発達障害(ADHDやASDなど)を抱える方が障害基礎年金を申請する場合、申立書の書き方や証拠の揃え方次第で、受給の可否が大きく変わります。今回は、特に「病歴・就労状況等申立書」の記載時に意識すべきポイントや、実際の審査で重視される要素について具体的に解説します。
障害基礎年金における発達障害の評価基準とは
障害基礎年金の審査では、日常生活能力の程度が主に評価されます。発達障害があっても就労や日常生活が問題なく行えていると判断された場合、支給されないこともあります。
そのため、「困難な状況」「支援が必要な場面」「就労継続の難しさ」などを明確に伝えることが非常に重要です。
「病歴・就労状況等申立書」に記載すべき内容とコツ
申立書では、以下のようなエピソードや具体例を記載することが効果的です。
- 仕事を複数回辞めた経験とその理由(指示が理解できない、ミスが多い、人間関係が築けない等)
- 日常生活での困難(買い物がうまくできない、時間通りに行動できない、対人恐怖など)
- 家族や支援者からのサポート内容(日常的な声かけ、通院付き添い、金銭管理など)
「事実を簡潔に、感情ではなく行動の客観的な結果を重視して記載する」ことがポイントです。
受給につながりやすくなる書き方のポイント
申立書を通じて、「どのような場面で、どう困り、どのようなサポートが必要なのか」を一貫した形で伝えましょう。
例。
「〇年〇月頃、〇〇会社に入社したが、指示をうまく理解できず、周囲とのトラブルが頻発した。半年で退職となり、その後も短期雇用を繰り返している。」
また、現在の状況に加えて、過去から現在までの経過を時系列で丁寧に記すと信頼性が増します。
医師の診断書との整合性も意識しよう
病歴・就労状況等申立書は、医師の診断書と内容が一致していることが重要です。記載内容が食い違うと、信憑性が損なわれてしまうリスクがあります。
可能であれば、厚生労働省のガイドラインなども参考にしながら、主治医と事前に内容をすり合わせることをおすすめします。
日常生活能力のチェックポイントを押さえる
障害年金の審査では、「食事」「清潔保持」「金銭管理」「対人関係」などの項目ごとに評価されます。これらのうち、どれにどの程度支障があるかを申立書に盛り込むと説得力が増します。
例として、「金銭管理ができず、月の途中で生活費を使い切ってしまう」「清掃や洗濯が継続的にできず、家族に依存している」などの具体的な困りごとを記載します。
まとめ:丁寧な申立書作成が受給への鍵
発達障害による障害基礎年金の申請では、「病歴・就労状況等申立書」の書き方が審査に大きく影響します。感情ではなく事実を具体的に、かつ医師の診断書との整合性を保つことが成功のポイントです。
不安がある場合は、障害年金の専門家(社労士)に相談することも一つの選択肢です。自分に合った支援を受け、制度を上手に活用していきましょう。
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