パートやアルバイトとして週3~4日働き、毎月8万~9万円程度の給与を受け取っているのに、勤務先の健康保険や厚生年金へ加入していないと、「会社が社会保険に入れてくれていないのは違法なのでは?」と疑問に感じることがあります。
しかし、週3~4日勤務・月収8~9万円・1年間勤務しているという情報だけでは、社会保険への未加入が違反かどうかは判断できません。健康保険・厚生年金の加入義務は、勤務日数だけでなく、週の所定労働時間、所定内賃金、勤務先の企業規模、正社員の労働時間との比較、学生かどうかなど複数の条件で決まるためです。
一方、法律上の加入条件を満たしているにもかかわらず、会社が健康保険・厚生年金の資格取得手続きをしていないのであれば問題があります。「本人が希望していないから」「扶養内で働きたいから」といった理由だけで、加入義務のある人を会社と本人の合意で任意に外すことはできません。
この記事では、2026年8月時点の制度をもとに、週3~4日・月収8~9万円程度のパートやアルバイトが社会保険へ加入する条件、51人以上という企業規模の考え方、月8.8万円の判定方法、加入対象なのに未加入だった場合の確認先まで具体的に解説します。
- まず「社会保険」の意味を整理しておこう
- 週3~4日という勤務日数だけでは加入義務は決まらない
- 正社員の4分の3以上働いている場合は企業規模にかかわらず加入対象になり得る
- 4分の3未満でも51人以上の企業なら短時間労働者として加入対象になる
- 月収8~9万円なら「8.8万円以上か」が大きな分岐点になる
- 手取り8~9万円ではなく「所定内賃金」で確認する
- 「年収106万円を超えたら加入」ではない
- 契約上8.8万円未満でも実際の給与が継続して超えると加入対象になる場合がある
- 週3~4日で月8~9万円なら具体的にどう判断する?
- 会社が51人未満なら必ず社会保険に入らなくていいわけではない
- 「51人」は自分の店舗にいる人数とは限らない
- 会社そのものが社会保険の適用事業所かも確認する
- 1年間雇用されていること自体では加入義務は決まらない
- 学生の場合は短時間労働者の加入条件が異なる
- 加入条件を満たしているのに会社が加入させない場合は問題になる
- 本人が「扶養内でいたい」と希望しても加入義務はなくならない
- 社会保険へ入ると給与の手取りは減る
- 2026年10月から月8.8万円の賃金要件は撤廃予定
- 企業規模の要件も今後段階的に縮小される
- 自分が加入対象か確認するための5項目
- 会社へは「なぜ入れないのですか」ではなく条件を確認する
- 加入対象と思われるのに会社が対応しない場合は年金事務所へ相談できる
- 雇用保険については社会保険とは別に確認する
- 「保険料が引かれていないから得」とは限らない
- まとめ:週3~4日・月8~9万円だけでは違反か判断できない。週20時間・8.8万円・会社規模を確認しよう
まず「社会保険」の意味を整理しておこう
一般に職場で「社会保険に入る」という場合、主に健康保険と厚生年金保険を指します。
ただし広い意味での社会保険には、雇用保険や労災保険なども含まれます。それぞれ加入条件が異なるため、「社会保険に入っていない」というだけでは何の制度についての話なのかを分けて考える必要があります。
| 制度 | 主な役割 | 代表的な加入基準 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 病気・けが・出産・休業など | 健康保険・厚生年金の加入条件で判定 |
| 厚生年金 | 老齢・障害・遺族年金 | 健康保険とほぼ同じ加入条件 |
| 雇用保険 | 失業等への給付 | 原則週20時間以上など別条件 |
| 労災保険 | 仕事中・通勤中のけがなど | 原則として労働者は対象 |
この記事では、特に相談が多い「会社の健康保険と厚生年金に入っていない」というケースを中心に解説します。
週3~4日という勤務日数だけでは加入義務は決まらない
社会保険の加入判定で重要なのは、「週に何日出勤するか」だけではありません。特に重要なのが週の所定労働時間です。
同じ週4日勤務でも、1日3時間なら週12時間ですが、1日6時間なら週24時間、1日8時間なら週32時間になります。この違いによって加入対象になる可能性が大きく変わります。
たとえば週4日×1日5時間なら週20時間です。一方、週3日×1日5時間なら週15時間です。勤務日数だけ見ると似ていますが、短時間労働者向けの社会保険加入基準で重要な「週20時間以上」を満たすかどうかが異なります。
したがって、社会保険未加入が適切か確認するときは、まず雇用契約書や労働条件通知書に記載されている「1日の所定労働時間」と「週の所定労働時間」を確認しましょう。
正社員の4分の3以上働いている場合は企業規模にかかわらず加入対象になり得る
パート・アルバイトの社会保険には、大きく分けて2つの判定ルートがあります。まず確認するのが「4分の3基準」です。
