親の扶養に入っている状態で就職する場合、「健康保険の扶養から外れるタイミング」と「税金上の扶養がどうなるのか」は別々に考える必要があります。特に年の途中で正社員として働き始めるケースでは、健康保険と税金の判定基準が異なるため混乱しやすいポイントです。
この記事では、税制上の扶養と健康保険上の扶養の違い、年の途中で就職した場合の考え方、翌年以降に必要になる手続きについて分かりやすく解説します。
税制上の扶養と健康保険上の扶養は判断基準が違う
扶養には大きく分けて「税制上の扶養」と「健康保険上の扶養」があります。この2つは名前が似ていますが、制度の目的や判定方法が異なります。
健康保険上の扶養は、病気やケガをした際の医療保険に関する制度です。一方、税制上の扶養は所得税や住民税を計算するときに、親が扶養控除などの対象になるかを判断する制度です。
そのため、就職して勤務先の社会保険へ加入した場合、健康保険では親の扶養から外れることになりますが、税金上の扶養についてはその年の所得状況によって判断されます。
健康保険の扶養は就職して社会保険に加入すると外れる
正社員として勤務を開始し、勤務先の健康保険や厚生年金などの社会保険へ加入する場合、親の健康保険の扶養から外れる手続きが必要になります。
健康保険の扶養では、一般的に今後の収入見込みを基準に判断されます。そのため、8月から正社員として毎月給与を受け取る予定であれば、入社時点で親の扶養から外れるケースが一般的です。
例えば、8月から月給25万円で働く場合、年間収入は途中からでも一定額を超える見込みになるため、健康保険では扶養対象とはなりません。
税制上の扶養は1月から12月までの所得で判断する
税制上の扶養は、健康保険とは違い、その年の1月1日から12月31日までの所得によって判断されます。
つまり、8月から働き始めた場合でも、税金の判定では8月から12月までに得た給与だけではなく、その年1年間の給与収入全体を基準に考えます。
例えば、1月から7月まで収入がなく、8月から12月までの給与収入が扶養の基準内であれば、その年については親が税制上の扶養控除などを受けられる可能性があります。
扶養の年収条件は制度改正で変わるため注意が必要
税制上の扶養については、近年の税制改正によって給与収入の基準額が変更されています。そのため、「103万円」「123万円」「136万円」など複数の数字を目にすることがあります。
実際の判定では、給与収入だけを見るのではなく、給与所得控除後の所得金額や、扶養する側・される側の年齢なども関係します。
そのため、自分の場合に親の扶養控除の対象になるかを確認する際は、勤務先の年末調整担当者や税務署、国税庁の最新情報を確認することが大切です。
翌年から扶養を外れる場合に必要な手続き
翌年以降、年間の給与収入が扶養の基準を超える場合、親側では年末調整や確定申告で扶養親族の変更を行う必要があります。
会社員の親であれば、勤務先へ提出する扶養控除等申告書などの書類で扶養状況を変更することが一般的です。
一方、本人については、正社員として勤務する場合は会社側で社会保険加入や年末調整などの手続きを行うため、基本的には勤務先から案内される手順に従えば問題ありません。
年の途中で就職するときに確認しておきたいポイント
年の途中で学生から社会人になる場合は、健康保険、税金、年金についてそれぞれ確認することが重要です。
特に確認したいポイントは、入社日、社会保険加入日、その年の給与収入見込み、親の会社への扶養変更手続きです。
例えば、8月入社の場合、健康保険は8月から勤務先の制度へ切り替わりますが、税制上の扶養については12月までの所得状況を見て年末に判断されるため、タイミングが異なります。
まとめ
税制上の扶養と健康保険上の扶養は、同じ「扶養」という言葉を使いますが、まったく別の制度です。
正社員として勤務を開始して勤務先の社会保険へ加入する場合、健康保険では親の扶養から外れることになります。一方で税制上の扶養は、その年の1月から12月までの所得によって判断されるため、年の途中で就職した場合でも扶養対象になる可能性があります。
就職時には健康保険、税金、年金の手続きをそれぞれ分けて確認し、親や勤務先の担当部署に相談しながら進めることで、手続き漏れを防ぐことができます。


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