30歳を前に医療保険を検討しているものの、てんかん、喘息、うつ病などの持病があると、「精神疾患があるだけで医療保険には入れないのでは」「加入できる商品がかなり限られるのでは」と不安になることがあります。
持病がある場合、健康状態に問題のない人と比べて加入できる医療保険が限られる可能性はあります。しかし、てんかん・喘息・うつ病があるという事実だけで、すべての医療保険に加入できないと決まるわけではありません。保険会社は病名だけではなく、現在の症状、通院・服薬状況、入院歴、手術歴、発作の有無、治療経過などを含めて個別に引受可否を判断します。
また、通常の医療保険が難しい場合でも、告知項目を少なくした「引受基準緩和型医療保険」や「限定告知型医療保険」という選択肢があります。ただし、保険料が通常型より高い傾向があるため、最初から緩和型だけを選ぶのではなく、通常型の医療保険も含めて検討することが重要です。
- 持病があっても医療保険に加入できる可能性はある
- 精神疾患があると医療保険の選択肢が狭くなることはある
- てんかんも病状・発作・治療状況によって判断される
- 喘息があっても必ず医療保険に入れないわけではない
- 通常の医療保険が難しい場合は「引受基準緩和型」がある
- 引受基準緩和型は通常型より保険料が高い
- 最初から緩和型だけに絞らないほうがよい
- 3つの持病はすべて正確に告知する必要がある
- 告知ではどこまで書けばいい?
- うつ病がある場合は医療保険だけでなく就業不能保障にも注意
- 公的医療保険もあるので民間保険は不足分を考える
- 30歳だから急いで高い保険へ加入する必要はない
- 複数社を比較するときは「審査結果」だけでなく保障条件を見る
- 告知に不安があるなら保険会社へ事前に相談する
- まとめ:精神疾患があると選択肢は狭くなる可能性があるが、加入できる保険はある
持病があっても医療保険に加入できる可能性はある
生命保険や医療保険へ加入するときには、現在の健康状態や過去の病歴について保険会社へ告知する必要があります。生命保険文化センターによると、健康上の問題がある場合でも、特別条件を付けて契約できるケースや、引受基準緩和型の保険を利用できるケースがあります。
したがって、「てんかんがある」「喘息で通院している」「うつ病の治療歴がある」という病名だけを見て、自分では加入不可能と判断しないことが大切です。実際の審査基準は保険会社ごとに異なります。
たとえば同じ喘息でも、数年前から発作がなく投薬も軽い人と、直近で入院や強い発作を繰り返している人では審査結果が異なる可能性があります。同じうつ病でも、現在治療中なのか、治療終了後に長期間安定しているのかによって扱いが変わることがあります。
[参照] 生命保険文化センター「健康上問題があると、生命保険は契約できないの?」
精神疾患があると医療保険の選択肢が狭くなることはある
うつ病などの精神疾患については、医療保険の審査で告知対象になることがあります。保険会社は将来の入院や治療の可能性などを踏まえて審査するため、現在治療中であったり、最近入院歴があったりする場合は通常型の医療保険への加入が難しくなることがあります。
ただし、「精神疾患がある人は医療保険に入れない」という一律のルールがあるわけではありません。告知書で質問される期間や内容、引受基準は保険会社や商品によって異なります。
たとえば「過去5年間に特定の病気で診察・治療・投薬を受けたか」という質問をする商品もあれば、現在の通院や直近の入院・手術などを中心に確認する商品もあります。そのため、A社では難しくてもB社では審査対象になるということもあり得ます。
てんかんも病状・発作・治療状況によって判断される
てんかんも医療保険の告知対象となる可能性が高い病気の一つです。ただし、病名だけではなく、発作の頻度、最終発作からの期間、服薬状況、通院状況、入院歴などが審査材料になることがあります。
