60歳・貯金なし・国民年金のみでも生活できる？老後資金ゼロからの現実的な生き方と選択肢

人生100年時代、60歳を迎えてもなお「これから」を考えることは決して遅くありません。もし、貯金ゼロ・国民年金のみの状況でも、生活保護に頼らずに生きていく選択肢は存在します。本記事では、そんな不安に寄り添い、現実的な視点で乗り越える方法を解説します。

国民年金のみの生活水準とは

令和6年度の国民年金の満額支給額は年額約80万円、月額にして約66,000円です。これが老後の唯一の収入だとすると、家賃や食費、光熱費をまかなうのは厳しいのが実情です。

たとえば、家賃が5万円の場合、生活費に使えるのは月に1〜2万円しか残りません。現実的には年金だけでの単身生活は困難であり、何らかの追加収入や支援が不可欠です。

高齢者向けの就業支援は年々拡充しています。ハローワークには「生涯現役支援窓口」があり、シニア向け求人を紹介してくれます。また、近年ではシニア専門の派遣会社やアルバイト情報サイトも充実しています。

例として、清掃業務や施設の警備員、スーパーの品出し、マンション管理員など、60代でも採用されやすい職種があります。70代まで継続勤務できる企業も増加中です。

住居費が生活に占める割合は大きいため、家賃負担を軽減できる選択が重要です。公営住宅への入居や、自治体による家賃補助、または地方移住も検討に値します。

また、自治体やNPOが行っている低所得者向け支援サービス（フードバンクや光熱費の一部補助）を活用することで、支出を減らすことが可能です。

65歳未満で厚生年金に加入して働いた場合、収入が一定額を超えると「在職老齢年金」によって年金が減額される仕組みがあります。しかし、国民年金のみの場合、この制度の影響はありません。

つまり、60代前半は働きながら年金を満額受け取れるため、むしろ収入の底上げができるチャンスと考えられます。

生活保護に頼らずに済む制度として、住居確保給付金（家賃補助）、就労準備支援、緊急小口資金などが存在します。生活に困窮しても、まずは福祉事務所や地域包括支援センターに相談を。

また、60歳以上対象の「高年齢求職者給付金」など、失業時の支援制度もあります。

貯金ゼロ・年金のみという状況でも、生活保護に頼らずに生きていくための方法は確かに存在します。シニア雇用の拡大や自治体の支援制度など、今後を支える選択肢は多様化しています。

「まだ何とかなる」ではなく、今のうちから現実を直視し、できる対策を講じることが大切です。60歳はまだスタートライン。安心して老後を迎えるための一歩を、今から踏み出してみましょう。