二人暮らしの家財保険はいくら必要?賃貸の地震保険150万円・家財300万円で足りるかを解説

保険

賃貸住宅で二人暮らしをしている場合、火災保険の家財補償を300万円、地震保険を150万円程度に設定しているケースがあります。「二人分として少なすぎないか」「地震保険はいくら付ければよいのか」と迷いやすいところです。

結論として、家財300万円・地震保険150万円という設定自体は制度上不自然ではありません。地震保険の家財の保険金額は、原則としてセットする火災保険の家財保険金額の30~50%の範囲で設定するため、300万円に対して150万円は上限側の50%に相当します。

ただし、それで二人暮らしの家財を十分にカバーできるかは別問題です。重要なのは他人の契約額ではなく、自宅の家具・家電・衣類などを失った場合、生活を立て直すためにいくら必要になるかを考えることです。

まず「家財保険300万円」と「地震保険150万円」の関係を理解する

一般に賃貸住宅で加入する火災保険では、借りている建物そのものではなく、自分が所有する家具・家電・衣類などを「家財」として補償します。建物は通常、大家・所有者側が火災保険を契約します。

地震保険は単独では契約できず、火災保険にセットして加入します。財務省によると、地震保険の保険金額は火災保険の保険金額の30~50%の範囲で設定し、家財については1,000万円が上限です。[参照:財務省 地震保険制度の概要]

そのため家財の火災保険金額が300万円なら、地震保険金額は原則90万円~150万円の範囲となります。地震保険150万円なら、火災保険300万円に対して50%なので制度上の最大割合を設定していることになります。

二人暮らしで家財300万円は少ない?

二人暮らしだから一律に「家財は○百万円必要」と決めることはできません。家財の量や価格は家庭によって大きく違うからです。

例えば冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコン、電子レンジ、炊飯器、パソコン、スマートフォン、ベッド、寝具、テーブル、ソファ、食器、調理器具、衣類、靴などを一から買い直すと、想像以上の金額になることがあります。

一方、家具付き物件で暮らしている人、所有物が少ない人、高額な家具・家電を持たない人なら必要額は小さくなります。反対に、大型テレビ、高性能パソコン、高級家具、多数の衣類などを所有していれば300万円を超えることも考えられます。

家財の保険金額は「今売ったらいくら」ではなく再取得を意識する

家財の金額を考えるときは、「中古で売却したらいくらになるか」だけで考えないことがポイントです。火災などですべて失った場合、生活に必要なものを再び購入しなければならないからです。

例えば5年前に10万円で買った冷蔵庫が中古市場では1万円程度の価値しかなかったとしても、火災後に同程度の冷蔵庫を用意するにはもっと大きな支出が必要になるでしょう。契約している火災保険が家財をどのような基準で評価・補償する商品なのかも確認する必要があります。

家財保険金額を検討するときは、一度、所有物を大まかなカテゴリーに分けて金額を計算すると分かりやすくなります。

家財 主なもの
大型家電 冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコンなど
家具 ベッド・ソファ・テーブル・収納家具など
デジタル機器 パソコン・タブレット・周辺機器など
衣類 普段着・仕事着・コート・靴・バッグなど
生活用品 寝具・食器・調理器具・日用品など

「全部なくなったら300万円以内で一通り買い直せるか」と考えてみると、現在の保険金額が自分たちに合っているか判断しやすくなります。

地震保険150万円なら地震で150万円が必ず支払われるわけではない

地震保険で特に誤解されやすいのが、保険金額150万円なら地震で家財が壊れた際に損害額を150万円まで実費で補償してもらえる、という考え方です。

地震保険では損害状況に応じて「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の区分が認定され、その区分に応じた割合の保険金が支払われます。財務省によると、全損は地震保険金額の100%、大半損は60%、小半損は30%、一部損は5%です。[参照:財務省 地震保険制度の概要]

