傷病手当金の申請書には、会社側が記入する「事業主記入欄」が存在します。この欄の記入者について「社長しか書けないのでは?」という疑問を持つ方は少なくありません。実際には誰が記入すべきなのか、書類の正当性に影響するのかを詳しく解説していきます。
事業主記入欄の目的とは?
傷病手当金申請書の3枚目(事業主記入欄)は、健康保険組合や協会けんぽが申請内容の正当性を確認するためのものです。会社に在籍していることや、欠勤の実態、給与支払い状況などを記載します。
そのため、この欄は「会社の代表として責任を持てる人物」が記入する必要がありますが、必ずしも社長本人である必要はありません。
誰が記入してもいい?実務上の運用
実務上では、人事・総務担当者、経理担当者、事務長などがこの記入欄を代理で記入することが一般的です。記入者の職名と署名、押印が必要ですが、内容に誤りがなく、会社としての確認が取れていれば、社長以外の記入で問題になることは基本的にありません。
たとえば、ある中小企業では事務員が傷病手当金の書類を一括管理しており、社長が関与することはありませんが、健康保険組合に正常に受理されています。
押印・署名の重要性
事業主記入欄には「事業主氏名・住所・電話番号」などを記入する欄があり、署名または記名押印が求められます。この押印が「会社の責任」を表すため、印鑑の管理者が記入するケースが多いのです。
会社代表印または社印を使用する場合がほとんどで、個人の実印までは求められません。担当者が記入し、会社印を押せば、原則的に有効とされます。
記入ミスや不備があるとどうなる?
記入漏れや不備があると、書類が差し戻されたり、支給が遅れる原因になります。担当者が不慣れな場合は、社労士や保険組合の窓口に確認するのも有効です。
また、実際の勤務実績と食い違いがあると、虚偽記載とみなされる可能性もあります。正確な記入を心がけましょう。
小規模事業所や個人事業主の場合
小規模な会社や個人事業主の場合、社長自ら記入することもあります。ただし、従業員の在籍証明など第三者の証明が必要となる場面もあるため、客観性のある記録や書類の添付を求められることもあります。
このようなケースでは、外部の社労士に依頼することも検討できます。
まとめ
傷病手当金の申請書における「事業主氏名」の記入は、会社の代表者である必要はなく、総務や人事などの担当者が代理で行うことが可能です。重要なのは、内容の正確さと会社の責任を証明できる形式(署名・押印)です。不安がある場合は、健康保険組合や社労士に事前確認して進めると安心です。
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