育休中に生活費が足りずクレジットカードを払えないときは?キャッシング・消費者金融の前に確認したい対処法

家計、貯金

詐欺被害や急な出費で貯金を失い、さらに育児休業中で収入が減っていると、クレジットカードの支払日までに現金を用意できないことがあります。育児休業給付金などの入金を待っている間だけ資金が不足するケースでは、「キャッシングでつなげばよいのか」「無利息期間のある消費者金融ならよいのか」と迷いやすいところです。

しかし、カードの支払いを別の借金で埋める方法は、最初の選択肢にしないほうが安全です。まず支払先への相談、家計から延期できる支出の整理、育児休業給付金の手続状況確認、公的相談制度の確認を行い、それでも不足する場合に借入れの必要性を慎重に判断する順番が重要です。

また、詐欺に振り込んだお金について「口座が凍結されたから絶対に取り戻せない」とは限りません。振込先口座に残高があれば、振り込め詐欺救済法による被害回復分配金を受け取れる可能性があります。

まず「来月いくら足りないのか」を正確に計算する

資金不足が分かったときに最初に行いたいのは、借入先を探すことではなく不足額の確定です。次回給与、預金残高、カード請求額、税金、保険料、家賃、光熱費、食費などを一覧にして、支払日ごとの資金繰りを確認します。

例えば預金が8万円、次の給与が25万円で、支払日までに必要となる家賃・カード・税金などが合計38万円なら、単純な不足額は5万円です。「生活が苦しいから20万円借りる」のではなく、本当に必要な不足額を把握するだけでも借入額を抑えられます。

さらに、すぐ支払う必要があるものと延期・相談できるものを分けます。実家への返済など、相手から返済を急がなくてよいと言われている債務があるなら、まず生活維持と期限のある支払いを優先する考え方が現実的です。

クレジットカードの支払日より前にカード会社へ相談する

カード代金を払えない可能性が分かった時点で、カード会社へ早めに連絡することが重要です。日本クレジット協会も、クレジットの支払いに関する相談は代金の支払先となるクレジット会社などへ問い合わせるよう案内しています。[参照:日本クレジット協会]

カード会社や利用内容によっては、支払方法変更の受付期間内であれば、一部の利用を分割払いやリボ払いへ変更できる場合があります。ただし手数料が発生するため、「変更できる=得」という意味ではありません。キャッシングとの総支払額を比較する必要があります。

一番避けたいのは、何も連絡せず引き落とし不能になることです。「○日に育児休業給付金が入る予定だから大丈夫だろう」と推測せず、現時点で払えない可能性があるなら、支払日前にカード会社へ相談するのが基本です。

年18%のキャッシングは「短期間なら大丈夫」と考えすぎない

年18%のキャッシングは、1~2か月で確実に返せるなら利息の絶対額が非常に大きくならない場合もあります。しかし重要なのは利息だけではありません。翌月も家計が赤字なら、借りた元本を返すために再び借りる状態になり得ます。

例えば10万円を年18%で30日借りた場合、単純計算による利息は約1,480円です。20万円なら約2,960円です。短期間だけを見ると小さく感じますが、返済できず借入期間が延びたり、新たな生活費を借りたりすれば負担は積み上がります。

「給付金が入ったら全額返す予定」と「その給付金だけで本当に全額返済できる」は別です。給付金が入った後に必要になる翌月の家賃・食費・税金なども残したうえで返済できるかを計算する必要があります。

消費者金融の「初回無利息」も借金であることは同じ

一部の貸金業者には初回利用者を対象とした無利息サービスがあります。条件を満たして期間内に完済すれば、利息負担を抑えられる場合があります。しかし無利息期間があること自体は、その借入れが家計にとって適切であることを意味しません。

特に「今月のカード代を消費者金融で払う→翌月は消費者金融の返済と新しいカード代を払う」という構造になると、借金による借金の返済に近づきます。給付金の入金日や金額が確定していない状態なら、予定より遅れた場合の返済方法まで考える必要があります。

銀行カードローン、カードのキャッシング、消費者金融を比較するときは、広告の「無利息」だけではなく、適用条件、無利息期間の起算日、通常金利、返済日、最低返済額、ATM手数料などを確認します。また、SNSの個人融資や給与ファクタリングなどへ手を出してはいけません。金融庁も安易な現金化や違法な貸付けについて注意喚起しています。[参照:金融庁]

育児休業給付金は会社に「手続き中」以上の情報を確認する

育児休業給付金は、会社から給与と同じ日に自動的に支払われる制度ではありません。勤務先を通じて手続きする場合には、会社側の申請状況やハローワークでの処理などによって実際の入金まで時間がかかることがあります。

厚生労働省は育児休業等給付について、初回申請に必要な書類や申請期限などを公開しています。[参照:厚生労働省 育児休業等給付Q&A]

