病気やケガで会社を休んだ場合に受け取れる傷病手当金ですが、支給額の計算に使われる「標準報酬月額」がどのように決まるのか分かりにくい部分があります。特に、休業開始前に有給休暇を取得した月や給与が少なくなった月がある場合、計算に影響するのか気になる方も多いでしょう。この記事では、傷病手当金の標準報酬月額の決まり方や、有給休暇を取得した月の扱いについて詳しく解説します。
傷病手当金の支給額は標準報酬月額を基準に計算される
傷病手当金は、健康保険から支給される生活保障の制度で、病気やケガによって仕事を休み、給与の支払いが十分に受けられない場合に利用できます。
支給される金額は、単純に休業前の給与額だけで決まるわけではなく、「支給開始日以前12か月間の各月の標準報酬月額の平均額」をもとに計算されます。
標準報酬月額とは、毎月の給与を一定の区分に分けたもので、健康保険料や厚生年金保険料を計算するときにも使われる基準です。
有給休暇を取得した月の給与は標準報酬月額に影響するのか
病気で休む前に有給休暇を取得した場合でも、その月の給与が支払われている限り、通常はその月も標準報酬月額の計算対象期間に含まれます。
ただし、注意したいのは「その月に実際にもらった給与額」と「標準報酬月額」は必ずしも同じではないという点です。
例えば、6月に11日間だけ有給休暇を取得し、その後欠勤して給与が大きく減った場合でも、標準報酬月額は会社から届け出されている標準報酬月額を基準に判断されます。給与が少なかった月だから必ず標準報酬月額が下がるというわけではありません。
傷病手当金の計算対象となる12か月の考え方
傷病手当金の計算では、原則として支給開始日の以前12か月間に設定されている標準報酬月額を使用します。
例えば、2026年6月から傷病手当金の支給対象となる場合、基本的には支給開始日以前の12か月分の標準報酬月額が確認されます。
ただし、実際の対象期間は「傷病手当金の支給開始日」が基準になります。そのため、単純にカレンダー上の6月から過去12か月を数えるだけではなく、健康保険上の支給開始日を確認することが重要です。
給与が減った月がある場合の注意点
休業によって給与が減った場合でも、その影響がすぐに傷病手当金の計算額へ反映されるとは限りません。
標準報酬月額は毎月の給与額をそのまま使う制度ではなく、定時決定や随時改定によって決まります。
例えば、6月に有給休暇を11日取得し、その後休職したことで給与が少なくなった場合でも、その時点で標準報酬月額が変更されていなければ、以前の標準報酬月額を基準に計算される可能性があります。
標準報酬月額が変更されるタイミング
標準報酬月額は、主に毎年1回行われる定時決定や、給与が大きく変動した場合の随時改定によって変更されます。
そのため、病気による一時的な休業や有給取得だけで、すぐに標準報酬月額が変わるわけではありません。
ただし、休職期間が長く続く場合や給与体系が変わった場合などは、会社の社会保険担当者や加入している健康保険組合へ確認すると確実です。
傷病手当金の計算で確認すべきポイント
傷病手当金の金額を正確に把握するためには、以下の点を確認すると安心です。
- 傷病手当金の支給開始日がいつになるか
- 支給開始日前12か月間の標準報酬月額はいくらか
- 休業前に給与の変更や随時改定があったか
- 加入している健康保険のルール
例えば、同じ6月から休業した場合でも、6月1日から傷病手当金の待期期間が始まるのか、給与の支払い状況によって支給開始日が変わるのかで確認する期間も変わります。
まとめ
傷病手当金の基準となる標準報酬月額は、休業した月の実際の給与額だけで決まるものではなく、支給開始日前12か月間の標準報酬月額をもとに計算されます。
病気による休業前に有給休暇を取得した月についても、基本的には計算期間の対象になりますが、有給取得によって給与が少なくなったからといって必ず傷病手当金が減るとは限りません。
具体的な計算期間や標準報酬月額については、会社の人事・総務担当者や加入している健康保険者へ確認することで、より正確な金額を把握できます。


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