国民年金の保険料と、会社員が加入する厚生年金の保険料を比べると、月々の支払額だけを見ると厚生年金の一部の等級では国民年金より少なく感じることがあります。しかし、年金制度は単純に支払った金額だけで将来の受給額が決まる仕組みではありません。この記事では、国民年金と厚生年金の違いや、保険料が少ない場合に受給額へどのような影響があるのかをわかりやすく解説します。
国民年金と厚生年金はそもそも仕組みが違う
日本の公的年金制度は、大きく分けると国民年金と厚生年金の2種類があります。国民年金は日本国内に住む20歳から60歳未満のすべての人が加入する基本的な年金で、厚生年金は会社員や公務員などが加入する制度です。
国民年金の場合は、加入者が決められた保険料を毎月支払い、40年間納付すると満額の老齢基礎年金を受け取る仕組みです。一方、厚生年金は給与や賞与の金額に応じて保険料が決まり、その中には国民年金にあたる基礎年金部分も含まれています。
つまり、厚生年金に加入している人は、国民年金だけを払っている人とは異なり、将来的には基礎年金に加えて厚生年金部分も受給する可能性があります。
厚生年金の保険料が国民年金より安く見える理由
厚生年金の保険料は、給与額によって決まるため、収入が低い人の場合は月々の本人負担額が国民年金保険料より少なく見えることがあります。
しかし、厚生年金の保険料は本人だけが全額負担しているわけではありません。会社員の場合、保険料は会社と本人が半分ずつ負担する仕組みになっています。
例えば、厚生年金保険料が月額17,000円程度の場合でも、実際には会社側も同程度を負担しています。そのため、本人の支払額だけを比較して、将来もらえる年金が少ないと判断することはできません。
厚生年金の低い等級でも国民年金より受給額が少なくなるとは限らない
厚生年金の受給額は、加入期間中の給与水準や加入期間によって計算されます。そのため、低い給与で短期間だけ加入した場合は、厚生年金部分の上乗せ額が少なくなることはあります。
ただし、厚生年金加入者も国民年金の加入期間を満たしていれば、老齢基礎年金を受け取ることになります。そのため、厚生年金保険料の本人負担額が国民年金保険料より少ないからといって、必ず国民年金だけの人より受給額が低くなるわけではありません。
例えば、会社員として20年間厚生年金に加入した人は、その期間の給与に応じた厚生年金が上乗せされます。一方、国民年金のみの場合は基礎年金部分のみとなります。
国民年金だけの場合と厚生年金加入者の違い
国民年金だけに加入している自営業者やフリーランスの場合、受け取れる年金は基本的に老齢基礎年金のみです。そのため、将来の受給額を増やしたい場合は、付加年金や国民年金基金などを利用する人もいます。
一方、厚生年金加入者は給与から自動的に保険料が引かれ、会社負担分もあるため、同じ期間加入した場合でも年金制度上は手厚い仕組みになっています。
そのため、現在の毎月の負担額だけではなく、加入期間や会社負担分、将来受け取る年金の種類まで含めて考えることが大切です。
年金額を考えるときに確認すべきポイント
自分が将来どのくらい年金を受け取れるかを知るには、現在の保険料だけを見るのではなく、加入している年金制度や加入期間を確認する必要があります。
具体的には、日本年金機構の「ねんきんネット」などを利用すると、これまでの加入状況や将来の年金見込み額を確認できます。
また、転職や働き方の変更によって国民年金と厚生年金の加入状況が変わることもあるため、人生の節目ごとに自分の年金記録を確認しておくと安心です。
まとめ|年金は支払額だけでなく制度全体で考えることが大切
国民年金と厚生年金では、保険料の決まり方や負担方法が大きく異なります。厚生年金の一部の等級で本人負担額が国民年金保険料より少なく見えても、それだけで将来の受給額が少なくなるとは限りません。
厚生年金には会社負担分があり、国民年金の基礎年金に加えて報酬比例部分が受け取れる仕組みになっています。
年金について考える際は、毎月いくら払っているかだけではなく、どの制度に加入しているのか、どれくらいの期間加入するのかを含めて判断することが重要です。


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