近年、非正規雇用者の待遇改善が進む中で、「アルバイトでも社会保険に入れるのか?」という疑問を持つ方が増えています。特に月80時間勤務のようにフルタイムに近い働き方をしている場合、その可能性は高まります。本記事では、社会保険に加入できる条件と具体例を交えてわかりやすく解説します。
そもそも社会保険とは?
社会保険とは、健康保険・厚生年金保険・介護保険(40歳以上)などを含む公的保険制度の総称です。会社員や公務員が基本的に加入していますが、一定の条件を満たすパート・アルバイトも加入対象となります。
加入すると保険料の一部は事業主が負担してくれるため、自分で国民健康保険・国民年金に加入するより負担が軽くなることが多いのが特徴です。
社会保険に加入できるアルバイトの条件
2022年10月からの法改正により、以下の条件すべてを満たす場合、アルバイトでも社会保険に加入することが義務付けられています(主に従業員数101人以上の企業が対象)。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が88,000円以上(年収約106万円以上)
- 2か月を超えて雇用される見込みがある
- 学生でないこと
月80時間勤務の場合、週に約20時間働いていることになるので、この点では条件を満たす可能性が高いです。
具体例:月80時間バイトのケース
例えば、月80時間働いている人が時給1,100円で働いているとしましょう。この場合、月収は。
80時間 × 1,100円 = 88,000円となり、まさに基準ラインです。雇用期間が2か月を超えており、学生でなければ、社会保険加入対象になる可能性が非常に高いです。
ただし、勤務先が従業員101人未満の場合は、加入の義務はありません。ただし企業側の裁量で加入させる場合もあります。
社会保険に加入するメリットと注意点
加入することで、以下のようなメリットがあります。
- 医療費の負担割合はそのままでも、出産手当金や傷病手当金などの給付制度が利用可能に
- 厚生年金に加入することで、将来の年金受給額が大きく増える
- 会社が保険料の半分を負担してくれる
一方で注意点として、扶養を外れることになるため、配偶者の扶養控除や健康保険の扶養から外れて自分で保険料を支払う必要が出てきます。
学生アルバイトや短期バイトは対象外
仮に勤務時間や賃金の条件を満たしていても、「学生(夜間・定時制除く)」である場合は対象外となります。また、2か月以内の短期雇用契約も原則として加入の対象外です。
逆に言えば、大学卒業後すぐのフリーターや、長期勤務が前提のバイトであれば、加入対象になりやすいということです。
まとめ:月80時間バイトでも加入の可能性あり
月80時間の勤務は週20時間に相当し、賃金や雇用期間、学生でないことなどの条件を満たせば、バイトでも社会保険に加入することができます。
特に2022年以降は対象となる事業所の規模が引き下げられており、今後もさらに対象が広がる可能性があります。勤務先の人事担当者に確認して、自身が対象かどうか早めにチェックしておくと安心です。
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