年金の繰下げ受給は損する?70歳受給開始後に亡くなった場合の損益分岐点と遺族への影響を解説

年金

老齢年金の繰下げ受給は、受給開始を遅らせることで年金額を増やせる制度です。しかし、「70歳から受け取り始めた後に早く亡くなったら損ではないか」「65歳から受け取れた分は補償されるのか」と疑問に感じる方も少なくありません。この記事では、年金の繰下げ受給の仕組みと、亡くなった場合の取り扱いについて分かりやすく解説します。

繰下げ受給とはどのような制度か

老齢基礎年金や老齢厚生年金は、原則65歳から受給できますが、受給開始を66歳以降に遅らせることで年金額が増額されます。

70歳まで繰下げた場合、65歳受給開始と比較して年金額は42%増額されます。この増額は一生涯続くため、長生きするほど有利になる仕組みです。

受給開始年齢 増額率
65歳 0%
66歳 8.4%
67歳 16.8%
68歳 25.2%
69歳 33.6%
70歳 42.0%

65歳から70歳まで受け取れた年金は補償されるのか

結論から言うと、65歳から70歳まで受け取らなかった年金が別途補償されることはありません。

繰下げ受給は、受け取りを先送りした代わりに将来の年金額を増やす制度です。そのため、65歳から69歳までに本来受け取れた年金を後からまとめて受け取る仕組みではありません。

繰下げによって増額された年金を何年受給できるかが損得を左右するポイントです。

75歳で亡くなった場合は損になるのか

例えば65歳受給開始と70歳受給開始を比較すると、70歳までの5年間は年金を受け取っていないため、その期間の受取額には大きな差があります。

一般的には、70歳から受給を開始した場合、80歳前後が損益分岐点になるケースが多いとされています。ただし年金額や加入歴によって異なります。

そのため、75歳で亡くなった場合は、65歳から受給していた場合より総受取額が少なくなる可能性があります。

亡くなった場合に遺族へ支払われるもの

繰下げ受給中または受給開始後に亡くなった場合でも、未支給年金があれば遺族が請求できます。

ただし、未支給年金とは亡くなった時点でまだ支払われていない直近分の年金を指し、65歳から70歳まで受け取らなかった年金全額が支給されるわけではありません。

また、条件を満たす遺族には遺族厚生年金などが支給される場合がありますが、これは繰下げ受給とは別の制度です。

繰下げ受給が向いている人とは

繰下げ受給は長生きするほど有利になるため、健康状態が良く、老後資金に余裕がある方に向いています。

一方で、65歳以降の生活資金として年金が必要な方や、早めに受給したい方は通常受給の方が安心できる場合もあります。

どちらが有利かは寿命を正確に予測できないため、資産状況や家族構成も踏まえて検討することが大切です。

まとめ

70歳まで年金を繰下げた場合、年金額は42%増額されますが、65歳から69歳まで受け取れた年金が後から補償されることはありません。そのため、70代前半で亡くなった場合は65歳受給開始より総受取額が少なくなる可能性があります。繰下げ受給は長生きするほど有利になる制度であり、自身の健康状態や老後資金計画に合わせて判断することが重要です。

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