転職や退職を経験した年は、複数の会社から給与を受け取ることがあり、「現在の勤務先でまとめて確定申告するのか」「途中で退職した会社の分はどう扱うのか」と迷う方が少なくありません。特に短期間だけ勤務した会社から『確定申告は不要』と言われた場合、その意味が分からず不安になることもあります。この記事では、複数の勤務先がある場合の確定申告の考え方や、源泉徴収票の扱いについて分かりやすく解説します。
複数の会社で働いた場合の基本的な税金の考え方
会社員の場合、通常は勤務先が年末調整を行うことで所得税の精算が完了します。しかし、1年間に複数の会社から給与を受け取った場合は、それぞれの給与を合算して税額を計算する必要があります。
例えば、1年間の間にA社、B社、C社で勤務した場合、最終的にその年の給与収入は3社分を合計して考えます。
そのため、基本的には退職した会社から発行される源泉徴収票を、現在の勤務先へ提出し、年末調整で合算してもらう流れになります。
現在の勤務先で年末調整できるケース
現在の会社に年末まで在籍している場合、過去の勤務先の源泉徴収票を提出すれば、現在の勤務先でまとめて年末調整をしてもらえることがあります。
例えば、2026年4月から現在の会社で働いていて、それ以前に2026年中に別の会社で給与を受け取っていた場合、前職の源泉徴収票を提出することで対応できる可能性があります。
ただし、前職分の源泉徴収票がない場合や、会社側で年末調整の対象にできない事情がある場合は、自分で確定申告をする必要があります。
短期間で退職した会社が「確定申告不要」と言う理由
数週間程度しか勤務していない会社から「確定申告は不要」と言われるケースがありますが、これは必ずしも「その会社の給与を税金計算から除外してよい」という意味ではありません。
会社側が伝えているのは、「その会社では年末調整を行わないため、本人の状況によって判断してください」という意味である場合があります。
例えば、2週間だけ勤務した会社でも給与が支払われ、源泉徴収票が発行されている場合、その給与は原則として年間所得の計算に含めます。
3社分の給与を確定申告する場合の流れ
複数の会社から給与を受け取った場合、まず各勤務先から源泉徴収票を受け取ります。
確定申告をする場合は、以下のような流れになります。
- 勤務したすべての会社から源泉徴収票を集める
- 給与収入や源泉徴収税額を合計する
- 確定申告書を作成する
- 税務署へ提出する
例えば、2024年4月から2026年2月までの会社、2026年3月だけ勤務した会社、2026年4月以降の現在の会社というように勤務期間が分かれている場合でも、同じ年の給与であれば、その年分の税金計算では合算して考えます。
確定申告が必要になる代表的なケース
会社員でも、以下のような場合には確定申告が必要になることがあります。
- 年末調整を受けていない給与がある
- 複数の勤務先から給与を受け取った
- 退職後に再就職せず年末を迎えた
- 副業など給与以外の所得がある
一方で、現在の勤務先で前職分を含めて年末調整が完了している場合など、確定申告が不要になるケースもあります。
重要なのは「退職した期間が短いから不要」という判断ではなく、その年の給与全体が正しく精算されているかどうかです。
源泉徴収票がない場合の対応方法
退職した会社から源泉徴収票が届かない場合は、まず勤務先へ発行を依頼します。
源泉徴収票は給与所得を証明する重要な書類であり、確定申告や年末調整で必要になります。
会社に依頼しても発行されない場合は、税務署へ相談することで対応方法を案内してもらえます。
まとめ|複数の会社で働いた年は給与全体で考えることが大切
転職や短期間の退職によって複数の会社から給与を受け取った場合、その年の給与は基本的にすべて合算して税金を計算します。
現在の勤務先で年末調整できる場合もありますが、源泉徴収票が揃っていない場合や年末調整できない事情がある場合は、自分で確定申告を行う必要があります。
「確定申告不要」と言われた場合でも、その意味を確認し、すべての給与が正しく処理されているかを確認することが大切です。複数の勤務先がある年は、まず源泉徴収票を集めて全体の状況を把握すると安心です。


コメント