クレジットカードの高額な請求をリボ払いへ変更するとき、「9月分を月5万円、10月分も月5万円にしたら、10月は5万円+5万円で約10万円を払うのか」と疑問に感じることがあります。
ここで重要なのは、リボ払いは通常、利用月ごとに5万円ずつ別々に返済する仕組みではなく、リボ払いの未払い残高をまとめ、その残高に対して毎月の支払額が決まる仕組みだということです。
したがって「9月分5万円+10月分5万円=10万円」と単純に足し算できるとは限りません。実際の請求額はカード会社のリボ払い方式、設定した支払コース、手数料、追加利用額などで変わります。
リボ払いは「買い物ごとに月5万円」ではなく残高全体で考える
リボ払い(リボルビング払い)は、利用金額や件数にかかわらず、あらかじめ設定した方式に従って毎月支払っていく方法です。一括払いを後からリボ払いへ変更できるカードもあります。
例えば9月の27万円をリボ払いへ変更し、毎月の支払元金を5万円とするタイプなら、9月に5万円を支払った後も残りの元金がリボ残高として翌月以降へ繰り越されます。
そこへ10月の36万円もリボ払いへ変更すると、その36万円も既存のリボ残高へ加わるのが基本的なイメージです。9月分と10月分について、それぞれ独立した「月5万円のローン」が2本できるとは限りません。
27万円と36万円をリボにした場合を具体例で考える
分かりやすくするため、手数料をいったん無視して単純化してみます。9月に27万円をリボ払いへ変更し、元金5万円を支払ったと仮定すると、残る元金は約22万円です。
その後、10月に新たな36万円をリボ払いへ変更すれば、単純計算では22万円+36万円=約58万円が残高になります。この約58万円に対して、カード会社が定めるリボ払いの支払方式に従って次回以降の支払額が決まります。
| 時点 | 単純化したイメージ |
|---|---|
| 9月のリボ対象額 | 27万円 |
| 9月に元金5万円を返済 | 残り約22万円 |
| 10月分を追加 | +36万円 |
| リボ残高 | 約58万円 |
この場合でも、毎月5万円を支払うコースなら「10月は必ず10万円」となるわけではありません。ただし実際にはリボ手数料が加算されますし、残高によって毎月の支払額が増える「残高スライド方式」などを採用しているカードでは、5万円のままにならないことがあります。
「毎月5万円」の意味はカード会社によって違う
リボ払いで最も注意したいのが、「5万円」という設定が何を意味するのかです。カード会社によって、元金定額方式、元利定額方式、残高スライド方式など計算方法が異なります。
元金定額方式なら、設定した元金5万円とは別に手数料が加算され、「5万円+手数料」が実際の請求額になることがあります。一方、元利定額方式なら手数料を含めて一定額になる仕組みがあります。
さらに残高スライド方式では、リボ残高が一定額を超えると毎月の支払額そのものが増える場合があります。そのため、カード会社・カード名が分からない状態では「10月はいくら」と正確に計算することはできません。
リボ残高が約58万円になると手数料も無視できない
27万円と36万円をほぼ連続してリボ払いにすると、元金だけでも合計63万円です。毎月5万円程度ずつ返済する場合、一括払いに比べて返済期間が長くなり、その間はリボ手数料が発生します。
例えば実質年率15%と仮定すると、58万円の残高に対する1か月分の手数料は単純概算で約7,250円です。計算は「58万円×15%÷12」としています。実際の手数料は日割り計算、締め日、支払日、カード会社の規約などによって異なるため、この金額はあくまで仕組みを理解するための概算です。
金融庁もクレジットの利用について、分割払いやリボ払いには手数料が発生し、支払いが長期化すると手数料負担が増えることに注意を促しています。[参照:金融庁 金融経済教育資料]
毎月5万円なら63万円を約13か月で返せるとは限らない
単純に63万円÷5万円と計算すると約12.6か月なので、「13回程度で終わる」と考えたくなります。しかし、実際のリボ払いでは手数料が発生するため、支払方式によって返済期間や総支払額は変わります。
さらに返済中にカードを使い続け、その利用分もリボへ回すと残高がなかなか減りません。例えば毎月5万円返していても、新たに毎月3万円をリボ利用すれば、元金の減少ペースは大幅に遅くなります。
リボ払いで本当に注意すべきなのは毎月の請求額が小さく見えることより、「今いくら残っていて、完済まで何か月かかり、手数料総額はいくらになるのか」が見えにくくなることです。
27万円・36万円をリボにする前に確認したい項目
合計63万円という比較的大きな金額をリボへ変更するのであれば、申し込みボタンを押す前にカード会社のアプリや会員サイトでシミュレーションすることをおすすめします。
最低限、「現在のリボ残高」「毎月の元金または支払額」「実質年率」「10月分36万円を追加した後の支払額」「完済予定月」「支払手数料の総額」を確認します。
また「あとからリボ」には変更期限や対象外となる利用分が設定されている場合があります。すでに請求額が確定している場合は特に、いつまで変更できるのかをカード会社の公式情報で確認する必要があります。
支払いが難しい場合はリボだけで解決しようとしない
一時的に27万円・36万円という請求が重なっただけで、数か月後には資金に余裕ができるのであれば、リボへ変更した後に繰上返済することで手数料負担を抑えられる場合があります。カード会社によっては増額返済や臨時返済が可能です。
一方、毎月5万円に下げなければ生活費が不足し、その後もカード利用を続けなければならない状態なら注意が必要です。リボ残高が増え続ける可能性があるため、新規利用を抑えて家計全体を確認することが優先されます。
支払期日までの支払い自体が難しい場合は、放置せずカード会社へ早めに相談することが重要です。延滞してから対応するより、支払日前に利用できる変更方法を確認したほうが選択肢を確保しやすくなります。
まとめ:2か月分をリボにしても「5万円+5万円=10万円」とは限らない
9月27万円、10月36万円の支払いをそれぞれリボへ変更して「5万円ずつ」にしたとしても、通常は9月分の5万円と10月分の5万円という別々の支払いが積み重なって、翌月が自動的に約10万円になるとは限りません。
一般的な考え方では、前月から繰り越されたリボ残高へ新しいリボ利用額が加算され、その合計残高を基に毎月の支払額が決まります。ただし元金定額・元利定額・残高スライドなど、採用されている方式によって実際の請求額は異なります。
特に合計63万円をリボ払いへ変更する場合は手数料負担も大きくなり得ます。「翌月はいくらか」だけではなく、カード会社の返済シミュレーションで毎月の請求額・完済時期・手数料総額の3点を確認してから変更することが重要です。


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