銀行の窓口で千円近い振込手数料を支払っている人が、今でも少なくありません。特に高齢の方の中には「直接窓口で手続きした方が安心」と考えている方も多いですが、現実にはネットバンキングを使えば手数料は無料〜数百円に抑えられます。本記事では、高齢者がなぜいまだに高い窓口手数料を払うのか、そして現実的な解決策について掘り下げます。
なぜいまだに銀行窓口を使う人が多いのか?
2020年代の現在でも、銀行窓口で振込を行う高齢者は多数存在します。その理由としては。
- 紙の伝票に慣れている
- 人を介した取引のほうが安心感がある
- ネット操作に不安がある
- 詐欺被害やセキュリティリスクを恐れている
といった心理的・習慣的な要因が強く影響しています。特に金融リテラシーが中途半端に高い人ほど、自力で対応しようとしてネットを避ける傾向もあるようです。
ネット銀行なら振込手数料がここまで違う
以下は、主要銀行とネット銀行の振込手数料の比較です(2024年現在)。
銀行名 | 同一銀行宛 | 他行宛 |
---|---|---|
三菱UFJ銀行(窓口) | 660円 | 880円 |
楽天銀行(アプリ) | 無料〜145円 | 145〜300円 |
住信SBIネット銀行 | 無料(回数制限あり) | 無料〜145円 |
PayPay銀行 | 無料〜157円 | 157〜300円 |
同じ1回の振込でも、窓口だと最大880円、ネットなら無料または100円台で済むのは大きな差です。月数回の取引がある方なら、年間で数千〜1万円以上節約できるケースも。
高齢者でもネット銀行は使えるのか?
「70代にはネット銀行は無理」と思われがちですが、実際には。
- スマホでLINEやYouTubeを使いこなしている高齢者も多い
- スマホ銀行アプリは操作がシンプルでわかりやすい
- セキュリティも二段階認証や指紋認証などで強化されている
特に「楽天銀行」「SBIネット銀行」「ゆうちょダイレクト+」などは初心者にも使いやすく、高齢の利用者も増えています。
現実的な代替策:ネット銀行と窓口の“いいとこ取り”も可能
「全部ネット銀行にするのは不安」「詐欺が怖い」という気持ちはもっともです。その場合、以下のような段階的な移行もおすすめです。
- ネット銀行の口座だけ作り、送金は子世代が代行
- ネット口座と紐づけた証券口座を開設しておく
- 大きな資金移動は月1回にし、あとは証券内で回す
さらに、一部の金融機関では、店舗サポート付きネットサービスもあるため、操作に不安がある場合でも安心です。
実例:70代父の“現金主義”を変えたAさんの対応
70代の父親が毎月窓口で高額手数料を払っていたAさんは、SBIネット銀行を開設し、家族と連携して資金を送金。初回は本人名義で振込代行をし、その後はアプリ操作をサポートする形で移行に成功。
父親も「慣れれば便利だな」と感じ、今では自分で操作するようになったそうです。
まとめ:無理に変えず、寄り添うデジタル移行が鍵
・高齢者が窓口手数料を払っているのは心理的安心感が理由
・ネット銀行は数百円〜無料で振込が可能で、節約効果が高い
・一気に移行するより、家族でサポートしながら段階的に導入するのが現実的
・本人の理解と自信を育てることが、最終的な定着に繋がる
高齢者の金融行動も、知識と安心をセットで提供することで、よりスマートに変化していけます。
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