従業員が70歳を迎える場合、厚生年金保険料の控除をいつまで行うのかは給与計算担当者が迷いやすいポイントです。特に給与の締め日と支給日がずれている会社では、誕生日を迎えた月の給与なのか、支給日基準なのか判断が必要になります。この記事では、70歳到達時の厚生年金保険料の取り扱いや、給与計算で注意すべきタイミングについて分かりやすく解説します。
70歳になると厚生年金保険料の控除はどう変わるのか
厚生年金保険料は、原則として70歳未満の従業員が対象となります。そのため、従業員が70歳に到達すると、厚生年金保険の被保険者資格を喪失し、以後の給与から厚生年金保険料を控除する必要がなくなります。
ここでいう70歳到達日は、70歳の誕生日の前日です。例えば9月15日生まれの従業員の場合、法律上の70歳到達日は9月14日となります。
この到達日を基準に資格喪失日が決まるため、給与計算では誕生日当日ではなく、誕生日の前日を確認することが重要です。
70歳到達月の厚生年金保険料は控除するのか
厚生年金保険料は、資格を喪失した日の属する月の前月分まで発生します。つまり、70歳到達月には厚生年金保険料が発生しない扱いになります。
例えば9月15日に70歳になる従業員の場合、9月14日に厚生年金の資格を喪失するため、9月分の厚生年金保険料は発生しません。8月分までが保険料の対象となります。
そのため、9月分の給与計算で厚生年金保険料を控除するかどうかは、給与の締め日ではなく、その給与が何月分の社会保険料を控除しているかによって判断します。
給与が10日締め25日払いの場合の考え方
給与計算では「給与の締め日」と「社会保険料の控除月」は別に考える必要があります。10日締め25日払いの場合でも、必ずしも9月25日の給与から厚生年金保険料を止めるとは限りません。
例えば、会社が翌月控除(前月分の社会保険料を翌月給与から控除)の方法を採用している場合、8月分の厚生年金保険料を9月25日支給給与で控除し、9月分は発生しないため10月25日支給給与から控除なしとなります。
一方で、会社が当月控除を採用している場合は処理方法が異なるため、自社の社会保険料控除のルールを確認する必要があります。
70歳到達時に給与担当者が確認するポイント
70歳到達者がいる場合は、次の点を確認して給与計算を行うとミスを防ぐことができます。
- 70歳到達日(誕生日の前日)
- 厚生年金保険の資格喪失月
- 社会保険料を当月控除しているか翌月控除しているか
- 最後に厚生年金保険料を控除する給与
また、会社側では日本年金機構へ厚生年金保険の資格喪失に関する手続きを行う必要があります。給与計算だけで判断せず、資格喪失の手続き状況も確認すると安心です。
例えば9月15日に70歳になる従業員であれば、9月分の厚生年金保険料は発生しないため、10月以降の給与では通常、厚生年金保険料の控除は行いません。ただし、控除方法によって最後に控除する給与月は変わります。
健康保険料や介護保険料は70歳以降も注意が必要
70歳になったからといって、社会保険料のすべてがなくなるわけではありません。厚生年金保険料は対象外になりますが、健康保険料は一定の条件を満たしている場合、継続して発生します。
また、40歳以上65歳未満の場合に対象となる介護保険料についても、年齢による取り扱いが異なるため注意が必要です。
給与計算では「70歳になったから社会保険料が全部なくなる」と誤解しないよう、厚生年金・健康保険・介護保険を分けて確認することが大切です。
まとめ:70歳到達者の厚生年金控除は資格喪失月と控除方法で判断する
70歳になる従業員の厚生年金保険料は、70歳到達日(誕生日の前日)によって資格喪失時期が決まります。9月15日に70歳になる場合、9月分の厚生年金保険料は発生しません。
ただし、10日締め25日払いのような給与体系では、実際にどの給与から控除を止めるかは会社の社会保険料控除方法によって変わります。
給与計算のミスを防ぐためには、従業員の70歳到達日、資格喪失月、社会保険料の控除タイミングを確認したうえで処理することが重要です。

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