フリーターから会社員になり厚生年金へ加入すると、「国民年金の未払い分と厚生年金が重複して請求されているのでは?」と疑問に感じることがあります。特に入社した月の給与が少ないにもかかわらず、厚生年金保険料が高額に見えると不安になる人も少なくありません。
しかし、国民年金と厚生年金では保険料の計算方法や納付対象となる期間が異なります。この記事では、国民年金から厚生年金へ切り替わった際の保険料の考え方、入社月の厚生年金保険料が高く感じる理由、未納分の扱いについて詳しく解説します。
国民年金から厚生年金に変わった月は二重払いになるのか
会社員として厚生年金に加入した場合、その月以降は国民年金の第1号被保険者ではなくなります。そのため、同じ月について国民年金と厚生年金を二重に支払うことは基本的にありません。
ただし、過去に滞納していた国民年金保険料については別の扱いになります。例えば、1月から5月まで国民年金保険料を滞納していて、6月末に会社へ入社した場合、6月からは厚生年金になりますが、1月から5月分の未納分は後から支払う必要があります。
つまり、「過去の未納分」と「会社員になってから加入する厚生年金」は別々に管理されるため、未納分が厚生年金保険料にまとめて上乗せされることはありません。
厚生年金保険料は出勤日数ではなく標準報酬月額で決まる
厚生年金保険料は、その月に何日働いたかではなく、基本的には「標準報酬月額」という区分をもとに計算されます。
標準報酬月額とは、毎月の給与を一定の幅ごとに区分したもので、基本給だけでなく残業手当や各種手当なども含めて決定されます。
そのため、月末に入社して実際の勤務日数が少なかった場合でも、加入条件を満たして厚生年金に加入した月については、1か月分の保険料が発生することがあります。
入社した月の給与が少ないのに厚生年金が高く感じる理由
厚生年金保険料は、その月に実際にもらった給与額から単純計算されるわけではありません。例えば、6月末に入社して6月の給与が7万7000円程度だったとしても、その金額だけを基準に保険料が決まるわけではありません。
入社時には、会社が「資格取得時決定」という手続きを行い、契約上の給与額などをもとに標準報酬月額を届け出ます。
例えば、月給20万円程度で雇用契約を結んだ場合、実際の初月給与が勤務日数の関係で少なくても、標準報酬月額は20万円前後の等級になることがあります。その結果、本人負担分の厚生年金保険料が2万円前後になるケースがあります。
厚生年金保険料の本人負担額の計算方法
厚生年金保険料率は18.3%で固定されており、会社と本人が半分ずつ負担します。そのため、本人負担分は給与の約9.15%相当になります。
例えば標準報酬月額が20万円の場合、単純計算では以下のようになります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 標準報酬月額 | 20万円 |
| 厚生年金保険料率 | 18.3% |
| 全体の保険料 | 36,600円 |
| 本人負担分 | 18,300円 |
このように、本人負担分だけを見ると国民年金保険料と大きく変わらない程度になる場合があります。ただし、厚生年金では会社も同額を負担しており、将来受け取る年金額にも反映されます。
国民年金の滞納分はいつ支払えばよいのか
会社員になった後でも、過去の国民年金未納期間が自動的になくなるわけではありません。未納分については、日本年金機構から納付書を使って支払うことになります。
例えば、会社員になる前の3か月分を滞納していた場合、その3か月分は厚生年金加入後でも納付する必要があります。
ただし、国民年金保険料には納付期限や時効があります。未納期間がある場合は、早めに年金事務所へ確認し、支払い可能な期間を確認することが大切です。
入社時の年金保険料で確認すべきポイント
厚生年金の金額に疑問を感じた場合は、給与明細だけで判断せず、以下の点を確認すると原因が分かりやすくなります。
- 厚生年金の資格取得日がいつになっているか
- 会社が届け出た標準報酬月額はいくらか
- 給与明細の厚生年金保険料額が等級と一致しているか
- 国民年金の未納期間が別途残っていないか
特に月末入社の場合は、資格取得日の扱いによってその月の保険料が発生するかどうかが変わるため、会社や年金事務所に確認することが安心につながります。
まとめ|国民年金の未納分と厚生年金保険料は別に考える
フリーターから会社員になった場合、過去の国民年金未納分と、入社後の厚生年金保険料が同じものとして処理されることはありません。
また、厚生年金保険料は実際の出勤日数や初月の給与額ではなく、標準報酬月額をもとに計算されるため、入社直後の給与が少なくても一定額の保険料が発生することがあります。
保険料が高いと感じた場合は、二重払いを疑う前に資格取得日や標準報酬月額を確認することで、正しい計算かどうか判断できます。

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