風俗業における税務申告の実態と税務調査のリスクを正しく理解する

個人事業主として風俗業に従事している方にとって、税務に関する知識は重要です。特に、店舗側とキャスト側の申告状況や、税務署の調査がどこまで及ぶのかといった不安は多くの方が感じています。本記事では、税務署の調査の実態や、風俗業における報酬の申告義務について、わかりやすく解説します。

風俗店が報酬を税務署に申告する義務とは

一般的に、風俗店がキャストに報酬を支払っている場合、キャストが従業員でない限り、店側は源泉徴収義務を負いません。キャストが業務委託の立場であることが多く、店は「支払調書」の提出対象とはならないケースが大半です。

ただし、年間支払額が一定額を超える場合（例：50万円超など）には、税務署からの問い合わせが入る可能性もあります。店舗が自主的に報告しているケースは少なく、税務署が調査を通じて関係性を確認することが多いです。

月収30～40万円ほどのキャストであっても、年間所得が基礎控除を超える場合には確定申告が必要です。申告を行うことで、正しく納税されていれば税務署に目をつけられることは通常ありません。

一方で、申告をしていない店舗やキャストが目立つエリアや業種では、税務署が重点的に調査対象とする傾向があることも確かです。

税務調査は、「誰かの申告内容」や「通報」「銀行口座の動き」などから開始されることが多く、店舗への調査からキャストが対象となること、またはその逆も起こり得ます。

たとえば、店舗の帳簿から「誰にいくら払ったか」が明記されていると、税務署はキャストの申告内容と照合することが可能です。ここで不整合が見つかれば、キャストにも調査が及びます。

2024年の法改正により、風俗業界では紹介業者に対する規制が強まりました。違法な紹介が行われている店舗では、申告漏れや脱税が同時に行われているリスクも高いと見なされます。

そのため、こうした店舗と関わっているキャストにも調査が及ぶ可能性は十分にあります。過去には、紹介業者→店舗→キャストという流れで、調査が連鎖した事例もあります。

1. 自身で確定申告を毎年行う
年収が48万円を超える場合は、必ず申告しましょう。副業扱いでも同様です。

2. 振込記録や明細を保管
銀行口座への入金、手渡しの場合の明細など、収入証明となるものはすべて保管しておくと安心です。

3. 納税は信頼と自分を守る行動
税務署の調査は突然やってきますが、正しく申告していれば怖がる必要はありません。

風俗業に限らず、税務署は収入のあるすべての個人・事業者を対象に税務調査を行う権限を持っています。キャスト側がきちんと申告していれば、店舗に調査が入ったとしても不安になる必要はありません。

逆に、店舗が適切に処理していないとキャストにも影響が及ぶ可能性はあるため、信頼できる店舗と付き合うこと、そして自身の収入をきちんと申告することが最も確実な防衛策です。