手取り23万円でお金がないと感じるときの家計改善法|転職・引っ越し後に生活を立て直す順番

家計、節約

転職や引っ越しが重なると、年収そのものは極端に低くなくても、急に家計が苦しくなることがあります。特に引っ越し代、家具・家電、初期費用、クレジットカードの請求などが集中した直後は、通常月の収支だけを見ていると原因が分かりにくくなります。

さらに、毎月一定額を積み立てる保険・金融商品などを契約している場合、生活費が足りないのに解約すると損だからという理由だけで積み立てを続けることが、本当に合理的なのかを検討する必要があります。

この記事では、手取り23万円前後の一人暮らしを例に、転職や引っ越しで家計が苦しくなったときに確認したいポイント、固定費の考え方、クレジットカード請求への対処、積立商品の確認方法について整理します。

転職・引っ越し直後にお金がなくなるのは通常月とは別に考える

最初に確認したいのは、現在の赤字が恒常的な赤字なのか、一時的な赤字なのかという点です。転職と引っ越しが重なった時期は、通常の生活では発生しない支出が大量に出ます。

例えば、敷金・礼金・仲介手数料・引っ越し料金・家具・家電などを合わせて60万円使った場合、これは毎月60万円の赤字が発生しているわけではありません。一時的に貯蓄や手元資金が大きく減った状態です。

さらに転職先で最初の賞与が支給対象外になると、以前はボーナスで吸収していた年払い費用なども毎月の給与だけで負担することになります。このため、転職後の最初の半年から1年程度は家計が普段より厳しく見えるケースがあります。

手取り23万円なら、まず固定費を全部書き出す

家計改善で最初に削るべきものを探す前に、毎月必ず出ていく金額を把握します。例えば次のような家計を考えてみます。

項目 月額の例
手取り収入 230,000円
家賃 70,000円
スマートフォン 10,000円
光熱費・その他通信費 10,000円
奨学金 15,000円
積立商品など 20,000円

この例では、挙げた固定的な支出だけなら月12万5,000円です。手取り23万円との差額は10万5,000円あります。ここから食費、日用品、交通費、医療費、交際費、衣服代、クレジットカードの分割・翌月請求などが出ていきます。

つまり、家賃7万円だけを見て家計が破綻していると判断するのではなく、残り10万5,000円が実際には何に使われているかを調べることが重要です。

引っ越し直後はクレジットカード請求を生活費と分離する

引っ越したばかりの時期には、クレジットカード明細に家具、家電、生活用品、交通費、各種契約費用などが混在します。そのため、普段の食費や日用品だけでこんなに使ったのかと錯覚しやすくなります。

カード明細を通常生活費・引っ越し関連費・臨時支出の3種類程度に分けてみると、状況がかなり見えやすくなります。

例えば今月のカード請求が15万円でも、そのうち8万円が家具・家電など一度しか発生しない支出なら、翌月以降も15万円が続くとは限りません。まず3か月程度の支出を並べ、通常月にいくら必要なのかを確認することが大切です。

自動積立は「解約すると元本割れする」だけで判断しない

家計が苦しいときに特に確認したいのが、毎月自動的に2万円などを支払っている積立商品です。銀行の自動積立預金であれば比較的単純ですが、貯蓄型生命保険、個人年金保険、外貨建て保険、変額保険などの場合は事情が異なります。

保険商品には、中途解約すると解約返戻金がそれまでの払込保険料を下回るものがあります。国民生活センターにも、中途解約による元本割れや解約返戻金に関する相談が寄せられています。契約内容によって仕組みは異なるため、契約書や設計書で確認する必要があります。

[参照] 国民生活センター「生命保険関連」

すでに払った金額ではなく、これから払う金額も考える

例えば月2万円の商品をあと4年間継続すると、単純計算では今後さらに96万円を支払うことになります。「今解約すると10万円損する」という理由だけで続ける場合でも、今後96万円を拘束することが現在の家計に適しているかは別の問題です。

重要なのは、過去にいくら払ったかだけではなく、今解約した場合の受取額、今後の支払総額、満期・解約時の想定受取額、保障内容、途中で支払いを減らしたり止めたりできるかを比較することです。