日本年金機構によると、パートやアルバイトであっても、1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が、同じ事業所で働く通常の労働者の4分の3以上であれば、健康保険・厚生年金の被保険者となります。[参照]
たとえば正社員が週40時間勤務なら、40時間×4分の3=30時間です。週30時間以上働き、月の所定労働日数についても4分の3以上であれば、パートという名称でも原則として社会保険の加入対象となります。
この4分の3基準を満たす場合には、「会社が51人以上か」という短時間労働者向けの企業規模要件とは別に加入対象となるため、勤務先が小規模企業だから加入しなくてよいとは限りません。
4分の3未満でも51人以上の企業なら短時間労働者として加入対象になる
正社員の4分の3未満しか働いていない人でも、一定の条件を満たす場合には健康保険・厚生年金への加入が必要です。
2026年8月時点では、厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等で働く短時間労働者について、一定要件を満たした場合に社会保険への加入が義務付けられています。日本年金機構も2024年10月から51人以上の企業等へ対象が拡大されたと案内しています。[参照]
2026年8月時点で主に確認する条件は次のとおりです。
| 条件 | 2026年8月時点 |
|---|---|
| 週の所定労働時間 | 20時間以上 |
| 所定内賃金 | 月額8.8万円以上 |
| 雇用期間 | 2か月を超えて使用される見込みなど |
| 学生 | 原則として学生ではないこと |
| 企業規模 | 厚生年金被保険者数51人以上の企業等 |
1年間雇用されているのであれば、少なくとも短期雇用だから対象外という可能性は低くなります。そのうえで、週20時間、月8.8万円、勤務先の規模などを確認することが重要です。
月収8~9万円なら「8.8万円以上か」が大きな分岐点になる
2026年8月時点では、短時間労働者の加入条件の一つに所定内賃金が月額8.8万円以上という要件があります。
そのため「月8万円の月もあれば9万円の月もある」というだけでは、加入対象かどうかは決まりません。実際の振込額や手取り額ではなく、原則として雇用契約などで定められた所定内賃金を基準に判定します。
日本年金機構は、短時間労働者の8.8万円判定について、基本給と一定の諸手当を対象とする一方、賞与、残業・休日・深夜の割増賃金、通勤手当、家族手当、精皆勤手当などは原則として算入しないと説明しています。[参照]
したがって給与明細の「総支給額が9万円だった」というだけでは、8.8万円要件を満たしているとは限りません。
手取り8~9万円ではなく「所定内賃金」で確認する
社会保険加入要件の8.8万円は「手取り額」ではありません。
たとえば基本給86,000円に通勤手当5,000円が付いて総支給91,000円だった場合、通勤手当はこの8.8万円判定では原則除外されるため、所定内賃金が86,000円なら要件を満たさない可能性があります。
一方、基本給90,000円で通勤手当が別途支払われているなら、基本給だけで8.8万円を超えているため、この賃金要件は満たすことになります。
給与が月8~9万円程度の人は、単純な振込額ではなく、給与明細の基本給や雇用契約書に書かれている月額賃金を確認することが重要です。
「年収106万円を超えたら加入」ではない
社会保険の説明でよく使われる「106万円の壁」という言葉も誤解されやすいポイントです。
日本年金機構は、短時間労働者の社会保険加入判定について、年収106万円を直接判定するのではなく、所定内賃金が月額8.8万円以上かどうかで判断すると説明しています。106万円は8.8万円×12か月をもとにした目安にすぎません。[参照]
たとえば年間収入が結果的に105万円だったとしても、契約上の所定内賃金が月8.8万円以上で他の条件も満たしていれば、加入対象になる可能性があります。
反対に、残業が多い月だけ給与が9万円を超えたから直ちに加入というわけでもありません。ただし実労働時間や賃金が恒常的に増えた場合には別の扱いがあります。
契約上8.8万円未満でも実際の給与が継続して超えると加入対象になる場合がある
雇用契約書では月8.8万円未満でも、実際には毎月追加勤務が続き、給与が恒常的に8.8万円以上になるケースがあります。
日本年金機構によると、週20時間以上の人について、業務上の都合などで実際の労働時間が増加し、連続する2か月で賃金が8.8万円以上となり、その状態が今後も続くと見込まれる場合には、3か月目の初日に社会保険の資格を取得する取扱いがあります。[参照]
そのため、会社が契約書上だけ労働時間や賃金を低く設定し、実態として毎月20時間以上・8.8万円以上勤務させている場合には、実際の勤務状況も確認する必要があります。
タイムカード、シフト表、給与明細などを数か月分並べると、実態が分かりやすくなります。
週3~4日で月8~9万円なら具体的にどう判断する?
