銀行でお金を借りるとき貯金額は審査に関係する?ローン審査で重視される項目を解説

貯金

銀行で住宅ローン、マイカーローン、カードローンなどを申し込むとき、「貯金が多ければ審査に通りやすいのか」「貯金がほとんどないと借りられないのか」と気になる人は少なくありません。

結論からいうと、貯金額がローン審査と全く無関係とは言い切れませんが、一般的なローンでは貯金額だけで融資の可否が決まるわけではありません。金融機関は収入、勤務状況、既存の借入れ、信用情報、希望借入額、返済負担など複数の情報を基に総合的に審査します。

さらに住宅ローンとカードローンでは審査の仕組みや確認項目が異なります。「銀行から借りる」と一括りにせず、どのローンを利用するのかによって考えることが大切です。

銀行のローン審査は貯金だけで決まらない

銀行が融資で重要視するのは、借りたお金を契約どおり返済できるかという点です。そのため現在の預金残高だけではなく、継続的な返済能力を判断するためのさまざまな情報が確認されます。

例えば給与所得者なら年収や勤務先、勤続状況などが判断材料になります。また、住宅ローンや自動車ローン、カードローン、クレジット契約など既存の債務があれば、それらを含めた返済負担も重要です。

したがって「貯金500万円なら必ず借りられる」「貯金ゼロなら必ず審査に落ちる」といった単純な基準ではありません。金融機関ごとに審査基準があり、その詳細は一般に公開されていません。

貯金が多いことがプラス材料になるケースもある

一方で、預貯金などの資産状況が意味を持つローンもあります。代表例が住宅ローンです。国土交通省が実施している民間住宅ローンの実態調査では、金融機関が融資審査で考慮する項目として年収、勤続年数、返済負担率、担保評価などさまざまな項目が調査されています。[参照:国土交通省 民間住宅ローンの実態に関する調査]

住宅購入では自己資金を多く用意すれば借入額を減らせます。例えば4,000万円の住宅に対して4,000万円を借りる場合と、自己資金1,000万円を用意して3,000万円を借りる場合では、後者は借入額そのものが小さくなります。

ただし、預金をすべて頭金に入れることが最善とは限りません。住宅購入後には引っ越し、家具・家電、税金、修繕などの支出もあります。生活予備資金を残したうえで自己資金を決めることが重要です。

カードローンでは貯金より収入や信用情報などが重要になる

無担保のカードローンでは、申込者の返済能力を確認したうえで利用限度額などが審査されます。「同じ銀行に100万円預けているから100万円借りられる」という仕組みではありません。

また銀行などは必要に応じて信用情報機関に登録された情報を確認します。全国銀行個人信用情報センターでは、ローンやクレジットカード等に関する契約内容や返済状況などの個人信用情報を登録しています。[参照:全国銀行個人信用情報センター]

そのため、貯金があっても既存借入れが多い、返済状況に問題があるなどの場合には審査へ影響する可能性があります。逆に多額の貯金がなくても、安定した収入があり、希望借入額が無理のない範囲で、その他の審査条件を満たしていれば融資を受けられる可能性があります。

銀行は自分の他行預金を全部把握しているわけではない

「銀行なら自分が持っているすべての預金を調べられるのでは」と考えることがありますが、通常、ある銀行が別の銀行にある預金残高を自由に閲覧できるわけではありません。

例えばA銀行へローンを申し込んだからといって、A銀行が本人のB銀行・C銀行の普通預金残高を自動的に一覧表示できるという仕組みではありません。ローンによって資産に関する申告や資料提出を求められた場合には、それに基づいて確認されます。

一方、申し込む銀行自身に預金口座を持っている場合は、その銀行との既存取引があります。ただし、その取引状況を具体的にどのように審査へ反映するかは金融機関や商品によって異なるため、「給与振込口座だから必ず審査に有利」などと断定することはできません。

