退職後に支払われた給与の明細を見て、予想以上に所得税が引かれて驚くケースは少なくありません。特に「乙欄」で課税されている場合、通常よりも高い税率が適用されるため、手取りが大きく減ることがあります。本記事では、退職後の給与が乙欄で処理される理由や、確定申告での還付の仕組み、具体的な還付額の目安について詳しく解説します。
なぜ退職後の給与は乙欄で課税されるのか
所得税の源泉徴収には「甲欄」と「乙欄」があり、通常は主たる勤務先で「甲欄」が適用されます。
しかし退職後に支払われる給与は、扶養控除等申告書が提出されていない状態とみなされるため、「乙欄」での課税となるケースがあります。
乙欄は控除が考慮されないため、高い税率で多めに徴収される仕組みです。
乙欄で引かれた税金は損ではなく「仮払い」
乙欄で多く引かれた所得税は、最終的な税額ではなくあくまで仮の徴収です。
そのため、年間の所得が確定した段階で正しい税額を計算し、払い過ぎていれば還付されます。
この調整を行うのが「年末調整」または「確定申告」です。
転職後に働いた場合の正しい処理方法
年内に再就職した場合は、新しい会社に前職の源泉徴収票を提出することで、年末調整でまとめて精算されます。
つまり、1月〜3月分も含めて新しい会社で調整されるため、基本的には確定申告は不要です。
ただし、年末調整に間に合わなかった場合は、自分で確定申告を行う必要があります。
退職後に働かない場合は確定申告が必要
その年に再就職しない場合は、年末調整が行われないため、自分で確定申告を行う必要があります。
この場合、1月〜3月分(甲欄)と3月分の乙欄給与を合算して、正しい所得税が計算されます。
結果として、乙欄で引かれすぎた税金が還付される可能性が高いです。
具体例:還付額のざっくりシミュレーション
例えば以下の条件を考えます。
・3月給与:80万円
・源泉徴収(乙欄):約29万円
・社会保険料:約4.6万円
この場合、年間所得がこの80万円程度のみであれば、基礎控除(48万円)などを差し引くと課税所得はかなり低くなります。
その結果、実際の所得税は数万円程度、もしくはほぼゼロになる可能性もあります。
つまり、約29万円の大半が還付される可能性が高いと考えられます。
源泉徴収票が分かれている場合の扱い
退職時には複数の源泉徴収票が発行されることがあります。
この場合でも、確定申告ではすべて合算して申告するため、分かれていても問題ありません。
重要なのは、すべての収入をまとめて申告することです。
まとめ:乙欄の高額課税は後でほぼ戻る
退職後の給与が乙欄で処理されると、一時的に大きな税額が引かれますが、それは最終的な税額ではありません。
ポイントを整理すると以下の通りです。
- 乙欄は控除なしのため税額が高くなる
- 確定申告や年末調整で正しい税額に修正される
- 多くの場合、払い過ぎた分は還付される
一時的な負担に驚くこともありますが、制度を理解して正しく手続きを行えば問題ありません。早めに準備を進めて、確実に還付を受けましょう。

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