労働保険の年度更新では、基礎賃金集計表の「人数カウント方法」が分かりにくく、実務で迷いやすいポイントの一つです。特に退職時期や雇用区分の扱いによって、どの月にカウントするのか判断が難しくなります。
給与の締め日や支払日がずれている企業では、さらに実態とのズレが生じやすく、誤った集計につながるケースもあります。
労働保険年度更新における人数カウントの基本ルール
労働保険年度更新では、賃金の対象期間において「雇用保険の被保険者であったか」が基本的な判断基準になります。
重要なのは「実際に働いた日」ではなく、「その月に被保険者資格を有していたかどうか」です。
また、賃金締め日や支払日ではなく、保険資格の取得・喪失日が基準になる点がポイントです。
① 雇用保険被保険者だったパートのケース
6月15日まで勤務し、その後出勤せず7月15日に退職した場合でも、雇用保険の資格喪失日が7月15日であれば、7月分は被保険者として扱われる可能性があります。
この場合、7月の在籍期間に雇用保険資格が残っているため、7月分の集計に含めるのが基本的な考え方です。
ただし、賃金の対象期間や実務運用は会社の給与体系によって異なるため、資格喪失日を必ず確認する必要があります。
② 臨時労働者だったパートのケース
3月28日まで勤務し、その後出勤がなく6月15日に退職した場合でも、雇用保険の資格がいつまで有効だったかが判断基準になります。
もし3月末で実質的に勤務が終了していても、資格喪失が6月であれば、その間は被保険者として扱われる可能性があります。
ただし「臨時労働者」としての区分は、実際の就労実態や雇用契約内容に基づいて判断されるため、単純に在籍期間だけで決めるものではありません。
給与締め日と実務上のズレに注意するポイント
15日締め・25日払いのような給与体系では、賃金の計上月と実際の労働月がずれることがあります。
しかし労働保険の集計は「支払日」ではなく「対象となる労働期間」と「雇用保険資格」で整理することが重要です。
このズレを誤ると、人数や賃金総額の集計ミスにつながるため注意が必要です。
実務でよくある誤解とチェックポイント
よくある誤解として「給与が発生した月=カウント対象月」と考えてしまうケースがあります。
しかし実務では、雇用保険の資格の有無と期間が優先されます。
そのため、退職日と資格喪失日、さらに契約上の雇用区分を必ず確認することが重要です。
まとめ
労働保険年度更新の人数カウントは、給与の支払月ではなく雇用保険の資格期間を基準に判断するのが基本です。
特に退職日と資格喪失日の関係を正しく整理することで、集計ミスを防ぐことができます。
実務では就労実態と雇用区分の両方を確認しながら、慎重に判断することが求められます。


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