会社員が相続した法人の役員になった場合の社会保険加入|二重加入や役員報酬の扱いを解説

社会保険

親から法人を相続し、不動産収入などを目的として会社を引き継いだ場合、現在勤務している会社の社会保険とは別に法人側の社会保険について確認が必要になることがあります。特に会社員として勤務しながら法人の役員報酬を受け取っているケースでは、健康保険や厚生年金の扱いが分かりにくいため注意が必要です。この記事では、会社員と法人役員を兼ねる場合の社会保険の考え方や手続きのポイントについて解説します。

法人の役員になると社会保険加入が必要になる理由

株式会社などの法人は、原則として社会保険の適用事業所になります。そのため、法人から役員報酬を受け取っている役員は、一般的に健康保険や厚生年金の加入対象となる可能性があります。

例えば、親から相続した法人が賃貸物件を所有しており、毎月家賃収入が入っているだけの場合でも、法人の役員として報酬を受け取っている場合は、単なる資産管理ではなく役員としての報酬が発生していると判断されます。

そのため、年金事務所から社会保険加入に関する確認や来所通知が届くことがあります。これは加入漏れがないかを確認するための手続きであり、必ずしも問題が発生しているという意味ではありません。

会社員として社会保険に加入している場合はどうなるのか

会社員として勤務先の健康保険や厚生年金に加入している場合でも、別の法人で役員報酬を受け取っていると、社会保険の取り扱いが問題になることがあります。

一般的には、複数の事業所で社会保険の加入条件を満たす場合、「二以上事業所勤務」の手続きが必要になるケースがあります。この場合、加入している健康保険や厚生年金が二重に別々で発生するというより、複数の給与や報酬を合算して保険料が決まる仕組みになります。

例えば、勤務先から給与を受け取りながら、相続した法人から役員報酬も受け取っている場合、それぞれの報酬額を基準に標準報酬月額が決定され、保険料が按分されることがあります。

法人側で社会保険料を別に支払う必要があるのか

法人の社会保険加入手続きを行った場合、法人側でも健康保険料や厚生年金保険料の負担が発生する可能性があります。ただし、会社員として加入している社会保険とは別に、単純に2倍の保険料を払うという仕組みではありません。

複数の勤務先や法人で報酬を得ている場合は、日本年金機構へ「二以上事業所勤務届」などの手続きを行い、保険料の計算方法を決める必要があります。

例えば、会社員として月給を受け取っている人が、相続した法人から月数万円の役員報酬を受け取っている場合でも、法人側の報酬を無視してよいとは限りません。状況に応じた届け出が必要になります。

役員報酬が少額でも社会保険の対象になるのか

役員報酬の金額が少ない場合でも、法人役員であること自体が社会保険加入判断の対象になることがあります。一般社員のように勤務時間だけで判断されない点が役員の特徴です。

例えば、不動産管理会社の代表取締役として毎月少額の報酬を受け取っている場合、実際の業務量が少なくても社会保険上の取り扱いを確認する必要があります。

一方で、役員報酬を設定していない場合や法人の状況によっては扱いが異なることもあるため、会社の役員形態や報酬設定を整理して確認することが大切です。

年金事務所から通知が来た場合の対応方法

年金事務所から来所通知書が届いた場合は、放置せず、法人の状況や現在の社会保険加入状況を説明できる資料を準備して相談することが重要です。

準備するものとしては、法人の登記情報、役員報酬の状況、現在勤務している会社の社会保険加入状況、給与明細などが挙げられます。

担当者へ「現在は会社員として社会保険に加入しているが、相続した法人から役員報酬がある」という事情を説明することで、必要な手続きについて案内を受けることができます。

まとめ

会社員として働きながら、相続した法人の役員となり役員報酬を受け取る場合、現在加入している社会保険だけで問題ないとは限りません。

法人役員は社会保険加入の対象となる可能性があり、複数の事業所で報酬を得る場合は二以上事業所勤務の手続きが必要になることがあります。

年金事務所から通知が届いた場合は、法人の規模や役員報酬額、現在の勤務先での加入状況によって対応が変わるため、自己判断で放置せず、年金事務所や社会保険労務士などの専門家へ確認することが安心につながります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました