ボーナス(賞与)を受け取るタイミングは嬉しいものですが、支給額を見て「思ったより手取りが少ない」と感じることもあるかもしれません。これは賞与に対しても社会保険料がかかっているためです。この記事では、賞与時に引かれる保険料の仕組みや計算方法について詳しく解説します。
賞与にも社会保険料はかかる
賞与に対しても、健康保険・厚生年金保険・介護保険(40歳以上)・雇用保険などの社会保険料が課されます。これは給与と同様であり、「労働の対価」として支給される性質のためです。
ただし、計算の仕組みは給与と少し異なるため、注意が必要です。
賞与にかかる保険料の計算方法
賞与の場合は「標準賞与額」という概念が使われ、実際に支給された賞与の金額に対して一定の保険料率が適用されます。
例えば、健康保険であれば、都道府県ごとの保険料率が用いられ、厚生年金は全国一律の料率(2024年度は18.3%。労使折半で本人負担は約9.15%)が適用されます。
給与との違い:等級がないため単純に計算される
通常の給与は「標準報酬月額」に基づいて等級ごとに保険料が決まりますが、賞与には等級がなく、支給額にそのまま保険料率をかけて計算されます。
たとえば、40歳以上の方が50万円の賞与を受け取る場合、以下のような保険料がかかります(概算)。
保険種類 | 料率(本人負担分) | 控除額(概算) |
---|---|---|
健康保険 | 10.00%(地域により異なる) | 50,000円 |
厚生年金 | 9.15% | 45,750円 |
介護保険 | 1.73% | 8,650円 |
合計:約104,400円が控除されます。
賞与にも上限がある「標準賞与額の限度」
社会保険料の計算には上限も設けられています。たとえば厚生年金は、「1回の賞与につき150万円まで」が標準賞与額の上限です。
このため、賞与がそれを超える場合でも、保険料の対象は150万円に限られます。
手取りを把握するためのポイント
賞与明細書には、社会保険料・所得税などの控除項目が記載されています。事前に「保険料率 × 支給額」の計算をしておくことで、手取り額の目安がわかります。
また、年末調整や住民税への影響もあるため、年間の支給総額と合わせてチェックしておきましょう。
まとめ:賞与も給与と同じように社会保険料がかかる
賞与に対する保険料の計算は、給与と同じ割合の料率が適用されますが、計算方法や控除の形式に違いがあります。「給与と同じ割合で引かれる」と理解しておくと概ね正解ですが、賞与特有のポイントも知っておくと安心です。
事前に明細やシミュレーションで確認し、税金や社会保険料の負担に備えておくことが大切です。
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