たとえば抗てんかん薬を服用しながら何年間も発作なく安定している場合と、最近発作があり入院した場合では、保険会社が評価するリスクが異なる可能性があります。
また、通常型の医療保険では加入不可となった場合でも、条件付きで契約できる可能性があります。具体的には、特定の病気や部位について一定期間保障対象外とする「特別条件」が付くことがあります。
喘息があっても必ず医療保険に入れないわけではない
喘息についても、症状の程度や治療状況が重要です。軽症で安定しており、入院歴がなく、日常生活にも大きな支障がない場合と、頻繁に発作があり入院や救急受診を繰り返している場合では審査結果が変わる可能性があります。
保険会社によっては、喘息に関係する呼吸器系の病気について一定期間保障対象外とする条件を付けて契約を引き受ける場合もあります。
そのため、複数の持病がある場合でも「全部の病気があるから即時に加入不可」とは限りません。ただし、てんかん・喘息・うつ病という複数の告知事項がある場合には、健康上の告知がない人と比べると審査が慎重になる可能性は高くなります。
通常の医療保険が難しい場合は「引受基準緩和型」がある
通常型の医療保険への加入が難しい人向けに、「引受基準緩和型医療保険」や「限定告知型医療保険」と呼ばれる商品があります。
生命保険文化センターによると、こうした保険は健康状態に関する告知項目が3~5項目程度に限定されており、所定の質問に該当しなければ、持病がある人や現在通院・服薬中の人でも原則として契約できる商品があります。
たとえば告知内容として、「最近3カ月以内に医師から入院・手術をすすめられたか」「過去2年以内に入院・手術をしたか」など、通常型より質問項目を絞った商品があります。ただし実際の質問内容は保険会社ごとに異なります。
[参照] 生命保険文化センター「健康状態に不安がある人でも、契約できる医療保険とは?」
引受基準緩和型は通常型より保険料が高い
引受基準緩和型医療保険は加入しやすい一方で、その分だけ通常の医療保険より保険料が高く設定される傾向があります。
これは、持病がある人など医療給付を受ける可能性が比較的高い人を幅広く引き受けるためです。生命保険文化センターも、健康状態に不安がある人向けの保険は通常型より保険料が割高になるため、まず通常型の保険へ加入できるか確認することが大切だと案内しています。
たとえば通常型で月額3,000円の商品と、緩和型で月額5,000円の商品があれば、月額では2,000円の差でも20年間では単純計算で48万円の差になります。加入しやすさだけでなく、長期間支払う総保険料も比較する必要があります。
[参照] 生命保険文化センター「健康上問題があると、生命保険は契約できないの?」
最初から緩和型だけに絞らないほうがよい
持病があると「自分は普通の医療保険には入れないだろう」と思い、最初から引受基準緩和型だけを探す人もいます。しかし、これは必ずしも得策ではありません。
通常型の医療保険に加入できれば、一般的には緩和型より保険料を抑えられる可能性があります。また、特定疾病・部位不担保などの条件付きで通常型へ加入できる場合もあります。
そのため、まずは通常型の医療保険について告知内容を確認し、審査を受けられる可能性があるか相談し、その後に緩和型を比較する流れが合理的です。
3つの持病はすべて正確に告知する必要がある
医療保険を申し込む際、てんかん・喘息・うつ病について質問項目に該当する場合は、すべて正確に告知する必要があります。
生命保険文化センターによると、保険契約者や被保険者には、過去の傷病歴、現在の健康状態、職業などについて事実をありのまま告げる「告知義務」があります。
「精神疾患を書いたら落ちそうだから、うつ病だけ書かない」「喘息は軽いので申告しなくても大丈夫だろう」と自己判断するのは避けるべきです。告知義務違反と判断された場合、契約が解除されたり、将来の給付金が支払われなかったりする可能性があります。
告知ではどこまで書けばいい?