商品によっては解約以外に、保険金額の減額、払済保険への変更などが可能な場合もあります。ただし利用できる制度や条件は契約ごとに異なるため、保険会社などに確認する必要があります。

家計が苦しいときは「貯金額」より現金余力を優先する

毎月2万円積み立てているのに、生活費が足りずクレジットカードの支払いに追われている場合、数字上は貯蓄していても家計の資金繰りは苦しくなります。

例えば給与日に2万円を積み立てた結果、月末に現金が不足し、カードの分割払いやリボ払い、カードローンなどに頼るようになれば本末転倒です。借入れには金利や手数料が発生する可能性があるためです。

金融庁も、借入れについては本当に必要なのか、無理なく確実に返済できるか、金利や手数料など契約内容を理解しているかを確認するよう案内しています。[参照] 金融庁「多重債務者対策・貸金業法等について」

削減するなら生活の満足度が下がりにくい固定費から確認する

家計改善というと食費を極端に削る方法が思い浮かびますが、毎日節約を意識し続ける方法は負担になりやすいものです。先に、一度変更すれば効果が継続する固定費を確認すると効率的です。

例えばスマートフォン料金が月1万円なら、端末代が含まれているのか、通信料金だけで1万円なのかを確認します。料金プラン変更などによって仮に月4,000円削減できれば年間4万8,000円になります。

一方、家賃7万円については、都内で再び引っ越すと初期費用が発生するため、数千円安い部屋を探してすぐ転居することが必ずしも得とは限りません。すでに引っ越した直後なら、家賃以外の固定費から確認した方が現実的なケースもあります。

「余裕がある家計」になるまでを3段階に分ける

家計改善を考えるとき、いきなり100万円貯めることを目標にすると遠く感じます。そこで、生活再建を3段階に分ける方法があります。

第1段階は月間収支を黒字にすることです。毎月の給与だけで通常の生活費を払える状態を作ります。まずはカード利用額も含めて1か月の支出上限を決めます。

第2段階は現金の予備資金を作ることです。急な通院、家電故障、冠婚葬祭などが発生しても借入れず対応できる資金を少しずつ確保します。

第3段階で中長期の貯蓄や投資を増やすという順番です。生活防衛用のお金と長期間動かしにくい金融商品を同じ貯蓄として考えないことがポイントです。

毎日お金を計算してしまうなら確認日を決める

家計が不安になると、銀行残高やカード利用額を一日に何度も確認してしまうことがあります。しかし収入や固定費が同じなら、何度計算しても数字そのものはほとんど変わりません。

例えば「毎週日曜日だけ家計を確認する」「給料日に翌月分を予算分けする」など確認するタイミングを決めておくと、お金のことを考える時間と、それ以外の生活を分離しやすくなります。

また、カードの支払いがすでに困難になっている、借入れで別の支払いを補っているなど、単なる節約では対応できない状態なら一人で抱え込む必要はありません。金融庁は全国の財務局などの多重債務相談窓口のほか、法テラス、日本弁護士連合会、日本クレジットカウンセリング協会などの相談先を案内しています。[参照] 金融庁「多重債務についての相談窓口」

まとめ|転職・引っ越し後の家計は「通常月」を把握してから立て直す

転職による年収減少、賞与の対象外、引っ越しによる数十万円単位の支出、カード請求の増加が同時に起きると、毎月赤字が続くように感じやすくなります。しかし、引っ越し費用などの一時的支出と通常の生活費を分離すると、本当に改善すべき金額が見えてきます。

手取り23万円程度で家賃7万円という情報だけでは、家計が維持できないとは判断できません。スマホ代、保険・積立商品、カード利用額、食費などを含め、通常月の総支出を把握することが先決です。

特に「数年間続けないと元本割れする」と説明されている積立商品については、商品名と契約内容を確認し、解約返戻金だけでなく今後支払う総額まで比較してください。家計改善の目的は、毎月ぎりぎりまで貯蓄することではなく、急な支出があっても生活が崩れない状態を作ることです。通常月を黒字化し、現金の予備資金を確保できれば、引っ越し直後の一時的な苦しさから徐々に余裕を取り戻せる可能性があります。

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