給与が前月より大きく減ったにもかかわらず、健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料が同じ金額で控除されていると、「計算が間違っているのでは」と疑問に感じる方も少なくありません。
しかし、社会保険料は毎月の給与額にそのまま連動して変わる仕組みではなく、一定の基準となる報酬額をもとに決められています。この記事では、給与が減った月でも社会保険料が変わらない理由や、変更されるタイミング、高齢者で厚生年金を受給しながら働く場合の注意点について解説します。
社会保険料は毎月の給与額で計算されるわけではない
健康保険料や厚生年金保険料は、毎月の給料額をその都度計算して決める仕組みではありません。「標準報酬月額」という区分を利用して保険料が決定されます。
標準報酬月額とは、基本給や手当などの給与を一定の幅ごとに区分したもので、例えば給与が25万円の人と24万円台の人が同じ区分になる場合があります。
そのため、ある月だけ残業が減ったり、有給休暇の取得状況によって給与が少なくなったりしても、すぐに社会保険料が変更されるわけではありません。
給与が15万円になっても保険料が同じ場合がある理由
例えば、6月の給与が25万円、7月の給与が15万円だった場合でも、7月の給与だけを見て社会保険料を計算し直すことは通常ありません。
社会保険料が変更される代表的なケースは、固定的賃金が変わった場合に行われる「随時改定」や、毎年決まった時期に給与を確認する「定時決定」です。
つまり、今回のように有給休暇を使い切ったことで一時的に勤務日数が減り給与が下がった場合は、すぐに保険料が下がらない可能性があります。
社会保険料が変更されるタイミングとは
社会保険料が見直される主なタイミングには、以下のようなものがあります。
- 毎年の算定基礎届による定時決定
- 給与の固定的賃金が変わった場合の随時改定
- 退職や資格喪失などの手続き時
定時決定では、毎年4月・5月・6月の給与をもとに、その年の9月以降の標準報酬月額が決められます。
一方、随時改定では、基本給の変更や手当の変更など、継続的な給与変動が条件になります。一時的な欠勤や有給消化による給与減少だけでは対象にならない場合があります。
厚生年金を受給しながら働く場合の社会保険料
厚生年金を受給している高齢者であっても、一定の条件を満たして会社で働いている場合は厚生年金保険料を負担することがあります。
これは「年金をもらっているから保険料が不要」という仕組みではなく、在職中の給与に応じて厚生年金制度へ加入するためです。
また、給与と厚生年金の合計額によっては「在職老齢年金」という制度により、受給している年金額が調整される場合もあります。
会社の規模が小さい場合でも社会保険の扱いは同じ
社員数が少ない会社であっても、社会保険に加入している場合は法律で定められた計算方法に基づいて保険料が決まります。
社員が2人程度の小規模な会社であっても、会社独自の判断で毎月の給与に合わせて自由に保険料を変更することはできません。
もし給与明細を見て疑問がある場合は、会社の給与担当者に「標準報酬月額はいくらで計算されていますか」と確認すると、理由を把握しやすくなります。
給与が大きく変わった場合に確認したいこと
一時的な給与減少ではなく、今後も勤務日数を減らして給与が継続的に下がる場合は、社会保険料の見直し対象になる可能性があります。
例えば、勤務時間を短縮して契約内容そのものが変更された場合や、基本給が変更された場合などは、標準報酬月額が変更されることがあります。
自分の保険料が適切か確認したい場合は、会社だけでなく日本年金機構の年金事務所でも相談できます。
まとめ|給与が減っても社会保険料がすぐ変わらないのは正常な場合が多い
給与が25万円から15万円に減ったにもかかわらず、社会保険料や厚生年金保険料が同じ金額で控除されるケースは珍しくありません。
社会保険料は毎月の給与額ではなく、標準報酬月額をもとに決定されるため、一時的な勤務日数減少や有給消化による給与変動ではすぐに変更されないことがあります。
ただし、今後も給与水準が大きく変わる場合や、計算内容に不明点がある場合は、給与明細の確認や会社、日本年金機構への相談を行い、自分の加入状況を確認することが大切です。

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