いくつか具体例を見てみましょう。
例として、従業員51人以上の会社で、学生ではなく、1年以上継続して働いている人を想定します。
| 働き方 | 週の時間 | 月の所定内賃金 | 社会保険の可能性 |
|---|---|---|---|
| 週3日×5時間 | 15時間 | 9万円 | 週20時間未満なので短時間労働者要件では原則対象外 |
| 週4日×5時間 | 20時間 | 9万円 | 他条件も満たせば加入対象 |
| 週4日×5時間 | 20時間 | 8万円 | 2026年8月時点では賃金要件を満たさない可能性 |
| 週4日×7.5時間 | 30時間 | 9万円以上 | 正社員の4分の3基準にも該当する可能性 |
このように、「週3、4日」「月8~9万円」という情報だけでは結論が変わります。
特に週3日と週4日が月によって変動する場合には、雇用契約上の所定労働時間が何時間になっているかを確認しましょう。
会社が51人未満なら必ず社会保険に入らなくていいわけではない
「うちは従業員50人以下だからパートは社会保険に入れなくてよい」という説明を受けることがありますが、これは必ずしも正しくありません。
51人以上という基準は、正社員の4分の3未満で働く「短時間労働者」の適用拡大に関係するものです。
正社員の所定労働時間・日数の4分の3以上働いていれば、勤務先が51人未満でも、事業所自体が社会保険の適用事業所であれば原則として加入対象です。
また、51人未満でも会社が「任意特定適用事業所」になっている場合には、週20時間以上などの条件を満たす短時間労働者も加入対象になります。[参照]
「51人」は自分の店舗にいる人数とは限らない
チェーン店や複数支店がある会社では特に注意が必要です。
51人以上という企業規模は、単純に「自分が勤務している店舗に51人いるか」で判断するわけではありません。
日本年金機構によると、法人の場合は同じ法人番号を持つすべての適用事業所にいる厚生年金被保険者の総数で判定します。つまり、自分の店舗には10人しかいなくても、本社や他店舗を含めた会社全体で基準を超えている場合があります。[参照]
コンビニ、スーパー、ドラッグストア、飲食チェーンなどでは、店舗単位では小さく見えても法人全体では51人以上というケースがあるため、会社名や法人を基準に確認する必要があります。
会社そのものが社会保険の適用事業所かも確認する
従業員側の加入条件を確認する前提として、勤務先自体が健康保険・厚生年金の適用事業所なのかという問題もあります。
日本年金機構によると、株式会社などの法人事業所は、事業主だけの場合を含め原則として健康保険・厚生年金への加入が法律で義務付けられています。また、常時5人以上の従業員を使用する一定の個人事業所も強制適用事業所となります。[参照]
一方、個人経営の一部サービス業、飲食店、農林漁業などでは、常時5人以上でも強制適用にならない場合があります。ただし任意で社会保険へ加入している事業所もあります。
そのため、小さな個人経営店で働いているケースと、株式会社が運営する店舗で働いているケースでは前提が異なることがあります。
1年間雇用されていること自体では加入義務は決まらない
「1年間働いているなら社会保険へ入らなければ違反なのでは」と考えることもありますが、勤務期間だけでは判断できません。
現在の短時間労働者の制度では、かつて存在した「1年以上の雇用見込み」という要件はすでに撤廃されています。短期間の契約であっても、2か月を超えて使用される見込みなど一定の条件を満たせば対象となり得ます。[参照]
したがって1年間勤務している事実は「短期雇用だから対象外」という可能性を小さくする材料にはなりますが、それだけで加入義務が発生するわけではありません。
最終的には週の所定労働時間や賃金、企業規模などと合わせて判断します。
学生の場合は短時間労働者の加入条件が異なる
週20時間以上、月8.8万円以上、51人以上の会社という条件を満たしていても、一般的な学生は短時間労働者としての社会保険加入対象から除外されます。
日本年金機構では、高校、大学、短期大学、専修学校などの学生は原則対象外としています。ただし休学中、夜間学部、卒業前に就職して卒業後も継続勤務する場合など例外があります。[参照]
また学生であっても、正社員の労働時間・日数の4分の3以上働いて4分の3基準を満たす場合は、学生という理由だけで必ず除外されるわけではありません。
学生アルバイトの場合には、短時間労働者のルールと4分の3基準を分けて確認する必要があります。
加入条件を満たしているのに会社が加入させない場合は問題になる
法律上の加入条件を満たしている従業員については、事業主が健康保険・厚生年金の被保険者資格取得届を提出する必要があります。
日本年金機構は、被保険者となるべき従業員を使用している適用事業所について、資格取得の届出を行う必要があると明記しています。[参照]
つまり加入要件を満たしているのに、「パートだから社会保険には入れない」「本人が入りたくないと言ったから加入させない」という取扱いはできません。
加入条件を満たせば社会保険加入は任意ではなく、原則として会社側に手続き義務があります。
本人が「扶養内でいたい」と希望しても加入義務はなくならない
配偶者の健康保険の扶養に入っている人の場合、「扶養から外れたくないので会社の社会保険には入りません」と希望することがあります。
しかし、勤務先で健康保険・厚生年金の加入条件を満たした場合には、本人の希望だけで加入を拒否することは原則できません。
勤務先の社会保険へ加入すれば、配偶者の健康保険の被扶養者ではなくなり、自分自身が健康保険・厚生年金の被保険者になります。
よくいわれる「130万円未満なら扶養」という基準より先に、自分の勤務先で社会保険の加入対象になっていないかを確認する必要があります。
社会保険へ入ると給与の手取りは減る
社会保険へ加入すると、健康保険料と厚生年金保険料が給与から控除されるため、加入前より手取り額が減ることがあります。
このため月8~9万円程度の給与では、社会保険加入を負担に感じる人もいるでしょう。
ただし保険料は原則として会社と本人が分担して負担します。日本年金機構も、健康保険・厚生年金の保険料を事業主と加入者本人で半分ずつ負担すると説明しています。[参照]
厚生年金へ加入すれば将来受け取る年金額が増えるほか、健康保険には一定条件で傷病手当金や出産手当金などの保障があります。単純に「給与から引かれて損」という制度ではありません。
2026年10月から月8.8万円の賃金要件は撤廃予定
社会保険制度は現在も適用範囲の拡大が進んでいます。
日本年金機構の2026年6月更新情報では、最低賃金の上昇を踏まえ、短時間労働者に設けられている所定内賃金月8.8万円以上の要件は2026年10月に撤廃予定と案内されています。[参照]
つまり2026年8月現在は8.8万円要件を確認する必要がありますが、2026年10月以降は週20時間以上など他の条件を満たす人について、月8.8万円未満であることを理由に加入対象外とはならなくなる予定です。
ちょうど制度変更の時期に勤務している人は、現在の扱いだけでなく10月以降に会社から社会保険加入の案内が来ないかも確認するとよいでしょう。
企業規模の要件も今後段階的に縮小される
51人以上という企業規模要件も今後ずっと同じではありません。
日本年金機構によると、2027年10月からは厚生年金被保険者数36人以上の企業等へ対象が拡大され、その後も段階的に企業規模要件が縮小されます。[参照]
現在50人以下だから短時間労働者として対象外だった人でも、今後同じ働き方のまま社会保険の対象になる可能性があります。
そのため社会保険の条件は、数年前に会社から聞いた説明だけで判断せず、最新制度を確認することが重要です。
自分が加入対象か確認するための5項目
週3~4日、月8~9万円程度で働いている場合には、次の項目を確認するとかなり判断しやすくなります。
| 確認項目 | 確認方法 |
|---|---|
| 週の所定労働時間 | 雇用契約書・労働条件通知書を見る |
| 月の所定内賃金 | 基本給と対象手当を確認 |
| 正社員の労働時間・日数 | 4分の3以上か確認 |
| 会社の厚生年金被保険者数 | 会社の人事・総務へ確認 |
| 学生かどうか | 短時間労働者の適用条件に関係 |
たとえば「週4日、1日5.5時間、週22時間、所定内賃金9万円、学生ではない、51人以上の会社」であれば、2026年8月時点でも短時間労働者として社会保険の加入対象となる可能性が高くなります。
一方、「週3日、1日5時間、週15時間、月9万円」であれば、短時間労働者の週20時間要件を満たさないため、4分の3基準にも該当しなければ加入対象外となる可能性があります。
会社へは「なぜ入れないのですか」ではなく条件を確認する
社会保険へ加入していないことが気になる場合、まず勤務先の給与・総務担当者へ確認するとよいでしょう。
その際、「どうして社会保険に入れてくれないんですか」と聞くより、「私の週の所定労働時間は何時間として登録されていますか」「社会保険上の所定内賃金はいくらですか」「会社は特定適用事業所に該当していますか」と具体的に確認すると話が進みやすくなります。
