77歳で年金月16万円・障害者控除対象者認定書があると住民税非課税になる?非課税世帯との違いを解説

税金

65歳以上で介護認定などを受けている人は、一定の要件を満たすと市区町村から「障害者控除対象者認定書」の交付を受けられる場合があります。この認定書は所得税や住民税の障害者控除に利用できるだけでなく、所得額によっては住民税そのものが非課税になるかを判断するうえでも重要です。

例えば77歳で公的年金が月16万円程度の場合、年額では約192万円です。一見すると「192万円も年金があるなら非課税にはならない」と思われがちですが、住民税では年金収入そのものではなく、公的年金等控除後の所得などを基準に判定します。

障害者に該当し、前年の合計所得金額が135万円以下なら、原則として個人住民税の均等割・所得割がともに非課税となります。ただし「本人が住民税非課税になること」と「住民税非課税世帯になること」は別なので、家族と同一世帯の場合は注意が必要です。

障害者控除対象者認定書があれば障害者控除を受けられる

障害者手帳を持っていない高齢者でも、一定の障害状態について市町村長等から認定を受けている場合は、税法上の障害者として障害者控除の対象になることがあります。

国税庁では、精神または身体に障害のある満65歳以上の人で、障害の程度が一定の障害者に準ずるものとして市町村長等の認定を受けている人を障害者控除の対象として示しています。[参照:国税庁 障害者控除とは]

自治体が発行する障害者控除対象者認定書は、この控除を申告するために利用できます。認定書を取得しただけで税額が自動的に変更されるとは限らないため、すでに年金の税計算などへ反映されていない場合は、確定申告または住民税申告など必要な手続きを確認します。

障害者は合計所得金額135万円以下なら住民税非課税

個人住民税には、障害者に対する特別な非課税基準があります。例えばさいたま市が公表している令和8年度以降の基準では、障害者・未成年者・寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下の場合、均等割・所得割の両方が課税されません。[参照:さいたま市 市民税・県民税が課税されない方]

ここで重要なのは「収入135万円以下」ではなく「合計所得金額135万円以下」という点です。公的年金を受給している人の場合、原則として年金収入から公的年金等控除額を差し引いて公的年金等に係る雑所得を計算します。

したがって、年金収入が年間135万円を超えているからといって、直ちに住民税非課税の対象外になるわけではありません。

77歳・年金月16万円なら所得はいくらになる?

月16万円の公的年金を12か月受け取ると、年間の年金収入は約192万円です。65歳以上で、公的年金等以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円以下の場合、年金収入330万円未満について公的年金等に係る雑所得は基本的に「収入金額-110万円」で計算されます。国税庁も65歳以上で110万円超330万円未満の場合についてこの計算方法を示しています。[参照:国税庁 暮らしの税情報]

単純化した例では、192万円-110万円=82万円です。公的年金以外に所得がなければ、合計所得金額もおおむね82万円となるため、障害者の住民税非課税基準である135万円以下に収まります。

項目 概算
年齢 77歳
月の公的年金 約16万円
年間の公的年金収入 約192万円
公的年金等控除 110万円
公的年金等の雑所得 約82万円
障害者の住民税非課税基準 合計所得金額135万円以下

したがって、77歳・公的年金月16万円程度・税法上の障害者に該当・ほかに大きな所得がない、という条件なら、本人の住民税が非課税になる可能性は高いと考えられます。ただし実際には年金以外の所得や認定書の対象年などを含めて自治体が判定するため、個別確認が必要です。

「本人が非課税」と「非課税世帯」は意味が違う

ここは特に間違えやすいポイントです。父親本人の住民税が非課税になったとしても、それだけで必ず「住民税非課税世帯」になるわけではありません。

一般に住民税非課税世帯とは、同じ世帯に属する全員が住民税非課税となっている世帯を指します。例えば77歳の父親が住民税非課税でも、同一世帯に住民税が課税されている子どもがいれば、世帯全体としては住民税非課税世帯に該当しない制度があります。