貯金より注意したい「借入残高」と「毎月の返済額」

ローンを申し込む前には、貯金額だけを見るのではなく、現在抱えている債務を整理することが重要です。自動車ローン、カードローン、住宅ローン、クレジットの分割払いなどがあれば、毎月いくら返済しているのかを把握しましょう。

例えば年収500万円で貯金300万円ある人でも、複数のローンを抱えて毎月の返済額が大きければ、新たな借入れによって家計が苦しくなる可能性があります。一方、貯金100万円でも借金がなく、収入に対して希望借入額が小さい人では状況が異なります。

銀行側の審査に通るかだけではなく、借りた後も無理なく返済できるかを自分でも確認することが大切です。審査に通った金額と、家計として安全に借りられる金額は必ずしも同じではありません。

信用情報には何が登録されている?

個人信用情報には、預金残高そのものではなく、ローンやクレジットなど信用取引に関する情報が登録されています。全国銀行個人信用情報センターでは、取引情報についてローンやクレジットカード等の契約内容とその返済状況などを登録すると説明しています。

信用情報機関には全国銀行個人信用情報センターのほか、CICやJICCがあります。それぞれ加盟する金融機関・貸金業者・クレジット会社などから情報が登録され、一定の仕組みで情報交流も行われています。[参照:CIC 信用情報について]

自分の信用情報が気になる場合は、本人が情報開示を申し込む制度もあります。過去の支払いについて不安があるからといって推測だけで判断するより、必要であれば正式な開示制度を利用して確認する方法があります。

「貯金があるなら借りずに使ったほうがいい」とも限らない

例えば300万円の車を購入するとき、貯金が400万円あるからといって300万円をすべて現金で支払い、手元資金を100万円まで減らすことが必ず正解とは限りません。病気、失業、家電の故障など予期しない支出へ対応できる資金も必要だからです。

一方、十分な預金があるのに高い金利で借りれば、その分だけ利息負担が発生します。現金購入、頭金+ローン、全額ローンのどれが適切かは、金利、返済期間、手元に残す資金、今後の支出予定などを比較して決める必要があります。

例えば「貯金300万円、購入価格200万円」というケースでも、200万円を現金で払うか、100万円だけ頭金にして残りを借りるかは、生活費や収入の安定性によって適切な判断が変わります。

ローン申込み前に確認したいポイント

銀行から借りることを考えているなら、預金額だけを増やそうとするより、家計全体を整理しておくほうが実用的です。

  • 年収と毎月の手取り収入
  • 勤務状況
  • 現在のローン・クレジット残高
  • 毎月の返済額
  • 過去の返済・支払い状況
  • 希望する借入額と返済期間
  • 毎月無理なく返済できる金額
  • 借入後にも残しておく生活予備資金

また申込書では、金融機関から求められた内容を正確に申告することが基本です。審査を有利にしようとして既存借入れや収入などを事実と異なる内容で申告するのは避けるべきです。

まとめ:貯金額は全く無関係とはいえないが、それだけで審査は決まらない

銀行でお金を借りる場合、貯金額が全く関係ないとは言い切れませんが、「貯金が多ければ審査に通る」「少なければ借りられない」という単純なものでもありません。住宅ローンでは自己資金や資産状況が意味を持つ場面がありますが、ローン審査では収入、返済負担、既存債務、信用情報などさまざまな要素が総合的に判断されます。

また、銀行の審査に通ることと、安全に返済できることは別問題です。貯金をすべて使って借入額を減らすと緊急時の資金がなくなり、反対に必要以上に借りれば利息負担が増えます。

ローンを検討するときは「貯金がいくらなら借りられるか」だけではなく、現在の収入・債務・毎月の返済余力と、借入後に残る預金まで含めて判断することが重要です。最終的な審査基準は金融機関やローン商品ごとに異なるため、具体的な申込条件については利用予定の銀行の商品説明や窓口で確認しましょう。

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