金融庁「資産形成の基本」]
例えば「投資80万円はそのまま、預金150万円をすべて使う」か「投資を一部売って現金50万円を残す」かだけでなく、「式の予算を20万円下げ、投資は売らず、現金20万円を残す」という第三の選択肢もあります。
結婚式ローンやリボ払いで無理に式の規模を維持しない
現金を残したいからといって、不足分を高金利の借入れで補うと、式後の家計を圧迫する可能性があります。
例えば30万円を借りれば式当日は資金を確保できますが、結婚後に家賃や生活費へ加えて返済も始まります。今後、新婚旅行、引っ越し、住宅購入などを予定しているなら負担はさらに増えます。
特にクレジットカードのリボ払いは、毎月の支払額が小さく見える一方、支払いが長期化して手数料負担が増えることがあります。「式を予定通り行うための借金」より、可能な範囲で予算を調整するほうがその後の生活は安定しやすくなります。
「数年かけて貯めた150万円が一日で消える」という感覚について
結婚式の支出を銀行残高だけで見ると、150万円が一日で消えたように感じます。しかし、貯蓄には数字を増やすことだけでなく、将来実現したいことに使う役割もあります。
数年前から結婚式をしたいと考えて、そのために貯めたお金なら、使ったことそのものが資産形成の失敗とは言えません。旅行や住宅、教育などと同じく、貯蓄は人生の目的を実現するために使うこともあります。
ただし「使う価値があること」と「手元資金を0円にしてよいこと」も別です。式にお金を使ったことを後悔しないためにも、式後にお金の不安で生活が苦しくならない程度の現金を残すことが重要です。
結婚後は夫婦で「貯金を作り直す計画」を決める
結婚式で大きく資産が減ったとしても、25歳ならその日で資産形成が終わるわけではありません。二人に継続的な収入があれば、その後に貯金を作り直すことができます。
例えば夫婦で月5万円を貯めれば1年で60万円、月8万円なら96万円です。ボーナスから年間20万円を追加すれば、月5万円の積立でも年間80万円になります。
「150万円を失った」と考えるだけでなく、「式後1年でまず50万円、2年で100万円まで現金を戻す」というように次の目標を決めると、貯金残高が減る心理的な不安を具体的な行動へ変えやすくなります。
具体例|結婚式後30万円から1年間で現金90万円へ戻す
例えば式後に30万円だけ現金を残し、夫婦で毎月5万円を貯めるケースを考えます。運用益を考えなければ半年後には60万円、1年後には90万円になります。
さらにボーナスから20万円を追加できれば1年後に110万円です。結婚式前の150万円にすぐ戻らなくても、生活防衛資金としての安心感はかなり回復します。
逆に式後0円で、その後も新婚旅行や家具購入にカードを使い続けると、せっかく月5万円貯めても支払いで消える可能性があります。式後半年程度は大きな買い物を抑えるなど「貯金回復期間」を設ける方法も有効です。
結婚式前に夫婦で確認したい6つのお金
結婚式後の不安を減らすには、式の見積書だけではなく結婚後の家計も一緒に確認します。
- 結婚式の最終支払額と支払期限
- 式後に二人で残る普通預金額
- 投資信託・NISAなど価格変動資産の額
- 奨学金、カードローン、分割払いなどの負債
- 夫婦の月間手取りと最低生活費
- 今後1年以内の新婚旅行・引っ越し・家具家電などの予定支出
この一覧を作ると、「自分の貯金150万円が0円」という一点だけではなく、世帯としてどれだけ余裕があるかを判断できます。
例えば自分の預金が0円でも配偶者の現金が120万円あり、毎月10万円黒字になる家庭なら回復は比較的早いでしょう。二人とも0円で毎月の黒字も1万円しかないなら、式の予算をもう一度検討する価値があります。
式後に現金がほぼなくなるなら「最低残高」を今決める
すでに準備が進み、結婚式そのものを大幅に変更したくない場合には、「絶対に0円にしない」というルールだけ決める方法もあります。
例えば現金150万円のうち30万円だけは生活用口座へ移して触らず、残り120万円を式の上限とします。30万円で不十分かどうかは月の生活費や夫婦の収入次第ですが、0円よりは突発支出への対応力があります。
結婚式費用の上限を「現在持っている現金額」で決めるのではなく、「現在の現金-式後に残したい生活防衛資金」で決めることが家計管理のポイントです。
まとめ|結婚式で貯金が減ることより「式後に生活できる現金があるか」が重要
結婚式で150万円前後を自己負担すること自体は、現在の調査から見て特別に異常とは言えません。リクルートブライダル総研の「結婚マーケット調査2025」では、国内で挙式と披露宴・ウエディングパーティーを1回ずつ実施した人の自己負担額は平均158.9万円でした。[参照:リクルートブライダル総研「結婚マーケット調査2025」]
したがって、25歳で数年間貯めた150万円を結婚式へ使うことそのものを「お金の使い方に失敗した」と考える必要はありません。結婚式を大切な人生経験として選び、そのために準備してきた資金を使うことには意味があります。
一方で、普通預金が完全に0円になる計画なら、式の内容を少し調整してでも一定の現金を残せないか検討する価値があります。投資で80万円保有していても、価格が下落する可能性があるため、急な生活費に備える現金と同じものとして扱わないほうが安全です。金融庁も、必要になる時期や目的に合わせて預貯金と投資を使い分けることを基本としています。[参照:金融庁「資産形成の基本」]
また、自分一人の預金残高だけでなく、配偶者の現金、二人の収入、毎月の生活費、今後の新婚旅行や引っ越しなどを含めた世帯全体で判断することが重要です。夫婦として十分な緊急資金が別にあるなら、自分名義の預金が大きく減ることの意味も変わります。
そして結婚式で預金が減っても、25歳ならその後に再び積み上げる時間があります。月5万円なら1年で60万円、月8万円なら96万円です。「150万円が一日で消える」とだけ見るのではなく、式を楽しみつつ、式後に最低限の現金を残し、翌月から夫婦で貯蓄を再スタートするというところまで含めて結婚式の資金計画を作ると、安心して当日を迎えやすくなります。


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