保険のパンフレットや設計書を見ていると、返戻率が100%を超えている商品を見かけることがあります。数年前までは返戻率が100%未満の商品も多かったため、「こんなに戻るのは詐欺ではないか」「何か裏があるのではないか」と感じる人も少なくありません。しかし、高返戻率の保険には一定の仕組みがあり、必ずしも怪しい商品というわけではありません。
返戻率とは何か
返戻率とは、支払った保険料の総額に対して、将来受け取れる解約返戻金や満期保険金が何%になるかを示す指標です。
例えば、総払込保険料が500万円で、将来受け取れる金額が550万円なら返戻率は110%となります。
| 払込保険料 | 受取額 | 返戻率 |
|---|---|---|
| 500万円 | 450万円 | 90% |
| 500万円 | 500万円 | 100% |
| 500万円 | 550万円 | 110% |
ただし、返戻率だけでは保険の良し悪しは判断できません。
なぜ最近は返戻率が高い保険が増えたのか
近年は金利環境の変化により、一部の終身保険や外貨建て保険、一時払い保険などで返戻率が改善しているケースがあります。
また、保険会社は契約者を増やすために、保障を必要最小限に抑え、その分を積立部分に回す設計の商品を販売しています。その結果、返戻率が100%を超える商品が珍しくなくなりました。
特に契約から10年、20年といった長期間保有を前提とした商品では、高い返戻率が提示されることがあります。
返戻率が高くても詐欺とは限らない理由
生命保険会社は厳しい監督のもとで運営されており、認可を受けた保険商品であれば、返戻率が高いだけで詐欺ということは通常ありません。
ただし、パンフレットに記載された返戻率には条件がある場合があります。
- 一定年齢まで解約しないことが前提
- 予定利率が維持される前提
- 外貨建ての場合は為替変動を考慮していない
- 税金や手数料を考慮していない
数字だけを見るのではなく、どの条件でその返戻率になるのかを確認することが重要です。
高返戻率商品の注意点
返戻率が高い商品には、途中解約時の元本割れリスクが存在することがあります。
例えば20年後の返戻率が115%でも、契約から5年以内に解約すると返戻率が60%〜80%程度しかないケースも珍しくありません。
また、外貨建て保険の場合は円換算で受け取る際に為替相場の影響を受けるため、設計書上では高返戻率でも実際には想定を下回ることがあります。
返戻率が高い=いつ解約しても得をするという意味ではありません。
保険を比較するときのチェックポイント
返戻率だけでなく、次のポイントも確認すると判断しやすくなります。
- 何年後に返戻率がピークになるか
- 途中解約時の返戻率はどうか
- 死亡保障や医療保障の内容
- 外貨建てか円建てか
- 契約者配当の有無
- 保険会社の財務健全性
同じ110%の返戻率でも、10年後に達成する商品と30年後に達成する商品では価値が大きく異なります。
まとめ
返戻率が100%を超える保険は、現在では珍しいものではなく、必ずしも詐欺や怪しい商品を意味するわけではありません。金利環境や商品の設計によって高い返戻率が実現されているケースがあります。
ただし、返戻率だけに注目すると途中解約リスクや為替リスクを見落とす可能性があります。契約前には返戻率が達成される条件や保障内容を十分に確認し、自分の資金計画に合った商品かどうかを判断することが大切です。

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