退職から再就職まで数日でも国民健康保険の加入は必要?28日退職・翌月3日入社の手続きを解説

国民健康保険

退職してから次の会社へ入社するまで数日しか空かない場合、「わざわざ国民健康保険に加入する必要があるのか」と疑問に思うことがあります。例えば28日に退職し、翌月3日に新しい会社へ入社するなら、無職の期間は1週間にも満たないため、手続きを省略できそうに感じるかもしれません。

しかし健康保険は、空白期間の日数が短いから自動的に加入不要になる仕組みではありません。退職日の翌日から新しい会社の健康保険の資格取得日前日まで、ほかの健康保険に加入していない期間が生じるなら、原則として国民健康保険など何らかの公的医療保険に加入する必要があります。

ただし、国民健康保険以外にも前職の健康保険の任意継続や家族の健康保険の被扶養者になる選択肢があります。また、退職日と新しい会社の社会保険の資格取得日によって実際の空白期間が決まるため、まず日付を正確に確認することが重要です。

28日退職・翌月3日入社なら健康保険の空白はどうなる?

会社員として加入している健康保険は、原則として退職日の翌日に被保険者資格を喪失します。つまり28日が退職日なら、前職の健康保険を利用できるのは原則28日までで、29日からは前職の健康保険の資格がありません。

そして新しい会社で3日付で健康保険の被保険者資格を取得するのであれば、3日から新しい健康保険に加入します。このケースでは、29日から翌月2日までが前職と転職先の健康保険の間に空く期間となります。

厚生労働省によると、日本国内に住所があり、ほかの健康保険の被保険者や被扶養者などに該当しない人は国民健康保険の被保険者となります。また、国民健康保険の被保険者になった場合には14日以内に市区町村へ必要な届出をすることとされています。[参照:厚生労働省]

したがって、「5日程度しか空かないから国保には加入しなくてよい」という例外が自動的に適用されるわけではありません。

退職後の健康保険には国保以外にも3つの選択肢がある

協会けんぽでは、退職後の健康保険について「健康保険の任意継続」「国民健康保険」「家族の健康保険の被扶養者」という3つの選択肢を案内しています。[参照:協会けんぽ]

選択肢 主なポイント
国民健康保険 住所地の市区町村で加入手続きをする
健康保険の任意継続 一定条件を満たせば退職前の健康保険を継続できる
家族の健康保険の扶養 収入など被扶養者の認定条件を満たす必要がある

例えば配偶者が会社員で、その健康保険の被扶養者となる条件を満たすなら、短期間だけ扶養に入る方法が可能か保険者へ確認できます。ただし数日後に再就職するケースでは事務手続きのタイミングもあるため、実際に認定可能かは家族の勤務先や健康保険組合などへの確認が必要です。

任意継続の場合、協会けんぽでは退職日までに継続して2か月以上の被保険者期間があることなどが条件で、退職日の翌日から20日以内に申請する必要があります。[参照:協会けんぽ]

数日のために国保へ加入しても1日単位の保険料になるとは限らない

ここで注意したいのが国民健康保険料です。「5日だけ加入するなら、1か月分の5日分だけ払えばよい」とは限りません。国民健康保険料は一般に日割りではなく月単位で計算され、具体的な算定方法は自治体によって定められています。

一方で健康保険料には月末時点の資格が重要になるため、退職日と再就職日の位置関係によって実際に国民健康保険料が発生する月が変わることがあります。そのため「数日だけだから必ず国保1か月分を支払う」「数日なら絶対に保険料はかからない」のどちらとも一律にはいえません。

例えば月末をまたがず、同じ月の10日に前職を退職して15日に再就職するケースと、28日に退職して翌月3日に再就職するケースでは状況が異なります。後者では月末時点で国民健康保険の資格を持つことになる可能性があるため、特に保険料を確認しておきたいケースです。

国民健康保険料は前年所得や世帯構成などによっても変わり、市区町村によって算定方法が異なります。実際の金額は住所地の国民健康保険窓口へ確認するのが確実です。[参照:協会けんぽ]

「病院に行かなければ国保に入らなくてもいい」は危険

空白期間が数日しかないと、「その間に病院へ行かなければ問題ない」と考えてしまうことがあります。しかし国民健康保険への加入資格は、病院を利用したかどうかで決まるものではありません。

また、健康保険がない期間に事故や急病が起きる可能性はゼロではありません。数日間でも骨折や急性疾患などで医療機関を受診すれば、高額な医療費が発生する可能性があります。

さらに、国保の加入手続きを遅らせても、本来の資格取得日までさかのぼって加入扱いとなり、保険料もさかのぼって請求されることがあります。「使わなかったから加入しなくてよい」という考え方ではありません。

したがって、短期間の転職でも、健康保険の空白を放置するのではなく、自分がどの制度に加入するのかを決めて必要な手続きをすることが基本です。

国民年金も20歳以上60歳未満なら確認が必要

健康保険だけでなく、20歳以上60歳未満の人は年金の切り替えにも注意が必要です。会社を退職して厚生年金の資格を失い、次の会社で厚生年金に加入するまで期間が空く場合、原則としてその期間は国民年金第1号被保険者となるため、切り替え手続きが必要になります。

日本年金機構では、会社を退職したとき、再就職するまで期間が空く場合には国民年金の手続きが必要であると案内しています。[参照:日本年金機構]

ただし国民年金保険料についても月単位で扱われるため、退職・再就職の日付によって実際に納付が必要となる月が変わります。健康保険と年金は似ていますが別制度なので、市区町村または年金事務所で確認すると確実です。

手続き前に退職日と転職先の「資格取得日」を確認する

転職時に最も重要なのは、「新しい会社への出勤日」だけではなく、新しい健康保険・厚生年金の資格取得日を確認することです。

例えば3日から勤務開始でも、雇用条件によって社会保険の加入対象かどうかが問題になる場合があります。新しい会社の人事・総務担当者へ「健康保険と厚生年金の資格取得日は3日で間違いないか」と確認しておくと安心です。

3日付で資格取得することが確認できたら、前職の資格喪失日から2日までの期間について、国民健康保険、任意継続、家族の扶養のいずれにするかを検討します。

国民健康保険を選ぶ場合には、退職した会社から健康保険資格喪失証明書などを受け取り、住所地の市区町村へ必要書類を確認して手続きを進めます。新しい会社の健康保険へ加入した後は、国民健康保険の脱退手続きも忘れないようにしましょう。

まとめ:退職から再就職まで数日でも健康保険の空白は原則そのままにしない

28日に会社を退職し、翌月3日に新しい会社の健康保険へ加入する場合、前職の健康保険は原則28日までとなり、29日から翌月2日まで健康保険の空白期間が生じます。

空白が5日程度しかなくても、「1週間未満なら国民健康保険に加入しなくてよい」という一般的な免除ルールはありません。ほかの健康保険に加入せず、家族の被扶養者にもならないのであれば、原則として国民健康保険への加入手続きが必要です。

ただし退職後には、国民健康保険だけでなく前職の健康保険の任意継続や家族の健康保険の扶養という選択肢もあります。また、20歳以上60歳未満なら厚生年金が空く期間について国民年金の手続きも確認する必要があります。

転職まで数日しかないケースでは、まず前職の健康保険資格喪失日と新しい会社の社会保険資格取得日を確認し、そのうえで住所地の市区町村へ「この日程の場合、国保の加入・脱退手続きと保険料はどうなるか」を確認するのが確実です。短期間だからと自己判断で空白のままにせず、必要な手続きを済ませておくことが大切です。

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