勤務先には「いつ頃になりますか」だけでなく、申請書類をいつ提出したのか、不足書類はないのか、現在どの段階なのかを確認すると状況を把握しやすくなります。ただし、予定日を聞けてもその日に必ず入金されるとは限らないため、入金前のお金を返済原資として確定扱いするのは避けたほうが安全です。

税金や保険料も「払えないから借りる」前に窓口へ相談する

育休による収入減の時期には、住民税など給与天引きされなくなった支払いが家計を圧迫することがあります。納付書が届いたからといって、民間金融機関から借りることだけが対応方法ではありません。

住民税なら納付書を発行した市区町村、社会保険関係なら勤務先や該当する保険者など、支払先へ事情を説明し、利用できる制度や手続きがないか確認します。制度の対象になるかは個々の事情によるため、自己判断で支払いを止めるのではなく窓口へ相談することが大切です。

つまり「カード5万円+税金3万円=8万円借りる」と即断するのではなく、カード会社と自治体などへそれぞれ相談した結果、今すぐ必要な現金が3万円まで減る可能性もあります。借入れを検討する場合でも、この作業を先にする意味があります。

公的な生活相談・多重債務相談も利用できる

家計が一時的に立ち行かなくなった場合には、公的な相談窓口もあります。金融庁は全国の財務局に多重債務相談窓口を設けています。既に借金を完済していても、再び借入れが必要になりそうな状況なら早い段階で相談する価値があります。[参照:金融庁 多重債務者対策]

低所得世帯など一定の条件を満たす場合には、社会福祉協議会が窓口となる生活福祉資金貸付制度もあります。ただし対象世帯や資金用途には条件があり、民間金融機関への返済や継続的な生活費補填など対象にならない用途もあります。緊急小口資金については無利子とされています。[参照:厚生労働省 生活福祉資金貸付制度]

どこへ相談すればよいか分からない場合には、消費者ホットライン「188」から最寄りの消費生活相談窓口の案内を受けることもできます。[参照:消費者庁]

詐欺被害は「凍結口座だから返金不能」とは限らない

銀行振込を利用した詐欺被害では、振込先口座が凍結されている場合、残っている資金から被害回復分配金を受け取れる可能性があります。金融庁によると、振り込め詐欺救済法は、詐欺などで振込みが利用された被害について、犯罪利用口座の残高を原資として被害者へ分配する仕組みです。[参照:金融庁 振り込め詐欺等の被害にあわれた方へ]

もちろん口座から既に全額引き出されていれば回収できないことがあります。また複数の被害者がいて口座残高が被害総額より少なければ、全額が戻るとは限りません。しかし「犯人を特定できない=制度による返金も絶対に不可能」ということではありません。

警察への相談とは別に、振込先の金融機関へ被害を申し出て、被害回復分配金の手続き対象になっているか確認することが重要です。金融庁によれば、手続きの進行状況は振込先金融機関へ問い合わせることができ、公告後には申請期間も設けられます。

借りる前に作りたい「1~2か月の資金繰り表」

育児休業給付金が1~2か月後に入る見込みなら、少なくともその期間までの家計を紙や表計算で可視化します。難しい家計簿を作る必要はありません。

項目 確認する内容
現在の預金 自由に使える残高
夫婦の収入 給与・確定している給付など
生活必需費 家賃・食費・光熱費など
カード 請求額・支払日・変更可能な支払方法
税・保険 期限と相談可能な制度を確認
家族への返済 返済猶予について相談
育児休業給付 申請状況・見込額を確認

そのうえで「何もしなければ10万円不足するが、カード会社への相談と延期可能な支出を整理すると3万円不足する」と分かれば、必要な対応は大きく変わります。

仮に最終的に借入れが必要になった場合でも、必要最小限の金額と返済可能日を把握してから判断できます。複数社から少額ずつ借りる方法は家計管理を難しくするため避けたいところです。

まとめ:キャッシングを最初の解決策にせず支払先への相談から始める

詐欺被害の直後に育休による収入減が重なり、カード代や税金などの支払いが不足する場合でも、年18%のキャッシングや初回無利息の消費者金融を最初の解決策にする必要はありません。まず不足額を確定し、カード会社、税金等の支払先、勤務先へ早めに相談することが優先です。

それでも資金が不足するなら、公的相談窓口や利用可能な支援制度を確認したうえで、借入れが本当に必要かを判断します。借りる場合にも「給付金が入る予定だから」ではなく、給付後の生活費を残して完済できる金額なのかまで確認することが重要です。

また銀行振込による詐欺被害で振込先口座が凍結されている場合は、残高次第で振り込め詐欺救済法による被害回復分配金の対象になる可能性があります。警察への相談だけで終わらせず、振込先金融機関にも連絡して手続き状況を確認しておくとよいでしょう。

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