また、「私は健康保険・厚生年金の加入要件に該当しませんか」と質問し、会社側がどの条件を理由に対象外と判断しているのか確認しましょう。
単なる事務処理漏れの場合もあれば、実際には週20時間未満など正当な理由で対象外になっている場合もあります。
加入対象と思われるのに会社が対応しない場合は年金事務所へ相談できる
雇用契約書などを確認しても加入条件を満たしているように見え、会社へ確認しても加入手続きをしてもらえない場合は、管轄の年金事務所へ相談できます。
健康保険・厚生年金の適用や資格取得を扱うのは日本年金機構です。日本年金機構は、加入義務のある事業所や従業員について適正な手続きが行われるよう加入指導などを行っています。[参照]
相談する際には、雇用契約書、労働条件通知書、給与明細、タイムカードやシフト表など、自分の労働時間や給与が分かる資料を用意すると状況を説明しやすくなります。
社会保険の適用については労働基準監督署ではなく、原則として年金事務所が確認先になる点も覚えておくとよいでしょう。
雇用保険については社会保険とは別に確認する
健康保険・厚生年金へ入っていない場合でも、雇用保険には加入対象ということがあります。
雇用保険は健康保険・厚生年金とは加入基準が異なるため、「社会保険に入っていないから雇用保険も入れない」というものではありません。
特に週20時間以上の勤務が続いている場合には、雇用保険についても加入状況を給与明細や雇用保険被保険者証などで確認しておく価値があります。
給与明細に雇用保険料だけが控除され、健康保険料・厚生年金保険料は控除されていないというケースもあり、そのこと自体が直ちに不自然とは限りません。
「保険料が引かれていないから得」とは限らない
社会保険に未加入だと給与から健康保険料や厚生年金保険料が引かれないため、短期的には手取りが多く見えます。
しかし、勤務先の健康保険へ加入していない場合には、家族の扶養に入るか、自分で国民健康保険などへ加入する必要があります。厚生年金へ加入していなければ、20歳以上60歳未満の人は原則として国民年金の加入関係も確認する必要があります。
社会保険加入条件を満たしているのに加入していない場合、後になって資格をさかのぼって確認される可能性もあります。
そのため「給与から引かれていないから今のままでいい」と考えず、本来の加入資格がどうなっているかを確認することが大切です。
まとめ:週3~4日・月8~9万円だけでは違反か判断できない。週20時間・8.8万円・会社規模を確認しよう
週3~4日勤務、月給8~9万円、1年間雇用されているという条件だけでは、社会保険に加入していないことが違反かどうかは判断できません。
まず、正社員の週の所定労働時間と月の所定労働日数の4分の3以上働いている場合には、パート・アルバイトという名称でも健康保険・厚生年金の加入対象となります。[参照]
4分の3未満の場合でも、2026年8月時点では、原則として厚生年金被保険者数51人以上の企業等で、週20時間以上、所定内賃金月8.8万円以上、学生ではないなどの条件を満たせば社会保険の加入対象になります。[参照]
したがって、たとえば週4日×5時間で週20時間、所定内賃金9万円、学生ではなく、51人以上の会社で1年間勤務しているのであれば、加入対象となる可能性があります。反対に週3日×5時間で週15時間なら、短時間労働者の週20時間基準を満たさないため、4分の3基準にも該当しなければ未加入でも直ちに違反とはいえません。
また、「月8~9万円」は手取りや総支給額ではなく所定内賃金を確認する必要があります。通勤手当、残業の割増賃金、賞与などは月8.8万円の判定から除外されるものがあります。[参照]
なお制度改正により、月8.8万円の賃金要件は2026年10月に撤廃予定です。さらに2027年10月からは企業規模要件も51人以上から36人以上へ広がる予定なので、今後同じ働き方でも加入対象へ変わる可能性があります。[参照]
まず雇用契約書で「週の所定労働時間」、給与明細や契約書で「所定内賃金」、勤務先へ「厚生年金被保険者数51人以上の企業に該当するか」を確認しましょう。その結果、加入条件を満たしているのに会社が手続きをしていないと思われる場合は、勤務先へ確認したうえで、管轄の年金事務所へ相談することができます。


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