親子や夫婦など家族間でお金を貸し借りする場面では、「贈与と判断されて税金がかかるのではないか」と不安になる人も少なくありません。特に定期預金の満期待ちなど、一時的な資金移動を目的とした立て替えでは、どのように扱われるのか気になるところです。この記事では、家族間のお金の貸し借りが贈与とみなされるケースや、疑われないために準備しておきたい証拠について解説します。
家族間のお金の貸し借りでも贈与税が関係する場合がある
親子や夫婦など近い関係の人同士であっても、お金を無償で渡して返済されない場合は、税務上は贈与と判断される可能性があります。
贈与とは、簡単にいうと「一方が財産を渡し、もう一方がそれを受け取ることに合意して成立するもの」です。そのため、名目上は「貸した」としていても、実際には返済される予定がない場合は贈与とみなされることがあります。
一方で、返済することが明確な一時的な貸し借りであれば、通常は贈与ではなく金銭消費貸借として扱われます。
短期間の立て替えなら贈与と判断されにくい理由
例えば、家族が定期預金の満期を迎えるまでの2週間だけ資金を立て替え、満期後に同額を返済するようなケースでは、「資金を一時的に借りた」という事情が明確であれば贈与とは異なります。
重要なのは、お金を渡した時点で「返してもらう約束」が存在しているかどうかです。返済時期や金額が明確であれば、単なる資金援助ではなく貸付として説明できます。
例えば、「9月15日に定期預金が満期になるため、その日に100万円を返済する」というように具体的な予定がある場合、資金移動の理由を説明しやすくなります。
家族間のお金の貸し借りで用意しておきたいもの
家族間では口約束だけで済ませてしまうことも多いですが、高額なお金が動く場合は簡単な書面を作成しておくと安心です。
正式な契約書でなくても、以下のような内容を記録しておくと、貸し借りであることを説明しやすくなります。
- 貸した金額
- 貸した日付
- 返済予定日
- 返済方法
- 貸主と借主の氏名
例えば、「2025年8月末に100万円を貸し、2025年9月中旬の定期預金満期後に銀行振込で返済する」といった記録を残しておけば、お金の流れが明確になります。
銀行振込を利用すると資金の流れを証明しやすい
現金で渡すよりも、銀行振込を利用したほうが貸し借りの事実を確認しやすくなります。
貸した時の振込記録、返済時の入金記録が残るため、後から見ても「一時的な貸付だった」という説明がしやすくなります。
例えば、親が子どもへ200万円を振り込み、数週間後に同額が親の口座へ戻っている場合、単なる贈与ではなく返済を伴う取引だったことを示す資料になります。
利息なしの家族間貸し借りは問題になるのか
家族間の短期間の貸し借りでは、必ず利息を設定しなければならないわけではありません。ただし、高額で長期間にわたる貸し付けの場合は、利息の有無や返済条件について確認が必要になることがあります。
一方で、数週間程度の一時的な立て替えで、返済日や返済資金の出どころが明確な場合は、通常の家族間の資金調整として説明できるケースが多いです。
大切なのは、「なぜそのお金が移動したのか」「本当に返済される予定だったのか」を第三者に説明できる状態にしておくことです。
家族間の資金移動で注意したいポイント
税務上問題になりやすいのは、貸し借りの形を取りながら実際には返済されないケースです。
例えば、親が子どもへ500万円を渡し、「いつか返してもらう」と言っているものの、返済期限も返済実績もない場合は、贈与と判断される可能性があります。
一方で、定期預金の満期までのつなぎ資金など、目的と返済予定が明確な場合は、証拠を残しておくことで不要な誤解を避けやすくなります。
まとめ|家族間の一時的な立て替えは記録を残すことが大切
親子間や夫婦間のお金の貸し借りは、必ずしも贈与税の対象になるわけではありません。返済する意思と具体的な返済計画があり、実際に返済されていれば、貸付として扱われる可能性があります。
特に定期預金の満期待ちなど短期間の立て替えであれば、資金移動の理由が明確です。ただし、高額な場合は簡単な借用書を作成し、銀行振込で記録を残しておくと安心です。
家族間だからこそ曖昧にせず、お金の流れを説明できる状態にしておくことが、贈与税などのトラブルを防ぐポイントになります。


コメント