実際の告知では、保険会社の質問に対して求められた範囲を正確に答えます。病名だけではなく、診断時期、治療期間、現在の通院頻度、薬の名称、入院・手術歴などを尋ねられることがあります。
たとえば「過去5年以内に医師の診察、検査、治療または投薬を受けたことがありますか」という質問があれば、その期間内の該当事項を回答します。一方で質問されていない事項まで自己判断で延々と記載する必要があるとは限りません。
記憶が曖昧な場合は、お薬手帳、診療明細、健康保険の記録などを確認しながら正確に記入するとよいでしょう。分からない場合は保険会社や募集人へ確認します。
うつ病がある場合は医療保険だけでなく就業不能保障にも注意
医療保険は基本的に入院や手術などを保障する商品です。そのため、うつ病によって長期間仕事を休んでも、入院していなければ医療保険から十分な給付を受けられないことがあります。
そこで「働けなくなった場合」の備えとして就業不能保険を検討する人もいますが、精神疾患については給付対象外としている商品や、保障条件が厳しく設定されている商品があります。
つまり「医療保険に入れれば、うつ病で働けなくなった場合も全部安心」というわけではありません。保障内容を見るときには、精神疾患による入院・就業不能が対象になるかを確認する必要があります。
公的医療保険もあるので民間保険は不足分を考える
医療費への備えを考えるときには、民間の医療保険だけでなく、日本の公的医療保険制度も確認する必要があります。
健康保険には、高額な医療費がかかった場合の自己負担を一定額に抑える「高額療養費制度」があります。また会社員など一定の健康保険に加入している人は、病気やけがで働けない場合に条件を満たせば傷病手当金を受けられることがあります。
したがって、医療保険を選ぶ際には「入院したらいくら必要か」だけではなく、公的制度・勤務先の制度・預貯金でどこまで対応でき、その残りを民間保険でどの程度補う必要があるかを考えると過剰加入を避けやすくなります。
30歳だから急いで高い保険へ加入する必要はない
一般に保険は若いうちに加入したほうが月々の保険料が安くなることがあります。しかし、「30歳になるから今月中に入らなければ損」というほど急いで判断する必要はありません。
特に持病がある場合は、焦って最初に加入できた商品を契約するより、通常型、条件付き契約、引受基準緩和型などを比較するほうが重要です。
また、毎月の保険料を高くしすぎると、将来家計を圧迫して途中解約することにもなりかねません。医療保険は長期間支払う可能性がある商品なので、保障内容と保険料のバランスを見る必要があります。
複数社を比較するときは「審査結果」だけでなく保障条件を見る
持病がある人の保険選びでは、「加入できるかどうか」だけに目が行きがちですが、加入後の保障内容も重要です。
| 確認項目 | チェックする内容 |
|---|---|
| 保険料 | 通常型と緩和型でどれくらい差があるか |
| 入院給付 | 1日型・一時金型、支払限度日数 |
| 手術給付 | 対象となる手術と給付額 |
| 持病の保障 | 既往症も契約後から保障されるか |
| 特別条件 | 特定疾病・部位が一定期間対象外にならないか |
| 精神疾患 | 入院・就業不能などで制限がないか |
| 保険料払込 | 終身払いか一定年齢までか |
たとえば加入できても、喘息に関連する呼吸器疾患が数年間保障対象外という条件が付く場合には、その条件を理解したうえで契約する必要があります。
告知に不安があるなら保険会社へ事前に相談する
持病が複数ある場合、自分でインターネット申込みを進めるより、保険会社や保険代理店へ現在の治療状況を伝えて相談する方法もあります。
会社によっては正式申込み前に、どのような告知事項があるか確認できたり、複数商品を比較したりできます。ただし、相談員が「絶対に通ります」と保証することはできず、最終的な引受判断は保険会社の審査部門が行います。
また、複数社へ正式申込みを繰り返す前に、各社の告知項目を確認して、自分の状況に合う商品を絞ると手続きの負担を減らせます。
まとめ:精神疾患があると選択肢は狭くなる可能性があるが、加入できる保険はある
てんかん、喘息、うつ病などの持病がある場合、健康上の告知がない人と比べると、通常の医療保険への加入条件が厳しくなったり、選択できる商品が少なくなったりする可能性はあります。
しかし、精神疾患や持病があるから医療保険には一切加入できない、というわけではありません。病気の種類だけではなく、現在の治療状況、通院・服薬、発作、入院歴などを保険会社が個別に審査します。
通常型の医療保険に条件付きで加入できるケースもありますし、通常型が難しい場合には、告知項目が3~5項目程度に限定された引受基準緩和型・限定告知型医療保険という選択肢があります。ただし緩和型は一般的に保険料が割高なので、最初から緩和型だけへ絞らず、通常型へ加入できる可能性も確認したほうがよいでしょう。
また、申込みの際は、てんかん・喘息・うつ病について告知書の質問に該当する内容を正確に申告することが非常に重要です。加入しやすくするために病歴や服薬を隠すと、将来必要なときに給付金を受け取れない可能性があります。
30歳から医療保険を検討する場合は、「通常型に加入できるか確認する→条件付き契約を比較する→難しければ引受基準緩和型を検討する」という順番で考えると、保障と保険料のバランスを取りやすくなります。最終的な加入可否は商品・保険会社によって異なるため、現在の病状や治療歴を整理したうえで複数の選択肢を比較することが大切です。


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