単発アルバイトや日雇いバイトをしていると、「日給9300円を超えると所得税が引かれる」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。特に、今すぐにでも手取りを多く受け取りたいと考える方にとって、源泉徴収による差し引きは大きな痛手です。本記事では、日雇いアルバイトにおける源泉徴収の仕組みや、日給9300円というラインの意味、そして今できる現実的な対策について解説します。
日雇いバイトでも源泉徴収されるのはなぜ?
日雇いバイトであっても、雇用者(企業など)は所得税法に基づいて、給与から所得税を天引き(源泉徴収)する義務があります。これは雇用形態に関係なく適用されるもので、年末調整がない単発バイトなどは年内に払いすぎた税金を取り戻すには確定申告が必要です。
特に「給与所得」として扱われるケースでは、日額表に基づいた源泉徴収が行われ、一定額を超えると自動的に所得税が差し引かれる仕組みになっています。
「日給9300円」を超えると税金が引かれる理由
2024年度の「日額表・甲欄」によると、扶養控除等申告書を提出していない場合、日給9300円を超えると源泉徴収が発生し始めるラインとなっています。
たとえば、日給9500円で扶養控除申告書未提出のケースでは、数百円〜1000円程度の源泉徴収が行われる可能性があります。
逆に扶養控除等申告書を提出している場合、「甲欄」の計算が適用され、より多くの控除が反映されるため、同じ金額でも引かれないケースがあります。
扶養控除等申告書を提出することで源泉徴収を減らせる
扶養控除等申告書を提出すると、本人控除(48万円相当)が日々の給与計算にも反映され、「甲欄」が適用されるようになります。これによって、源泉徴収がゼロ、あるいは大幅に少なくなることが多いです。
しかし、複数の事業者から単発でバイトしている場合、扶養控除等申告書を提出できるのは1社だけとなっている点に注意が必要です。それ以外の会社では「乙欄」扱いとなり、より多く税金が引かれます。
源泉徴収を回避する方法はある?
完全に源泉徴収を回避することは法律上できませんが、以下のような工夫で手取りを増やす余地はあります。
- 扶養控除等申告書を提出できるメインのバイト先を1つ決める
- 源泉徴収されても年末に確定申告すれば還付される
- 複数のバイト先の収入を合算して確定申告し、納めすぎた税を取り戻す
特に、年収103万円以下であれば所得税自体が発生しないため、源泉徴収されたとしても、確定申告で全額還付されることも少なくありません。
確定申告で取り戻すことも視野に
年末に税務署で確定申告を行うことで、源泉徴収で引かれた税金を還付してもらうことが可能です。還付申告は翌年1月1日から5年間まで提出可能ですが、手元資金を少しでも増やすには、早めに申告して還付を受けるのがおすすめです。
なお、確定申告にはバイト先から発行された「源泉徴収票」や給与明細の写しが必要になるため、しっかり保管しておきましょう。
まとめ:9300円超で税金は引かれるが、還付のチャンスも
単発バイトで日給9300円を超えると、源泉徴収が発生するケースは確かにありますが、それは制度上の自動計算によるもので、悪意があるわけではありません。
扶養控除等申告書を提出すれば引かれにくくなり、引かれた場合も確定申告で還付される可能性があります。今すぐの手取りを優先するなら、申告書を出せる先を決め、年末には忘れずに還付申告を行うことがポイントです。
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