傷病による欠勤や休職を経て退職した場合、失業保険(雇用保険の基本手当)の金額がどのように計算されるのか分かりにくいことがあります。特に退職前6か月間に給与が支払われていない場合、「賃金ゼロで計算されるのではないか」と不安になる人も少なくありません。
この記事では、傷病欠勤や休職期間がある場合の離職時賃金日額の考え方、通常の給与期間までさかのぼる仕組み、そして計算時に登場する0.7という数字の意味について分かりやすく解説します。
失業保険の基本手当は離職時賃金日額をもとに計算される
失業保険で受け取る基本手当日額は、退職前の給与をもとに算出される離職時賃金日額を基準に決まります。
離職時賃金日額とは、簡単にいうと退職前の一定期間に支払われた賃金を1日あたりに換算した金額です。この金額を基準として、年齢などに応じた給付率をかけて基本手当日額が決定されます。
そのため、退職直前に給与が支給されていなかった場合でも、必ずしも賃金ゼロとして扱われるわけではありません。
傷病欠勤や休職期間がある場合は計算対象期間から除外される
雇用保険の賃金日額を計算する際には、原則として離職前6か月間の賃金を使用します。しかし、病気やけがによる休職などで賃金が支払われていない期間については、通常の給与があった期間を基準に計算する取り扱いがあります。
これは、本人の意思とは関係なく病気やけがによって給与が減少した人が、不利な計算にならないようにするためです。
例えば、退職前6か月がすべて無給の休職期間だった場合でも、その前に通常勤務して給与を受け取っていた期間までさかのぼり、賃金計算を行うことがあります。
離職時賃金日額に出てくる0.7の意味とは
ハローワークで説明されることがある「0.7をかける」という数字は、離職時賃金日額を算出する際の単純な計算方法として使われるものではありません。
雇用保険では、基本手当日額を計算する際に、離職時賃金日額に対して一定の給付率を適用します。この給付率は年齢や賃金日額によって異なり、一定の範囲ではおおむね50%から80%程度の割合になります。
つまり、ハローワークで説明された0.7は、「離職時賃金日額そのものを決めるための係数」ではなく、基本手当の計算過程に関係する給付率の説明として伝えられた可能性があります。
離職時賃金日額と基本手当日額は別のもの
失業保険の計算では、「離職時賃金日額」と「基本手当日額」を混同しやすいため注意が必要です。
離職時賃金日額は、退職前の給与水準を表す金額です。一方、基本手当日額は、その離職時賃金日額をもとに給付率をかけて実際に支給される1日あたりの失業給付額です。
例えば、離職時賃金日額が1万円だったとしても、そのまま1万円が失業保険として支給されるわけではありません。年齢や賃金額に応じた計算によって支給額が決まります。
ハローワークで確認するときのポイント
傷病欠勤や休職期間がある場合、自分で法律や計算式を調べるだけでは判断が難しいことがあります。実際の離職票や給与記録をもとに、ハローワークが個別に判断します。
確認する場合は、以下の情報を準備して相談するとスムーズです。
- 離職票
- 休職開始日や退職日
- 給与明細
- 傷病による欠勤期間
- 雇用保険被保険者証などの情報
特に休職期間が長い場合は、どの期間の給与を基準にしたのかを確認することで、計算内容を正しく理解できます。
まとめ:休職後の退職では無給期間をそのまま計算しない場合がある
傷病欠勤や休職を経て退職した場合、退職直前6か月間が無給だったとしても、その期間だけを使って失業保険の計算が行われるとは限りません。
雇用保険では、休職など特別な事情がある場合、通常の賃金が支払われていた期間までさかのぼって離職時賃金日額を算定する仕組みがあります。
また、0.7という数字は離職時賃金日額そのものを決める単純な係数ではなく、基本手当の給付率に関係する数字として説明された可能性があります。正確な金額は離職票の内容とハローワークの計算結果で確認することが大切です。


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