商工中金の定期預金「3年1.75%」はどう?安全性・条件・他行との比較と選び方を解説

貯金

預金金利の上昇を受け、定期預金を資産運用の選択肢として改めて検討する人が増えています。その中でも2026年8月現在、商工中金が実施している定期預金キャンペーンの3年もの年1.75%は目を引く水準です。

「商工中金を使ったことがないけれど大丈夫なのか」「年1.75%なら預ける価値があるのか」「もっと条件のよい銀行はないのか」と気になるところですが、判断するときは金利だけでなく、キャンペーン条件、中途解約、預金保険、資金を固定する期間まで確認することが重要です。

ここでは2026年8月30日時点で確認できる公式情報を基に、商工中金の定期預金の特徴と安全性、他の定期預金との比較、預入期間の考え方を整理します。

商工中金の3年1.75%は本当にある?

商工中金では2026年7月1日から10月30日15時まで定期預金キャンペーンを実施しており、2026年8月13日から一部のキャンペーン金利が引き上げられました。対象となる定期預金「マイハーベスト」をインターネットバンキングで1口50万円以上預け入れる場合、3年ものが年1.75%となっています。税引後の表示は年1.394%です。[参照] 商工中金「定期預金キャンペーン」

同キャンペーンでは、1年ものが年1.10%、2年ものが年1.40%、3年ものが年1.75%です。そのため、3年間使う予定のない資金を預けるのであれば、3年ものの金利はかなり魅力的です。

ただし、これは通常の店頭表示金利ではありません。商工中金の「マイハーベスト」の通常金利は、2026年8月17日時点で1年0.550%、2年0.600%、3年0.700%です。つまり1.75%はキャンペーン条件を満たした場合の優遇金利であることを理解しておく必要があります。[参照] 商工中金「定期預金」

商工中金とは?初めて利用する場合に知っておきたいこと

商工中金の正式名称は「株式会社商工組合中央金庫」です。一般的な都市銀行やネット銀行とは成り立ちが異なり、中小企業への金融を中心的な役割としてきた金融機関ですが、個人向けにも定期預金などの商品を提供しています。

名前に「銀行」が入っていないため、初めて見ると「ここに個人のお金を預けて大丈夫なのだろうか」と感じるかもしれません。しかし、個人向け定期預金について重要なのは名称ではなく、預金保険制度の対象になるかどうかです。

金融庁は預金保険制度の対象金融機関として、銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫などとともに商工組合中央金庫を明記しています。したがって、対象となる円定期預金については一般の銀行と同じように預金保険制度による保護を受けられます。[参照] 金融庁「金融サービス利用者相談室」

商工中金の定期預金はペイオフの対象

商工中金自身も、利息の付く普通預金や定期預金などについて、預金保険制度の対象であることを案内しています。一般預金等は、預金者1人につき1金融機関ごとに合算して元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。[参照] 商工中金「預金保険制度について」

これは商工中金だけの特別な仕組みではありません。金融庁も、定期預金や利息の付く普通預金などについて、1金融機関ごとに預金者1人当たり元本1,000万円までとその利息等が保護されると説明しています。[参照] 金融庁「預金保険制度」

例えば商工中金に普通預金200万円と定期預金800万円を同一名義で保有していれば、預金保険上は合算して考えます。「口座ごとに1,000万円」「支店ごとに1,000万円」ではない点には注意が必要です。

年1.75%なら3年間で利息はいくらになる?

定期預金の金利は通常「年率」で表示されています。そのため「3年1.75%」は3年間合計で1.75%という意味ではなく、年1.75%という意味です。ただし実際の利息計算は商品の複利方法や税金によって変わるため、単純に元本×1.75%×3だけで最終受取額を断定することはできません。

また預金利息には原則として20.315%の税金がかかります。商工中金も今回の3年ものについて、年1.75%に対して税引後年1.394%と表示しています。

例えば500万円を預ける場合、税引前ベースで1年間の1.75%は87,500円に相当します。実際の満期受取利息は半年複利や税計算の影響を受けるため、申込時には商工中金の商品説明や利息計算を確認するのが確実です。

最大の注意点は「3年間固定してよいお金か」

年1.75%という数字だけを見ると3年ものを選びたくなりますが、定期預金では金利以上に重要なのが預入期間です。3年以内に住宅購入、車の買い替え、教育費、医療費などで使う可能性があるお金まで定期預金に入れるのは慎重に考える必要があります。

商工中金のキャンペーンページでも、キャンペーン定期を中途解約すると、その時点まで優遇金利がそのまま適用されるわけではなく、所定の中途解約利率が適用されることが案内されています。

「金利が高いから3年を選ぶ」のではなく、「3年間使わなくても困らない資金だから3年を選ぶ」という順番で考えることが大切です。

今後さらに金利が上がる可能性も考えておく

固定金利の定期預金には、預け入れ時の金利を満期まで確保できるメリットがあります。一方で、預け入れた後に市場金利や他行の定期預金金利がさらに上昇しても、原則として既存の定期預金の適用金利は変わりません。

例えば年1.75%で3年間固定した半年後に、別の銀行で3年もの年2.0%の商品が登場したとしても、既存の定期を解約して移し替えれば中途解約利率の問題が生じます。将来の金利がどうなるかは確実には予測できないため、これを「機会損失」として考えておく必要があります。

