75歳になると、それまで加入していた国民健康保険から後期高齢者医療制度へ移行します。その際、「所得がないのに保険料が急に上がった」「非課税なのになぜ負担が増えるのか」と疑問を感じる方は少なくありません。
後期高齢者医療制度は、75歳以上の方を対象にした独立した医療保険制度で、保険料の計算方法も国民健康保険とは異なります。この記事では、75歳以降に医療保険料が変わる理由や、負担が増えるケース、制度の考え方について分かりやすく解説します。
75歳になると国民健康保険から後期高齢者医療制度へ変わる
日本では75歳の誕生日を迎えると、それまで加入していた国民健康保険などから自動的に後期高齢者医療制度へ移行します。
これは、75歳以上の高齢者を対象にした医療制度で、都道府県ごとの後期高齢者医療広域連合が運営しています。国民健康保険とは別の制度になるため、保険料の計算方法や負担割合も変わります。
そのため、74歳までの国民健康保険料と75歳以降の後期高齢者医療保険料を単純に比較すると、「急に高くなった」と感じることがあります。
非課税所得でも後期高齢者医療保険料が発生する理由
住民税非課税世帯であっても、後期高齢者医療保険料がゼロになるとは限りません。
後期高齢者医療保険料には、所得に応じて決まる所得割と、加入者全員に一定額がかかる均等割があります。所得が少ない場合は均等割の軽減制度がありますが、一定の負担が残る仕組みになっています。
例えば、年金収入が少なく住民税非課税となっている方でも、制度上必要な医療費を支えるため、最低限の保険料負担が設定されています。
なぜ75歳から負担が増えたように感じるのか
国民健康保険料と後期高齢者医療保険料では、計算方法が違うため、同じ収入状況でも金額が変わることがあります。
また、国民健康保険では世帯単位で計算される部分がありますが、後期高齢者医療制度では被保険者一人ごとに保険料が計算されます。
さらに、医療費の増加や高齢者人口の増加により、制度全体を維持するために保険料率が見直されることもあります。
後期高齢者医療制度は高齢者だけが負担している制度ではない
後期高齢者医療制度は、75歳以上の方の保険料だけで医療費をまかなっているわけではありません。
高齢者の医療費は、本人が支払う保険料のほか、現役世代からの支援金、公費によって支えられています。
高齢者の医療費が増える一方で、現役世代の人口が減少しているため、世代間の負担バランスを調整することが制度上の大きな課題になっています。
保険料が高く感じる場合に確認したいこと
後期高齢者医療保険料の通知が届いた場合、まず確認したいのは計算内容です。
- 前年の所得が正しく反映されているか
- 年金収入の申告内容に誤りがないか
- 保険料軽減の対象になっていないか
- 世帯状況による影響がないか
例えば、所得が大きく変化していないにもかかわらず保険料が大幅に増えた場合は、市区町村の担当窓口に確認することで、計算内容を詳しく説明してもらえます。
また、自治体によっては保険料の減免制度や相談窓口が用意されている場合があります。
医療保険制度の負担は今後も議論される課題
高齢化が進む日本では、医療制度を維持するための費用負担は大きな社会的課題になっています。
75歳以上の人口が増える一方で、働く世代が減少しているため、保険料や公費負担のあり方については継続的に見直しが行われています。
そのため、現在の制度が将来も同じ形で続くとは限らず、制度変更によって負担額が変わる可能性もあります。
まとめ|75歳から保険料が変わるのは制度変更によるもの
75歳になると国民健康保険から後期高齢者医療制度へ移行するため、保険料の計算方法が変わります。非課税所得であっても均等割などの負担が発生するため、保険料が高くなったと感じる場合があります。
ただし、これは個人だけを対象にした特別な負担ではなく、高齢者医療を社会全体で支える仕組みの中で決められています。
保険料に疑問を感じた場合は、通知書の内容を確認し、市区町村や後期高齢者医療の窓口で軽減制度の対象になるか相談することが大切です。


コメント