傷病手当金終了後の生活支援:がん治療中の方が受けられる公的給付制度とは

社会保険

傷病手当金の支給期間が終了すると、収入の途絶えた生活に不安を感じる方も多いと思います。特にがんなど長期療養を要する病気の場合、公的支援制度の理解と活用が欠かせません。この記事では、傷病手当終了後に活用できる可能性のある制度を網羅的に解説します。

まず確認したい:障害年金の受給可能性

障害年金は、がんなどの病気によって就労が困難な状態になった際に受けられる年金です。初診日から1年6カ月経過後、あるいはそれ以前に治癒と見なされた時点で、症状が所定の等級に該当すれば受給の可能性があります。

たとえば、抗がん剤治療により長期間働けず、日常生活にも制限がある場合、障害厚生年金または障害基礎年金の受給が見込めます。申請には主治医の診断書(障害状態確認届)などが必要です。

生活が困難な場合は生活保護も選択肢

貯金が尽き、収入が見込めない場合は生活保護を検討することも重要です。がんなどの治療費も医療扶助によりカバーされます。

申請は市区町村の福祉事務所で行います。事前相談の段階で収入状況・資産・扶養関係などを確認されるため、正直に説明しましょう。生活保護受給中も障害年金など他の給付がある場合は、そちらを優先して使うことになります。

自治体の独自支援制度を確認しよう

自治体によっては、がん患者向けの医療費助成や住宅支援を行っていることがあります。たとえば、都道府県単位での医療費助成制度や、交通費補助などが該当します。

例:東京都では「がん患者就労支援拠点病院」などでのサポートを実施。自治体ホームページで「がん支援+市町村名」などで検索してみましょう。

就労支援制度も検討対象に

がんと向き合いながらも働きたいという希望がある方には、「就労支援事業」や「リワーク支援」を活用する方法もあります。社会保険労務士やハローワークに相談すると、利用可能な制度や企業とのマッチング支援を受けられます。

特にがん患者向けの就労相談窓口がある自治体も増えており、職場復帰や障害者雇用制度を使った就労移行なども相談可能です。

医療費の負担軽減制度も忘れずに

「高額療養費制度」を使えば、一定の自己負担限度額を超える医療費が払い戻されます。さらに、「限度額適用認定証」を事前に取得しておけば、支払い自体を抑えられます。

また、がん医療には特定疾病療養制度も適用されることがありますので、加入している健康保険組合に確認することをおすすめします。

まとめ:状況に応じた制度活用を

傷病手当の終了後も、多くの公的支援制度が存在します。障害年金の申請を第一候補に、経済的に困窮しているなら生活保護、働く意志があるなら就労支援の相談も忘れずに。

制度は複雑なため、社会保険労務士や地域包括支援センターなどの専門窓口への相談を早めに行うことが、今後の安心につながります。

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