短時間労働者への社会保険適用拡大により、従業員数51人以上の事業所は「特定適用事業所」として一定のパート・アルバイトも社会保険加入の対象になります。しかし実務では、「45人の月もあれば52人の月もある場合はどう判定するのか」「どの時点の人数が基準なのか」と悩む担当者も少なくありません。この記事では、特定適用事業所における51人要件の考え方と実務上のポイントを解説します。
51人要件の対象となる人数とは
特定適用事業所の判定に用いる従業員数は、単純な在籍者数ではありません。
厚生年金保険の被保険者となっている従業員数を基準として判定します。正社員だけでなく、通常の労働者の4分の3以上勤務するパートタイマーなども含まれます。
一方で、「週20時間以上・月額賃金8.8万円以上」などの短時間労働者の加入要件を満たすかどうかを判定するための人数ではなく、あくまでも既に厚生年金保険の被保険者となっている人数が基準です。
毎月51人を超えたかどうかで判定するわけではない
実務上よく誤解されますが、毎月の人数が51人を超えたり下回ったりするたびに特定適用事業所になったり外れたりするわけではありません。
日本年金機構では、直近12か月のうち6か月以上にわたり厚生年金保険の被保険者総数が51人以上となることが見込まれる場合など、継続性を考慮して判定します。
そのため、一時的に52人になった月があっても、直ちに特定適用事業所になるわけではありません。
年金事務所からの通知で決まるのか
実際には事業所から提出される資格取得届や算定基礎届などの情報を基に、日本年金機構が対象事業所を把握しています。
対象と判断された場合は年金事務所から案内や通知が送付されることがあります。
ただし、通知が来るまで何もしなくてよいという意味ではなく、事業所側にも適正な加入判定を行う義務があります。
人数が50人前後を行き来する場合の実務対応
従業員数が45人から52人程度の範囲で変動する事業所では、継続的に被保険者数を管理することが重要です。
| 確認項目 | 実務上のポイント |
|---|---|
| 被保険者数 | 毎月の厚生年金被保険者数を把握する |
| 増員計画 | 今後の採用予定も確認する |
| 離職状況 | 一時的な増減か継続的な増加かを確認する |
| 短時間労働者 | 加入対象となる従業員を事前に洗い出す |
特に人員増加が見込まれる場合は、社会保険加入対象者の管理を早めに始めておくことが望ましいでしょう。
特定適用事業所になった場合の影響
51人要件を満たし特定適用事業所となると、一定の短時間労働者も社会保険への加入が必要になります。
具体的には、週所定労働時間20時間以上、月額賃金8万8千円以上などの要件を満たす従業員が対象となります。
対象者が増えることで事業主負担の社会保険料も増加するため、事前のシミュレーションが重要です。
まとめ
社会保険の51人要件は、毎月の人数だけで単純に判定されるものではありません。厚生年金保険の被保険者数を基準とし、継続的に51人以上となる見込みがあるかどうかが重要なポイントになります。45人の月と52人の月が混在する場合は、年間を通じた推移や今後の見込みを含めて判断されるため、日頃から被保険者数の管理を行い、必要に応じて年金事務所や社会保険労務士へ確認することが実務上の対応となります。


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