反対に今後金利が低下すれば、3年間1.75%を固定できたことが有利に働きます。固定金利の定期預金は、この金利変動リスクを銀行ではなく預金者側も一定程度受け入れる商品だと考えると分かりやすいでしょう。

全額を3年ものに入れず「期間を分ける」方法もある

将来の金利上昇と資金拘束の両方が気になる場合は、預金を一度に3年ものへ集中させない方法があります。いわゆる期間分散です。

例えば600万円の余裕資金がある場合、200万円を1年、200万円を2年、200万円を3年というように分ければ、毎年一部が満期を迎えます。満期時点で金利が上昇していれば新しい高金利商品へ預け直すことができます。

別の方法として、300万円を3年定期にし、残り300万円を普通預金や短期定期で待機させる考え方もあります。最高金利を追求するというより、流動性と金利を両立させる方法です。

他の候補ならオリックス銀行の定期預金も比較しやすい

2026年8月時点で比較候補の一つになるのがオリックス銀行です。eダイレクト定期預金は2026年8月17日現在、1年もの年1.25%、2年もの年1.30%、3年もの年1.35%、5年もの年1.40%、7年もの年1.45%となっています。通常金利同士で見ると高水準ですが、3年については商工中金のキャンペーン年1.75%のほうが高くなっています。[参照] オリックス銀行「eダイレクト預金」

一方、オリックス銀行では新規口座開設者限定の優遇金利プログラムもあり、2026年8月3日時点では1年年1.65%、2年年1.70%、5年年1.75%が案内されています。口座開設日から翌々月末日までという条件があるため、単純な通常金利比較とは分けて考える必要があります。[参照] オリックス銀行「新規口座開設者限定 優遇金利プログラム」

つまり「3年間固定して高い金利を取りたい」なら現在の商工中金は有力候補ですが、「1~2年程度にして次の金利上昇を待ちたい」「5年間使わない資金がある」といった条件なら別の商品が候補になります。

商工中金とオリックス銀行を比較

比較項目 商工中金キャンペーン オリックス銀行eダイレクト通常金利
1年 年1.10% 年1.25%
2年 年1.40% 年1.30%
3年 年1.75% 年1.35%
主な条件 キャンペーン期間中、ネットバンキングで1口50万円以上など eダイレクト定期は100万円以上など

この比較は2026年8月時点の条件です。銀行の預金金利やキャンペーンは頻繁に変更されるため、数週間後には順位が変わっている可能性があります。

またオリックス銀行の新規口座開設者限定優遇プログラムは通常金利とは別枠なので、新規利用者ならこちらも確認する価値があります。単純な「銀行ランキング」より、自分が利用できるキャンペーンを比較したほうが実際の利回りを判断しやすくなります。

「おすすめの定期預金」は金利だけでは決められない

定期預金を比較するときは、年利だけを並べるのではなく、最低預入金額、キャンペーン対象者、預入期間、中途解約利率、口座開設条件、預金保険の対象かどうかを確認します。

特に「年2%」など非常に高い数字を見つけた場合は、それが本当に円定期預金なのか確認することが重要です。外貨預金、仕組預金、金銭信託、債券などは、定期預金とはリスクや預金保険の扱いが異なる場合があります。表面上の利率だけで同じ商品として比較するべきではありません。

安全性を最優先するなら、預金保険対象の円預金で、1金融機関当たり元本1,000万円以内を一つの目安に分散する方法が分かりやすいでしょう。

商工中金3年1.75%が向いている人

商工中金のキャンペーン3年ものは、元本価格の変動を避けたい、3年間使う予定のない余裕資金がある、投資信託や株式の値動きを取りたくない、といった人との相性が良い商品です。

反対に、生活防衛資金まで預けようとしている人、数年以内に大きな支出がある人、今後さらに金利が上がった場合にすぐ預け替えたい人には、全額を3年固定する方法は必ずしも向いていません。

また1,000万円を超える資金を安全性重視で運用するなら、預金保険制度の保護範囲を意識し、複数の対象金融機関へ分散する方法も検討できます。

まとめ|商工中金の3年1.75%は有力候補。ただし「期間」と「キャンペーン条件」を確認

2026年8月30日時点では、商工中金の定期預金キャンペーンで3年もの年1.75%(税引後年1.394%)が提供されています。通常の店頭表示金利ではなく、期間限定キャンペーンとして設定された金利です。

商工中金は預金保険制度の対象金融機関で、対象となる定期預金は他の対象金融機関の一般預金と同様、1金融機関につき預金者1人当たり元本1,000万円までとその利息等が保護されます。「商工中金を使ったことがない」という理由だけで安全性を過度に心配する必要はありません。

一方、3年ものを選ぶ最大の注意点は資金拘束です。途中で使う可能性がある資金なら、1年・2年・3年へ分散したり、一部を普通預金に残したりする方法があります。

現在の条件だけなら、3年間使わない円資金を元本変動なしで運用したい人にとって商工中金の年1.75%は十分比較対象になる水準です。ただし金利環境は変化しているため、実際に預ける直前に商工中金とネット銀行など2~3行の最新金利を再確認してから決めるのが合理的です。

※本記事の金利・キャンペーン情報は2026年8月30日時点で各金融機関の公式サイトから確認した内容です。キャンペーン金利や条件は変更・終了する場合があります。本記事は特定の金融商品の購入・契約を推奨するものではありません。

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