毎年6月になると住民税が更新され、給与明細を見て驚く方も多いのではないでしょうか。特に前年に収入が増加していた場合は、住民税の負担が一気に増えることがあります。この記事では、住民税が高くなる仕組みと、現在の収入状況に合った納税ができる方法について解説します。
住民税が前年の収入で決まる仕組み
住民税は「前年の所得」に基づいて計算されます。例えば、2025年6月から支払う住民税は、2024年1月〜12月の収入が元になります。そのため、残業が多かった年の翌年には、住民税が一気に増えることがあります。
一時的な収入増(例:残業代が多かった月が続いた)であっても、それが前年の所得に含まれる限り、1年間は高い住民税を支払う必要があります。
現時点の収入が減っても税額は変わらない
住民税は「前年の収入」に固定されているため、今年の収入が減っていても税額がすぐに変わることはありません。 そのため、「去年はたくさん稼いだが、今年は手取りが減った」という状況でも、税金は前年の好調な年を基に課税されてしまいます。
このように、住民税には収入変動を即時反映させる柔軟性がなく、現在の生活実態に合っていないと感じる方が少なくありません。
住民税が払えないときにできること
住民税が高くなりすぎて支払いが難しい場合、以下のような救済措置が利用できます。
- 住民税の分割納付申請:役所に相談し、月額の支払いを抑えた分割払いが可能
- 住民税の減免制度:所得が大幅に減少した場合など、条件を満たせば減免を申請できる
- 徴収方法の変更:普通徴収(自分で納付)から特別徴収(給与天引き)への変更相談
市区町村の窓口に行けば、あなたの収入状況に応じた柔軟な対応が可能なケースもあります。早めに相談しておくことが大切です。
住民税を軽減する長期的な対策
住民税の負担を少しでも抑えたい場合、以下のような工夫も有効です。
- ふるさと納税:自己負担2,000円で住民税・所得税を控除可能
- iDeCo(個人型確定拠出年金):掛金が全額所得控除されるため、住民税にも効果的
- 医療費控除・配偶者控除などの見直し:申告漏れがないか確認
控除制度は複雑なので、毎年の年末調整や確定申告時にしっかりと確認することがポイントです。
実際の例:手取りが減っても税額は据え置き
ある会社員の方は、2024年に残業が月40時間を超える状態が続き、年収が一気に増えました。しかし2025年から残業がなくなり、手取りが約6万円も減少。それでも住民税は前年収を基に計算されているため、毎月の控除額は変更されませんでした。
この方は市役所に相談し、住民税の分割納付を申請。月額支払いを分けてもらい、生活のバランスを取り戻すことができました。
まとめ:納税の仕組みを理解して賢く対応
住民税が急に増えても、納付方法や軽減制度を活用することで無理なく対応できる可能性があります。大切なのは、「高くなったまま我慢する」のではなく、制度を知って自分に合った方法を選ぶことです。
まずはお住まいの自治体の税務課や相談窓口へ足を運び、あなたの状況に合ったアドバイスを受けてみましょう。
コメント