年金の「20歳以降」は誕生月からではない?1日生まれは前月から数える理由と月数計算を解説

年金

国民年金や厚生年金の加入期間を計算する問題では、「20歳以降の被保険者期間」が日常的な年齢感覚と1カ月ずれて見えることがあります。特に毎月1日生まれの人は注意が必要です。

たとえば昭和41年(1966年)5月1日生まれの人は、普段の感覚では昭和61年5月1日に20歳の誕生日を迎えます。しかし年金制度上の年齢到達日は誕生日当日ではなく、その前日の昭和61年4月30日です。そのため「20歳到達月」は4月となり、20歳以降の期間を月単位で扱う場面では昭和61年4月が含まれます。

年金制度では年齢に達する日は「誕生日の前日」

年金の問題を解くうえで最初に押さえたいのが、年齢の計算方法です。日本年金機構は、年齢計算に関する法律に基づき、一定の年齢に達する日はその年齢の誕生日の前日になると案内しています。たとえば65歳の誕生日が4月1日なら、65歳に達する日は3月31日です。[参照]

20歳についても同じ考え方です。日本年金機構の国民年金資格取得手続きでは、「20歳到達」の該当年月日を誕生日の前日としています。[参照]

したがって「5月1日生まれだから5月1日から20歳」と考えて年金の月数を数えると、1カ月ずれることがあります。ここが年金問題で非常に間違えやすいポイントです。

5月1日生まれは4月30日に20歳へ到達する

昭和41年5月1日生まれのケースを具体的に整理してみましょう。20歳の誕生日は昭和61年5月1日ですが、法律上20歳に達する日はその前日の昭和61年4月30日です。

項目 年月日
生年月日 昭和41年5月1日
20歳の誕生日 昭和61年5月1日
法律上20歳に達する日 昭和61年4月30日
20歳到達日を含む月 昭和61年4月

このため、年金制度上「20歳到達月」を基準に月数を考える場面では、5月ではなく4月から対象になります。

日本年金機構の国民年金の案内でも、保険料は「20歳の誕生日の前日が含まれる月」の分から納付すると明記されています。[参照]

「1日生まれ」だけ前月になるのがポイント

このルールを理解するときは、1日生まれとそれ以外を比較すると分かりやすくなります。たとえば5月2日生まれなら20歳到達日は5月1日なので、到達月は5月です。5月15日生まれなら到達日は5月14日で、やはり5月です。

ところが5月1日生まれだけは、前日が4月30日になります。そのため到達月そのものが前月へ移ります。

20歳の誕生日 20歳到達日 到達月
5月1日 4月30日 4月
5月2日 5月1日 5月
5月15日 5月14日 5月

日本年金機構のパンフレットでも、「保険料は20歳の誕生月分から納付が必要。ただし誕生日が1日の場合は誕生月の前月分から」と明確に説明されています。[参照]

昭和61年4月から平成元年5月なら38カ月になる

昭和41年5月1日生まれで、昭和60年4月から平成元年5月まで厚生年金保険に加入していたとします。このうち20歳到達後の期間を考えると、20歳到達日は昭和61年4月30日なので、月単位では昭和61年4月から対象になります。

昭和61年4月から12月までは9カ月、昭和62年は12カ月、昭和63年も12カ月、平成元年1月から5月までは5カ月です。

9カ月+12カ月+12カ月+5カ月=38カ月となります。したがって、この前提で「昭和61年4月~平成元年5月の38カ月」とする計算は、5月1日生まれという条件と矛盾しているわけではありません。

なぜ誕生日の前日に年齢が上がるのか

これは年金だけに存在する特殊なルールではありません。日本の年齢計算では、民法の期間計算と「年齢計算ニ関スル法律」に基づいて年齢を計算するため、誕生日の前日の終了によって1歳加算されるという考え方になります。

その結果、行政制度では「○歳に達した日」を誕生日の前日として扱うことがあります。日本年金機構も年齢要件について、「年齢は誕生日の前日において加算します」と説明しています。[参照]

年金の試験問題では日常会話の「20歳になった日」と、法律上の「20歳に達した日」を混同しないことが重要です。

年金の月数問題では「誕生日の前日が何月か」を確認する

20歳、60歳、65歳などの年齢が出てくる年金問題では、いきなり月数を数えるより、最初に「誕生日の前日」を書き出すとミスを減らせます。

たとえば「昭和41年5月1日生まれ」と書かれていたら、「20歳到達=昭和61年4月30日」とメモします。そのうえで被保険者期間と重なる月を数えれば、なぜ4月が含まれるのかを理解しやすくなります。

特に1日生まれを見つけたら要注意です。誕生日の前日が前月になるため、年金の資格取得月や年齢到達月に関する問題では、ほかの日に生まれた人とは月の扱いが変わることがあります。

まとめ:5月1日生まれなら20歳到達月は4月になる

昭和41年5月1日生まれの人は、年金制度上の年齢計算では昭和61年4月30日に20歳へ到達します。そのため、20歳到達月は昭和61年5月ではなく昭和61年4月です。

したがって、昭和60年4月から平成元年5月まで厚生年金保険の被保険者だったケースで、20歳以降に該当する期間を昭和61年4月から平成元年5月までとして数えると38カ月になります。

覚え方としては、「20歳の誕生月から」と丸暗記するより、「年齢到達日は誕生日の前日。だから1日生まれだけ到達月が前月になる」と理解しておくのがおすすめです。この考え方を押さえておけば、20歳だけでなく60歳や65歳などが登場する年金の期間計算にも応用できます。

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