例えば地震保険金額150万円なら、単純計算では全損認定で150万円、大半損で90万円、小半損で45万円、一部損で7万5,000円となります。実際の支払いは契約内容や損害認定などに基づいて決まります。

火災保険に入っていても地震による火災は原則別扱い

「火災保険に加入しているから地震で火事になっても大丈夫」と考えるのも注意が必要です。通常の火災保険では、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする損害は原則として補償されません。

地震が原因で発生した火災によって家財が焼失した場合などに備えるための制度が地震保険です。日本損害保険協会も、地震・噴火・津波を原因とする火災、損壊、埋没、流失による損害を地震保険が補償すると説明しています。[参照:日本損害保険協会 地震保険]

火災保険と地震保険は「火事ならどちらでも同じ」という関係ではなく、何が原因で損害が発生したかが重要です。

地震保険は生活再建のための保険と考える

地震保険は、地震によって失った財産を完全に元通りにすることを目的とした制度ではありません。財務省は、地震保険について被災者の生活の安定に寄与することを目的とした制度と説明しています。

そのため火災保険300万円に対して地震保険を最大割合の150万円にしても、巨大地震ですべての家財を失った際に300万円すべてを地震保険から取り戻せる仕組みではありません。

地震保険金は、被災後の家具・家電購入だけでなく、当面の生活を再建するための資金として考えることができます。地震保険をいくら付けるか判断するときには、この役割を理解しておくことが重要です。

二人暮らしなら保険金額をどう決めればいい?

二人暮らしの場合は、まず家財を失った場合の再取得費用を大まかに計算し、そのうえで預貯金とのバランスを考える方法があります。

例えば、家具・家電・衣類などを合計すると400万円程度になると見積もった場合、家財の火災保険300万円では大規模な火災時に不足する可能性があります。一方、実際の家財が200万円程度しかなく、十分な預貯金もあるなら、過大な保険金額を設定する必要性は低くなります。

地震については、火災保険の家財保険金額の30~50%という制度上の範囲があります。家財300万円・地震150万円という組み合わせなら50%ですから、「地震保険の割合が低すぎる」という設定ではありません。むしろ確認すべきなのは、元になる家財300万円が実際の所有物に対して適切かどうかです。

賃貸住宅では家財以外の補償もチェック

賃貸住宅の火災保険では、家財補償だけを見ればよいわけではありません。「借家人賠償責任」や「個人賠償責任」などがセット・特約として付いていることがあります。

例えば自分の過失による火災などで借りている部屋に損害を与え、大家に対して法律上の賠償責任を負った場合には、借家人賠償責任に関する補償が重要になります。また水漏れなどで階下の住人の家財へ損害を与えた場合には、個人賠償責任の補償が問題になることがあります。

家財保険金額だけを300万円から500万円へ増やしても、このような賠償リスクへの補償が不足していれば十分とはいえません。保険証券や契約内容を確認し、家財、地震、借家人賠償責任、個人賠償責任などを分けて確認するとよいでしょう。

まとめ:家財300万円・地震150万円はあり得る設定。重要なのは家財の実額

賃貸住宅の二人暮らしで家財の火災保険金額が300万円、地震保険金額が150万円という契約は、地震保険が火災保険金額の50%となるため制度上は自然な設定です。

ただし、「二人暮らしなら300万円あれば十分」と一律に判断することはできません。冷蔵庫、洗濯機、テレビ、家具、パソコン、衣類、寝具、生活用品などを一から買い直した場合の金額を大まかに計算し、家財300万円が実態に合っているか確認することが重要です。

また地震保険150万円は、地震で150万円の損害が発生すればその金額がそのまま支払われる仕組みではありません。損害区分に応じて保険金が決まります。家財の再取得額、預貯金、地震後に必要な生活再建資金、借家人賠償なども含めて契約内容を確認すると、自分たちに必要な保障額を判断しやすくなります。

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