反対に父親が一人世帯で、父親自身が住民税非課税なら、非課税世帯に該当する可能性があります。ただし、介護保険料、後期高齢者医療制度、給付金などでは制度ごとに「世帯」の判定条件や基準日が定められているため、利用したい制度ごとの確認が必要です。

障害者控除と「障害者なら135万円以下で非課税」は別の仕組み

税金を理解するうえでは、障害者控除と障害者の住民税非課税制度を区別しておくと分かりやすくなります。

障害者控除は所得から一定額を控除して税額を計算する「所得控除」です。一方、障害者で前年の合計所得金額が135万円以下の場合に住民税が課税されない仕組みは、住民税の非課税規定によるものです。

つまり「障害者控除を引いた結果、所得が135万円以下になれば非課税」という計算ではありません。135万円の判定では合計所得金額を見るため、障害者控除を差し引く前の所得額で判断します。年金月16万円・年額192万円の例では、公的年金等控除後の約82万円という金額が重要になります。

役所へ認定書を持って行くだけで自動的に非課税になるとは限らない

障害者控除対象者認定書を取得した場合、その情報が税務部門へ自動的に反映されるとは限りません。住民税申告や確定申告などで障害者に該当することを申告する必要があるケースがあります。

例えばさいたま市では、障害者控除対象者認定書を提示することで所得税や市県民税の障害者控除を受けられると案内しており、住民税申告で障害者控除を受ける場合の必要書類にも障害者控除対象者認定書を挙げています。[参照:さいたま市 障害者控除対象者認定書]

また、公的年金が一定の条件を満たして所得税の確定申告不要制度に該当していても、年金の源泉徴収票に記載されていない控除を住民税で追加適用したい場合などには、住民税申告が必要になることがあります。[参照:国税庁 年金所得者に係る個人住民税の申告]

認定書の「対象年」も必ず確認する

障害者控除対象者認定書を取得した時点だけでなく、どの年分の障害者控除に利用できる認定なのかも重要です。住民税は前年の所得や前年末の状況などを基に翌年度に課税されるため、「今年認定書を取ったから現在請求されている住民税が必ず非課税になる」とは限りません。

認定書には認定基準日や対象となる年について記載されている場合があります。過去年分について認定を受けられるか、すでに課税された住民税を修正できるかについても自治体によって必要な手続きを確認してください。

役所へ相談するときは、障害者控除対象者認定書だけでなく、公的年金等の源泉徴収票、現在の住民税課税通知書、年金以外の所得が分かる資料を持参すると話が早くなります。

年金以外の所得がある場合は82万円だけで判断できない

年金月16万円から計算した約82万円は、あくまで公的年金等に係る雑所得の概算です。例えば給与収入、不動産所得、事業所得、一定の配当・譲渡所得などがあれば、合計所得金額が変わる場合があります。

その結果、障害者であっても合計所得金額が135万円を超えれば、この障害者向けの住民税非課税規定には該当しなくなります。また「月16万円」に企業年金などが含まれている場合には、その年金の種類によって税務上の扱いを確認する必要があります。

そのため最終判断では、年金の月額だけではなく前年1年間の所得全体を見ることが必要です。

まとめ:年金月16万円でも障害者認定により本人が住民税非課税になる可能性はある

77歳で公的年金が月16万円、年間約192万円の場合、65歳以上の公的年金等控除110万円を前提にすると、公的年金等に係る雑所得は概算で約82万円となります。ほかに所得がなく、障害者控除対象者認定書によって税法上の障害者に該当するのであれば、障害者の住民税非課税基準である合計所得金額135万円以下に収まる可能性があります。

ただし、父親本人が住民税非課税になることと、世帯全体が「住民税非課税世帯」になることは別問題です。同一世帯に住民税課税者がいる場合には、父親だけ非課税でも非課税世帯として扱われない制度があります。

認定書を取得したら、年金の源泉徴収票と認定書を持って市区町村の住民税担当窓口へ行き、「この認定書は何年分から適用できるか」「住民税申告が必要か」「本人は非課税になるか」「現在の世帯構成で非課税世帯に該当するか」の4点を確認すると確実です。

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