付加年金は、第1号被保険者が月額400円の付加保険料を納めることで、将来の老齢基礎年金に上乗せして受け取れる制度です。少額の負担で大きな効果が期待できる一方で、繰下げ受給や繰上げ受給をした場合に付加年金の金額がどう変化するのか、仕組みが分かりにくいと感じる人も少なくありません。
付加年金の基本的な仕組みとは
付加年金は、国民年金の第1号被保険者や任意加入被保険者が利用できる制度で、通常の国民年金保険料に加えて月額400円の付加保険料を支払います。
将来受け取れる付加年金額は「200円×付加保険料を納めた月数」で計算されます。例えば10年間(120か月)付加保険料を納めた場合、毎年受け取れる付加年金額は2万4000円になります。
付加保険料の支払総額は10年間で400円×120か月=4万8000円ですが、年間2万4000円が一生涯受け取れるため、2年間受給すると元が取れる計算になります。
付加年金は繰下げ受給すると増額されるのか
付加年金は、老齢基礎年金と同じタイミングで繰下げ受給を選択できます。老齢基礎年金を65歳より後に受け取る場合、付加年金も同様に増額されます。
繰下げ受給では、通常1か月あたり0.7%ずつ年金額が増額されます。そのため、70歳まで繰下げると42%、75歳まで繰下げると84%増額された金額を受け取ることになります。
例えば付加年金が年間2万4000円の場合、70歳まで繰下げると年間3万4080円、75歳まで繰下げると年間4万4160円になります。この増額は一生涯続きます。
付加年金を繰上げ受給すると減額されるのか
一方で、老齢基礎年金を60歳から64歳の間に繰上げ受給する場合、付加年金も同時に減額されます。
繰上げ受給では1か月早めるごとに年金額が減額され、その減額率は生涯続きます。つまり、付加年金だけを通常額で受け取り、老齢基礎年金だけを減らすという選択はできません。
例えば60歳から受給を開始すると、老齢基礎年金だけでなく付加年金も減額された金額になります。短期間の資金確保には役立つ場合がありますが、長生きした場合には受給総額で不利になる可能性もあります。
月400円を貯金するより付加年金が有利と言われる理由
月400円を自分で貯金した場合、10年間で4万8000円になります。しかし付加年金では、同じ4万8000円の負担で毎年2万4000円を受け取れる仕組みになります。
単純計算では約2年間受給すれば支払った金額を回収でき、その後は長く生きるほど受給総額が増える可能性があります。そのため、国民年金に加入している自営業者やフリーランスなどには非常に魅力的な制度とされています。
ただし、付加年金は国民年金基金に加入している場合など利用できないケースがあります。また、老齢基礎年金を受給できることが前提となるため、自分の加入状況を確認しておくことが大切です。
付加年金を利用するときに注意したいポイント
付加年金は少ない負担で将来の年金額を増やせる制度ですが、すべての人に最適とは限りません。例えば会社員になって厚生年金へ加入する場合、第1号被保険者ではなくなるため付加保険料を納め続けることはできません。
また、年金制度は将来変更される可能性もあります。そのため、付加年金だけで老後資金を準備するのではなく、預貯金や投資などと組み合わせて考えることが重要です。
老後資金の準備では、毎月の少額な負担で確実に受給額を増やす方法と、資産運用によって増やす方法にはそれぞれ特徴があります。自分の働き方や老後の生活設計に合わせて選ぶことが大切です。
まとめ
付加年金は月額400円の負担で、将来の老齢基礎年金に上乗せできる非常に効率の良い制度です。
繰下げ受給を選択した場合は付加年金も増額され、繰上げ受給を選択した場合は付加年金も減額されます。付加年金だけを別扱いにすることはできません。
制度の特徴を理解したうえで、自分の受給開始時期や老後資金の計画に合わせて利用することで、より効果的な年金準備につなげることができます。


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